2024年1月18日木曜日

溶岩流との戦い — アイスランド

 
アイスランドでは亀裂から噴出した溶岩流が市街地に流れ込むのを防ぐために、数週間前から堤防(溶岩流偏向障壁)の建設が始まっていました。以下は『Live Science』の記事です:
 
アイスランド当局が 1月15日に発表したところによると、主亀裂からの溶岩は一部が堤防を乗り越えた(写真)ものの、大部分が堤防の外側に沿って市街地とは違う方向に流れた、しかし、堤防の内側にも新たな亀裂が開いて溶岩が流れ出したために市街地に被害が発生したということです。
 
記事では、これまでに人類が溶岩流を防ぐために行った試みが紹介されています。日本でも富士山が噴火して周辺都市が溶岩流に脅かされるような事態になれば、検討を迫られることになるでしょう。
 
▼ 溶岩固化作戦 1973年、アイスランド沖にあるヘイマエイ(Heimaey、地図)という小さな島で噴火が起きた際、この島の漁業とアイスランド本土へのライフラインにとって重要な港を溶岩流から守るためにおこなわれた。小さなボートや漁船からなる船団を使って海水を給水ホースで汲み上げ、溶岩に向かって放水して溶岩を冷やし固化させようとした。この作戦の成否がはっきりする前に噴火は終わり、港は生き残った。
 
▼ 溶岩流爆撃作戦 1935年と 1942年、ハワイ島では、マウナ・ロア山(地図)の溶岩流からヒロ(地図)の市街地を守るために、飛行機から爆発物(爆弾)を投下して溶岩流の方向を変えようとした。どちらの試みも成功しなかった。爆発により新しい流路が形成されたが、溶岩流はすぐに元の流路にもどってしまった。

▼ 障壁建設 1992年、イタリアではエトナ山(地図)の溶岩流を止めるために障壁を建設した。溶岩の流れを遅らせることには成功したが、最終的には溶岩が障壁を乗り越えてしまった。