ハワイの火山から流れ出す溶岩は、黒色で流動性の高い玄武岩質というのが「常識」です。ところが、USGS(米国地質調査所)が17号亀裂から流れ出した溶岩を分析したところ、57重量パーセントのシリカ(二酸化ケイ素)を含んでおり、安山岩質であったとのこと:
USGSでは、マグマが地溝帯にかなり長期間(おそらく1924年の大噴火当時から)滞留していたために結晶分化作用が進んで、シリカ成分の比率が相対的に高くなったと説明しています。
以下は、火山学者 Erik Klemetti 氏のブログ記事ですが、亀裂から流れ出した溶岩が安山岩質であったことについて「サプライズ」と表現しています。そして、地溝帯に残っていた古いマグマが結晶分化してデイサイト質に変化していたところに、新しい玄武岩質のマグマが流入して混じり、安山岩質のマグマに変化したと推定し、その比率を玄武岩質60%、デイサイト質40%と概算しています:
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