2016年11月23日水曜日

地震を予知する介助犬 ― ニュージーランド


地震を数時間前に予知する介助犬についての記事です:

以下は記事の要約です:
  • ニュージーランドのパーマストン・ノース(地図)に住む女性、クリスティン・グリーンさんはブラウン・セカール症候群(脊髄半側切断症候群)のために体が不自由で、介助犬のサムと暮らしている。サムはボーダーコリーで9歳。

  • グリーンさんは地震があると体がほとんど麻痺してしまい動けなることがある。地震の後、床に倒れたまま動けず、18時間もそのままだったこともある。

  • サムは地震の数時間前になると知らせてくれる。地震を予知すると大きな声で吠え、そわそわと落ち着かずに同じ場所を行ったり来たりする。そして、グリーンさんの足を強く押す。押し方が強いほど地震の規模が大きい。

  • 11月14日(日曜日)午前0時過ぎに発生したM7.8の地震では、前日の午後4時2分に地震の発生を知らせてくれたので、地震発生時には深夜にもかかわらず屋外にいることができた。火曜日に発生したM5.8の余震も事前に教えてくれた。

  • 「サムは間違ったことがありません。私が(サムの仕種を)誤解することは時々あります。でもGeonetで確かめるとサムの方がいつも正しいのです。」

  • サムの「兆候」は地震の6~8時間前に現れる。しかし「その時にその場にいないことには目撃することはできないので、他の人たちに実際に見てもらうのは難しいのです。」「日曜日に、サムが地震を予知していたことを他の人たちに話しましたが、みんな笑うだけでした。」

  • グリーンさんは、以前、行政当局にサムの能力について話したことがあるが、誰も真剣には聞いてくれなかった。「みんな私のことをちょっと頭がおかしいと思ったようです。」

  • マッシー大学の、動物の行動についての専門家ケビン・スタッフォード氏の見解 ― 「動物が地震を予知したという報告のほとんどは断片的な逸話で、地震が起きた後に過去を思い起こしてのもの」、「地震がいつ発生するかわからないので、調査するのが本当に困難」、「犬の嗅覚は人間より優れている。もしかすると、われわれが気づいていない感覚を持っているのかも知れない」

  • そうは言うもののスタッフォード氏は懐疑的な姿勢を崩さない ― 「私たちは長いこと犬と密接な関係を持って暮らしてきたが、そのような感覚が存在することに気づいたことはない」、「あり得ないとは言わないが、もし私が地震を予知できる犬を飼っているとしたら、防災当局に奉仕すると申し出るだろう」

  • スタッフォード氏は次の点にも言及した ― ロシアと日本の研究では、地震の前に実験室内のマウスに生理学的変化があったという証拠が見つかっている。しかし、まだ新しい研究にすぎず、一般家庭で飼われている動物については調べられていない。

  • グリーンさんのブラウン・セカール症候群は脊髄の損傷によるもので、彼女は日常生活のすべてをサムに頼っている。

  • グリーンさんによると、サムは激しい雷雨や余震にも敏感であるという。グリーンさんと一緒にいるとそれらのほとんどに対してサムは「兆候」を示す。

  • グリーンさんは、初めのうちはサムが何を知らせようとしているのかわからなかったが、次第にサムの行動と地震などとの関係に気づくようになった。

  • 「サムは非常に知覚が鋭い犬で、私が地面に落ちているものを拾おうとしたり、掃除、洗濯、着替えをするときに介助するように訓練されています。」

  • グリーンさんはブラウン・セカール症候群のせいでいつトイレに行ったらよいのか自分ではわからないが、それもサムが知らせてくれる。

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