2012年10月6日土曜日

「はやぶさ2」にドイツ製探査機を搭載


2014年に打ち上げられ、小惑星〝1999 JU3〟の表面物質を持ち帰ることを目指す日本の小惑星探査機「はやぶさ2」に、ドイツ航空宇宙センター(DLR)の開発する可動型表面探査機(MASCOT: Mobile Asteroid Surface Scout)が搭載されることが決まりました。MASCOTは、はやぶさ2から切り離されて小惑星に着陸し、小惑星の表面を自律的に飛び跳ねながら複数の着地点の温度、磁気、化学組成などを調べます。「はやぶさ2」の本体が表面物質を採取する地点は、このMASCOTの収集した情報によって決定されるとのことです:

小惑星「いとかわ」の表面物質を持ち帰ることに成功した初代の「はやぶさ」には日本製のMINERVAという探査機が搭載されていましたが、「はやぶさ」本体から分離するタイミングを誤ったため、「いとかわ」に着地することができませんでした。MASCOTは、失敗に終わったMINERVAよりも多くの観測情報を収集する能力を持っています。

このブログ記事を書いている時点で、JAXAのウェブサイトにはMASCOTに関する記事は見当たりません。私の探し方が悪いのかも知れませんが、「はやぶさ2」のページに掲載されている「最新」のプレス・リリースは昨年5月のものですし、「はやぶさ2プロジェクト」のページの最終更新は今年7月です。JAXAのメイン・ページには、10月5日付の「アーヘン工科大学(ドイツ)と宇宙航空研究開発機構との連携協力協定の締結について」というプレス・リリースが掲載されていますが、MASCOTとは関係がないようです。

毎度のことですが、JAXAの情報公開は遅いし少なすぎると思います。公開している情報や画像も著作権で囲い込んでいて、自由な利用を妨げています。JAXAに比べると、米国のNASAははるかにスピーディかつタイムリーに情報を公開しています。量も圧倒的に豊富です。また、公開している情報や画像のほとんどについて著作権を主張せず「パブリック・ドメイン」(だれでもが使える公共財産)であると宣言していて、商業利用などを除いて自由な使用を認めています。JAXAももう少しNASAを見習って、納税者への還元を心がけていただきたいものです。


関連記事