2024年10月21日月曜日

南極の巨大な「扉」の謎

 
東オングル島にある日本の昭和基地に近いクイーン・モード・ランド(Queen Maud Land)で見つかった巨大な扉のような氷の地形(地図)。グーグル・マップで見つかったその「扉」については様々な憶測が飛び交っています:

ニューカッスル大学の氷河学講師、ベサン・デイビス(Bethan Davies)教授は、Google Earth Pro で座標を調べた結果、「座礁してその場で溶けている氷山だ」としています。


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イースター島のジルコンがプレート・テクトニクスに疑問符

 
イースター島の火山性ジルコンを研究している地質学者が、予想外に古い 1億6500万年前のサンプルを発見。この発見は、長年信じられてきた「ベルト・コンベア」理論に疑問を投げかけるもので、マントルは考えられていたよりも静止しており、古代の物質を保存している可能性があることを示している:

記事の概略は以下のとおりです ——

ジルコンの年代測定とは: マグマが冷えると、含まれているジルコンは結晶化する。ジルコンには少量のウランが含まれており、放射性崩壊によって徐々に鉛に変化する。その変化の速さがわかっているので、残っているウランと鉛の比率から、それらのジルコンがどのくらい前に形成されたかを測定できる。

イースター島は、いくつかの死火山から成り立っている。最も古い溶岩堆積物は、火山自体よりもそれほど古くない海洋プレートの上に約 250万年前に形成された。

地質学者たちはイースター島で数百個のジルコンを採集した。驚くべきことに、250万年前のものだけでなく、さらに古い 1億6500万年前のものも発見された。どうしてこのようなことが起こり得るのだろうか?

化学分析により、ジルコンの組成はすべてのケースでほぼ同じであることが判明した。したがって、それらはすべて、今日の火山と同じ組成のマグマから生じたと考えられる。

しかし、それらの火山が 1億6500万年も活動していたはずはない。なぜなら、それらの下にあるプレートはそれほど古くないから。そうなると、ジルコンは今日の火山が形成されるずっと前に、プレート下のマントル内にある火山活動の源で発生したということになる。

イースター島の火山は、ハワイ諸島と同様の「ホットスポット火山」である。これらは、地球の深部のマントルからゆっくりと上昇するマントル・プルームから形成される。

マントル・プルームがプレートの底に近づくと、プルームの岩と周囲のマントルの岩が溶けて火山を形成する。プレートがマントル・プルームの上を移動する間、マントル・プルームは非常に長い間その場所に留まる。プレートが少し移動するたびに、マントル・プルームは新しい火山を生み出す。

地質学者たちは、イースター島の下のマントル・プルームが 1億6500 万年もの間活動していたという証拠を発見したのだろうか?
 
現在のイースター島の場所の 1億6500万年前の復元図からは、当時の地形が 1億1000万年前に南極半島の下に沈み込んでしまったことが判明した。そして、イースター島の下のマントル・プルームが、少なくとも当時から活動していた可能性があることを示している。古い時期のジルコンは古い時期のマグマの残滓で、火山噴火にともなって、より若いマグマとともに地球の深部から地表に運ばれたと考えられる。
 
古典的なベルト・コンベア理論は、マントル・プルームは定位置に留まり、周囲のすべてのものが動き続けるという観察事実とすでに矛盾をきたしていた。
 
矛盾を避けるため、プルームが非常に速く上昇するため、プレートとともに移動するマントルの影響を受けない、という説明がある。新しいプルームの物質がプレートの下に絶えず供給され、新しい火山を形成しているのだという。
 
しかし、その場合、古いプルームの断片は、古いジルコンとともに、マントルの流れによってイースター島の位置から運び去られ、現在地表にあるはずがない。プルームを取り囲むマントルが基本的にプルーム自体と同じくらい静止している場合にのみ、それらの古代の鉱物が保存された可能性があるという結論になる。
 
イースター島での古代の鉱物の発見は、地球のマントルがこれまで想定されていたよりも根本的に異なる動作をし、はるかにゆっくりと移動していることを示唆している。

——
 

小惑星 2024 UF が地球と月に接近・通過

 
10月19日から 20日にかけて、高速の小惑星〝2024 UF〟が地球と月の近くを通過したことが、NASA/JPL による 10月20日付のデータベース更新で明らかになりました。
 
2024 UF (2024年10月20日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)10月19日 22:34
 (月)10月20日 02:24
接近日時 誤差
(地球)± 2 分
(月)± 1 分
接近距離 (地球)0.85 LD
(月)1.28 LD
推定直径
14 ~ 31 m
対地球相対速度
21.4 km/s ≅ 7万7000 km/h
初観測から地球接近まで−1 日
次の地球接近
公転周期1515 日 ≅ 4.15 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2024年10月19日土曜日

機械学習を用いた地震予測の精度向上

 
Nature』に掲載されている地震予測に関する論文(報告)です。著者はいずれも米国のジョージア・サザン大学の研究者です。高度な機械学習とニューラル・ネットワーク技術を駆使して地震予測の精度を向上させる取り組みについて述べています。こういう情報に触れると、少なくとも人工知能や地震予測の分野では、日本は欧米や中国に比べて遅れているとつくづく感じます:
 
以下は "Introduction" からの抜粋・テキトー訳です ——

以前の我々の研究では、ロサンゼルスに対して予測パターン・マトリックスを開発し、6つのカテゴリの 1つで最大マグニチュードの地震を予測する際に 69.14%の精度を達成した。この最​​初の成功により、重要な疑問が生じた。このレベルの予測精度は、他の地震活動が活発な地域でも再現できるだろうか?、さらに向上できるだろうか?この疑問を追究するために、我々は研究を世界的に最も地震が発生しやすい地域の 1つである北アナトリア断層に近い都市、イスタンブールにまで拡大し、91.65% の精度を達成した。これらの有望な結果を基に、我々はさらに手法を改良し、サンディエゴで 98.53% の精度を達成した。

サンディエゴとイスタンブールでの成功に勇気づけられ、我々は再びロサンゼルスを対象とし、以前達成した 69.14% の精度を上回ることができるか否かを確かめた。その結果は肯定的なものだった。我々はロサンゼルスの地震を 97.97% の精度で予測することに成功した。結果は、機械学習技術を使用して地震予測の精度を大幅に向上させる可能性を示しており、より効果的な災害への備えと対応戦略に貢献するものである。

本研究では、過去 12 年間に記録されたすべての地震を含む包括的なデータセットを利用して、さまざまな機械学習およびニューラル・ネットワーク技術を適用し、ロサンゼルスの地震を予測した。高度な特徴量エンジニアリングを通じて、以前の研究で得た重要な予測入力変数を組み込んだ特徴マトリックスを構築した。以前の研究では、深部地震パターンの特定、さまざまな予測モデルのテスト、地震周波数特性の調査など、地震予測の精度を高めるためのさまざまな戦略が提案されている。これらの基礎的な研究を基に、16 種類の機械学習およびニューラル・ネットワーク・アルゴリズムを開発して評価し、30 日間の期間内に発生する可能性のある地震の最大規模を予測するための最も効果的なモデルを決定した。

我々の得た知見は重要である。ランダム・フォレスト・モデルが最高のパフォーマンスを発揮し、97.97% の精度を達成した。この高い精度は、以前の取り組みに比べて大幅に改善されており、機械学習技術が地震予測機能を高める可能性を裏付けている。

我々の研究は、1990年から2024年までの地震予測に関する多様な研究に基づいている。

我々の研究は、地震予測に関するさまざまな研究の結果を統合することにより、ロサンゼルス地域に特化した予測モデリング手法を高度化することを目標としている。機械学習アルゴリズム、特徴抽出方法、高度なニューラル・ネットワーク・アーキテクチャを統合することで、地震予測の精度と即応性を向上させ、災害への備えと対応戦略を強化することを目指している。

——
 

十和田(火山)で火山性地震急増

 
10月17日、気象庁の常時観測火山・十和田(地図)で火山性地震が急増(22回)しました。
 
気象庁「十和田の火山観測データ」より(クリックで拡大)

十和田で火山性地震の回数が 20回を超えたのは 2023年7月6日以来です:
気象庁が 10月8日に発表した「十和田の火山活動解説資料(令和6年9月)」(PDF形式)には、「深さ 5km 前後で発生している地震は、今期間は少ない状態で経過しました。また、より浅い場所を震源とする火山性地震は観測されませんでした」、「2023年前半から十和田湖を挟む東西の基線において、基線長のわずかな伸びの変化が認められています」と書かれています。
 
十和田の最後の噴火は平安時代(西暦 915年)のことで、マグマ噴火、マグマ水蒸気噴火、泥流発生があり、火山爆発指数(VEI)は 5(非常に大規模)であったとされています。
 
 
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2024年10月18日金曜日

Wakulla Swamp Volcano: フロリダの湿原の奥にあるという伝説の活火山 (その6)

 
 
(その煙の巨大な塊は)おそらく、タラハシー(地図)の南、スマトラ(地図)とカラベル(地図)の間にある場所から発生したと思われる。この場所はテイツ・ヘル(Tate's Hell、地図)と呼ばれている。200平方マイルの荒野で、現在でも地図が作成されていない部分がある。

しばしば、フロリダの「忘れられた海岸」と呼ばれる場所にあるこの森は、1870年代に、家畜を襲ったピューマを追って 20万エーカーの森で道に迷った地元の開拓者、セベ・テイト(Cebe Tate)にちなんで、この変わった名前が付けられた。

地元の伝承によると、数日後、この 45歳の男はカラベル近くの空き地から出てきて、「私の名前はセベ・テイト。地獄から戻って来た!」とつぶやき、倒れて死んだという。

今日まで、森は呪われているという噂が絶えない。しかし、真実は伝説というよりはありふれたもので、今日ではほとんどの人が、煙は長く燃え続けた大きな火災が原因であるという説明を受け入れている。

それでも、1880 年に『タラハシー・パトリオット』紙に掲載された記事は疑問を投げかける。その記事では、最長老の地元住民が、半世紀の大部分の時期において、黒い煙を目撃していたと書かれている。

また、ワクラ郡(Wakulla County)では、大きなゴロゴロという音がよく聞こえていたと書かれている。その音は強烈で、フランク・ディングル(Frank Dingle)の一家は、ぐっすり眠っていたのに「目が覚めて家の外へ走り出た」ほどだった。

住民は、噴出は「炎のような舌を上空に高く噴き上げ、通り過ぎる雲に反射する大きな火」のようだと述べている。

また、「火山」活動は 1886年の地震で終わってしまったのではなく、単に休眠状態になっただけであり、4 年後には目撃が再開されたという主張もある。
 
——
 
(続く)
 

2024年10月17日木曜日

今夜、スーパームーン、今年最大の満月

 
今夜 20時26分、満月となります。2024年では地球から最も近い位置の満月です。月が近地点を通過後 10時間35分で満月となるため、スーパームーンに該当します:

「マグニチュード 8.2 以上の巨大地震 12 例のうち 9 例が大潮での出来事だったそうです。逆に、潮汐力と小さな規模の地震との間には明らかな相関は見られなかったといいます」、「月の満ち欠けと地震の関係性は、あくまで“可能性”の示唆であることはしっかりと把握しておきたい点です」:
 
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近畿圏中心領域大型地震 (続報-305)

 
八ヶ岳南麓天文台(地図)の串田氏が「No.1778 長期継続大型地震前兆」について 10月16日17:00 付けで「続報 No.372」(PDF形式)を出しています。
 
前回の更新情報(9月14日15:00 付け)では次のように推定されていました ——
 
11月1日±3日に地震発生の可能性。前兆変動終息推定時期は 10月13日±3日。この時期に前兆変動が終息するかを確認する必要あり。
 
今回の更新情報では以下のように推定されています ——
 
直前変動(10月3.4日)等が観測され、11月1日±2日に地震発生の可能性が考えやすい。11月1日±2日発生の可能性が正しい場合は、現在継続中の変動は 10月26.5日±1日まで継続する見込み → 最終決定は 10月27日まで困難。
 

推定日11月1日 ±2日に発生の可能性
最終前兆変動終息を観測後に発生日修正予定
推定時間帯 09:00 ±2時間 または 18:00 ±3時間
推定震央領域

続報 No.372」所載の図3参照(太線領域内=大枠推定域; 斜線領域=可能性が考えやすい推定領域; 震源域が火山近傍である可能性高い)
推定規模 主震が単発の場合:M8.0 ± 0.3;
複合地震の場合:M7.4 ± 0.3 + M7.3 ±0.3 など
推定地震種 震源が浅い陸域地殻内地震
その他 火山噴火型前兆変動が観測されたため、地震に伴い震源近傍で火山噴火の可能性も否定困難。しかし、前兆変動の出現形態は噴火型ではなく地震前兆型であり過去の噴火例と異なるので、噴火型は単に火山近傍大型地震を示している可能性が高く、噴火しない可能性の方が若干考えやすい。(2016年発生の熊本地震は火山近傍地震型極大であったが、今回は噴火型で極大を観測している。)
 
 
このブログ記事のタイトルが「近畿圏・・・」となっているのは、当初の推定震央領域が近畿圏とされていたためです。その後、推定領域は徐々に東にずれ、現在は長野県や群馬県を中心とした地域とされています。推定領域が変化するにしたがってタイトルを変えると、過去の記事の検索が不便になると考え、当初のタイトルのままとしています。
 
 
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2024年10月16日水曜日

小惑星 2024 TM20 が月と地球に接近・通過

 
小惑星〝2024 TM20〟が 10月15日に月と地球の近くを通過していたことが、NASA/JPL による 10月15日付のデータベース更新で明らかになりました。
 
2024 TM20
(2024年10月15日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)10月15日 08:43
 (地球)10月15日 12:42
接近日時 誤差
(月)± < 1 分
(地球)± < 1 分
接近距離 (月)0.89 LD
(地球)0.31 LD
推定直径
10 ~ 23 m
対地球相対速度
18.2 km/s ≅ 6万5000 km/h
初観測から地球接近まで7 日
次の地球接近2028年2月13日ごろ
公転周期577 日 ≅ 1.58 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2024年10月15日火曜日

エウロパ・クリッパー、木星系へ出発

 
日本時間 10月15日01時06分、NASA のエウロパ探査機エウロパ・クリッパー(Europa Clipper)が、フロリダ州にある NASA ケネディ宇宙センターから、スペースX社のファルコン・ヘビー・ロケットで打ち上げられました。木星の衛星・エウロパには、氷で覆われた表面の下に巨大な地下海があり、生命を育む条件が整っている可能性があると考えられています。
 
NASA の発表は以下のとおりです:

以下は上掲発表の主要部分の抜粋テキトー訳です ——
 
他の惑星に向かうミッションのために NASA がこれまでに建造した探査機の中で最大であるエウロパ・クリッパーは、地球外の海洋世界を研究するための NASA 初のミッションでもある。探査機は、重力アシストを利用する軌道で 29 億キロメートルを飛行する。まず 4ヶ月で火星に到着、その後 2026年に再び地球に戻って重力アシスト・フライバイを行う。2030年4月に木星の周回軌道に入り、エウロパの近くを 49回通過する。
 
ミッションの主要な目的は、エウロパに生命を維持できる条件があるかどうかを判断することである。エウロパは地球の月とほぼ同じ大きさだが、内部は月とは異なる。 1990年代の NASA のガリレオ・ミッションから得られた情報によると、エウロパ表面の氷の下には、地球のすべての海を合わせたよりも多くの水を含む巨大な塩分を含んだ海があるという強力な証拠が示されている。科学者たちはまた、エウロパの表面下に有機化合物やエネルギー源が存在する可能性があるという証拠も発見している。
 
2031年、この探査機はエウロパへの科学調査を目的とした接近飛行を開始する。エウロパ・クリッパーには、氷を貫通するレーダー、カメラ、周囲より温度が高い氷の領域や最近の水の噴出を探すための熱測定器を含む 9 つの科学機器と重力実験装置が搭載されており、エウロパの表面から 25 キロメートルまで接近する。NASA が木星に送った科学機器の中で最も高度な観測機器群として、これらの機器は連携して、この衛星の氷の殻、薄い大気、および衛星内部の深部についてさらに詳しく調査する。

木星に届く微かな太陽光でこれらの機器に電力を供給するため、エウロパ・クリッパーは NASA が惑星間ミッションに使用した中で最大の太陽電池アレイも搭載している。アレイを展開すると、探査機の端から端までの長さは 30.5 メートルになる。燃料を積んだ状態での重量は約 5900 キログラムである。
 
 ——
 
エウロパ・クリッパーがエウロパの周回軌道に入らず木星本体を周回するに留めているのは、技術的な困難さと、エウロパに落下したり衝突したりしてエウロパの環境を地球の微生物や有機物によって汚染する可能性を最小限にするためです。

太陽電池アレイの展開はうまくいったようです —— 「エウロパ・クリッパーの胴体側面にある太陽電池アレイが完全に展開しました。これは、探査機が今後の木星への旅と木星系のツアーに向けて信頼できる電源を確保したことを意味します」(英単語 "journey" と "tour" の使い分けの好例):


 
 

2024年10月14日月曜日

まったく予測不能な日本海側の地震リスク

 
ダイヤモンド・オンライン』の記事です。「日本海東縁ひずみ集中帯」と「新潟ー神戸ひずみ集中帯」の地震リスクについて書かれています。

▼「日本海側の防災対策が十分でなかった理由の1つに、太平洋側のように地震の発生場所とメカニズムに関する明確なモデルがなかった点が挙げられる」、▼「太平洋側のプレート沈み込みのように繰り返し発生する規則性がなく、日本海の海底地震はいつどこで起きるかの予測が全くといってよいほど不可能である」、▼「政府の地震調査委員会でも日本海の海底活断層の「長期評価」は進んでおらず、その多くは「全国地震動予測地図」に反映されていない」:
 

なぜ発生確率の低い地域ばかりで大地震が起こるのか?

 
『南海トラフ地震の真実』(東京新聞刊)で数々の賞を受賞した東京新聞の小沢慧一記者へのインタビュー記事です。
 
▼「南海トラフだけに適用されている予測モデルは、『時間予測モデル』と呼ばれるもので(中略)非常にあやふやなデータをもとに『時間予測モデル』がつくられており、それが南海トラフ地震の地震発生確率 70~80% の根拠となっている」、▼「防災関係者は、高確率(70〜80%)でなくなると、国民の防災意識が低下したり、予算が削られると考え、低確率(20%)の公表を渋りました」、▼「海外では、アメリカの連邦緊急事態管理局(FEMA)、イタリアの市民保護局など、防災を専門とした省庁があります。日本には、各省庁に防災を担う部署がありますが、縦割り行政の弊害があり連携が不十分」:
 
記事中の図 1 は、政府地震調査研究推進本部が出した「全国地震動予測地図」の上に、1979年以降10人以上の死者を出した地震の震央を書き加えたものですが、地図は震度6弱以上の揺れに襲われる確率を示したもので、必ずしも震源地となる確率を示したものではない点に留意する必要があります。
 

紫金山・アトラス彗星が夕方の西空に見えます

 
これまでは夜明け前の東の空に姿を現していた紫金山・アトラス彗星(ツーチンシャン・ATLAS彗星、C/2023 A3)が、今は夕方の西空に見えています。
 
「国立天文台によると、20日ごろまで日没後の暗い西の空に肉眼で見つけられる可能性があるという」:

この彗星は非周期彗星なので、再び太陽や地球の近くにやって来ることはありません。
 
 
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2024年10月13日日曜日

小惑星 2024 TA12 が月と地球に接近

 
 10月14日、小惑星〝2024 TA12〟が月と地球の近くを通過します。
 
2024 TA12
(2024年10月13日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)10月14日 06:16
 (地球)10月14日 16:19
接近日時 誤差
(月)± 1 分
(地球)± < 1 分
接近距離 (月)0.53 LD
(地球)0.80 LD
推定直径
3 ~ 8 m
対地球相対速度
6.0 km/s ≅ 2万2000 km/h
初観測から地球接近まで3 日
次の地球接近2028年3月24日ごろ
公転周期535 日 ≅ 1.46 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

小惑星 2024 TK13 が月と地球に接近・通過

 
小惑星〝2024 TK13〟が 10月11日に月と地球の近くを通過していたことが、NASA/JPL による 10月12日付のデータベース更新で明らかになりました。
 
2024 TK13
(2024年10月12日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)10月11日 02:41
 (地球)10月11日 07:00
接近日時 誤差
(月)± < 1 分
(地球)± < 1 分
接近距離 (月)1.23 LD
(地球)0.45 LD
推定直径
5 ~ 11 m
対地球相対速度
8.4 km/s ≅ 3万 km/h
初観測から地球接近まで−1 日
次の地球接近2027年5月18日ごろ
公転周期525 日 ≅ 1.44 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
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2024年10月12日土曜日

小惑星 2024 TH11 が月と地球に接近・通過

 
小惑星〝2024 TH11〟が 10月10日に月と地球の近くを通過していたことが、NASA/JPL による 10月11日付のデータベース更新で明らかになりました。
 
地球への接近距離は 0.078LD ≅ 2万9800km です。これは地球の中心からの距離なので、地球の半径を差し引くと地表からの高度は約 2万3500km となります。気象衛星「ひまわり」などの静止衛星の高度約 3万5800kmと比べると、はるかに低いところを通過して行ったことになります。
 
2024 TH11
(2024年10月11日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)10月10日 12:49
 (地球)10月10日 18:18
接近日時 誤差
(月)± 9 分
(地球)± 7 分
接近距離 (月)0.724 LD
(地球)0.078 LD
推定直径
9 ~ 21 m
対地球相対速度
13.7 km/s ≅ 4万9000 km/h
初観測から地球接近まで−1 日
次の地球接近2028年2月22日ごろ
公転周期2023 日 ≅ 5.54 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
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2024年10月11日金曜日

日本各地でオーロラ(赤気)を観測

 

10月9日に発生した大規模な太陽面爆発によって生じたコロナ・ガスが地球に到来したことによって、11日未明に日本各地 — 北海道、東北、北陸、山陰など — で低緯度オーロラが観測されました:

日本で見られるオーロラは、古来「赤気」と呼ばれ、陰陽道・天文道では戦乱・火災・風災・地震などの前兆とされることがありました:
 
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岩手山 現地調査: 特段の変化なし

 
10月2日付「岩手山の噴火警戒レベルを 2 へ引上げ 」の続報です。
 
気象庁が 10月10日に岩手山(地図)山頂付近で実施した現地調査では、これまでの観測と比較して地熱等の状況に特段の変化は認められなかったとのことです:
 
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小惑星 2024 TQ9 が月と地球に接近・通過

 
小惑星〝2024 TQ9〟が 10月7日に月と地球の近くを通過していたことが、NASA/JPL による 10月10日付のデータベース更新で明らかになりました。
 
2024 TQ9
(2024年10月10日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)10月7日 08:49
 (地球)10月7日 13:43
接近日時 誤差
(月)± 1 分
(地球)± < 1 分
接近距離 (月)0.71 LD
(地球)0.29 LD
推定直径
2 ~ 4 m
対地球相対速度
7.5 km/s ≅ 2万7000 km/h
初観測から地球接近まで−1 日
次の地球接近2025年4月28日
公転周期310 日 ≅ 0.85 年
分類
アテン群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
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2024年10月10日木曜日

中心部の市街地に次々と野生動物 — 新潟県新潟市

 
10月5日ごろから、新潟県新潟市(地図)中心部の市街地に野生のシカやタヌキが出没しています。

「(タヌキは)人通りがあったにもかかわらず、逃げる様子もなく悠然と歩いて去って行った」、「新潟市中心部に近く、シカのような大きな動物が現れるのはとても珍しい出来事です」、「市街地では珍しい動物の出現が相次いでおり、何かの異変を告げているのでしょうか」:
 

大規模太陽面爆発と紫金山・アトラス彗星

 
日本時間 10月9日10時56分に太陽面の中央付近で大規模な爆発現象(太陽フレア、X1.8-class)が発生しました。
 
爆発は 5時間以上にわたって続き、大量の CME(コロナ質量放出)が生じました。SOHO(太陽・太陽圏観測機)が搭載しているコロナグラフは、地球に向かってまっすぐ進む高速の CME を検出しました。NOAA(アメリカ海洋大気庁)と NASA は、CME が米国時間 10月10日遅くに地球を襲うと予測しています。NOAA の予報官は CME が到達すると深刻な G4 クラスの地磁気嵐が発生する可能性があると述べています。

「地球方向への大規模なコロナガスの噴出および高エネルギーのプロトン粒子の増加が確認されました。2~3日以内に、コロナガスが地球に到来・通過することが予測されています」:
 
以下の GIF 動画は、SOHO が撮影したものです。 CME の中を進む紫金山・アトラス彗星(ツーチンシャン・ATLAS彗星、C/2023 A3)を捉えています。CME との遭遇で彗星の尾がちぎれてしまうのではないか、との推測もあります:
 
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小惑星 2024 TX6 が月と地球に接近・通過

 
小惑星〝2024 TX6〟が 10月7日に月と地球の近くを通過していたことが、NASA/JPL による 10月9日付のデータベース更新で明らかになりました。
 
2024 TX6
(2024年10月9日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)10月7日 09:51
 (地球)10月7日 17:17
接近日時 誤差
(月)± < 1 分
(地球)± < 1 分
接近距離 (月)0.68 LD
(地球)0.27 LD
推定直径
6 ~ 12 m
対地球相対速度
11.0 km/s ≅ 3万9000 km/h
初観測から地球接近まで0 日
次の地球接近2028年4月8日ごろ
公転周期467 日 ≅ 1.28 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
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2024年10月9日水曜日

2つの小惑星が月と地球に接近・通過

 
NASA/JPL による 10月8日付のデータベース更新で、2つの小惑星が月と地球の近くを通り過ぎていたことが明らかになりました 。
 
2024 TD6
(2024年10月8日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)10月4日 10:16
 (地球)10月5日 12:11
接近日時 誤差
(月)± 8 分
(地球)± 6 分
接近距離 (月)0.32 LD
(地球)0.53 LD
推定直径
3 ~ 7 m
対地球相対速度
3.8 km/s ≅ 1万4000 km/h
初観測から地球接近まで−2 日
次の地球接近2030年4月13日ごろ
公転周期441 日 ≅ 1.21 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
 
2024 TK5
(2024年10月8日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)10月9日 02:43
 (地球)10月9日 09:01
接近日時 誤差
(月)± < 1 分
(地球)± < 1 分
接近距離 (月)0.30 LD
(地球)0.59 LD
推定直径
7 ~ 16 m
対地球相対速度
9.1 km/s ≅ 3万3000 km/h
初観測から地球接近まで3 日
次の地球接近2032年9月18日ごろ
公転周期1461 日 ≅ 4.00 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2024年10月8日火曜日

1時間前に大地震発生を予測する OHB システム

 
梅野健・京都大学教授のチームが開発したワンアワー・ビフォアー・システム(OHB システム)についての記事です。

▼「大地震発生直前に生じる上空の電離圏異常を観測することにより、1時間前に地震発生を予測する解析手法「ワンアワー・ビフォアー・システム(OHBシステム)」を開発した」、▼「2011年3月11日の東日本大震災、2016 年熊本地震、2024年1月1日の能登半島地震のマグニチュード(M)7.0以上の大地震について、1時間前に発生場所や揺れの範囲予測の実証が検証されている」、▼「本年4月3日の台湾地震においても、台湾の位置観測システムによる周辺複数局のデータ異常を観測することで、同様の実証結果が得られている」:
 
関連記事  

「地震予測の最前線」

 
明日 19時からフジテレビで放送されます —— 「今年 4月京都大学が発表!『大地震の前兆現象』その仕組みが解明された!?」:
 今年4月京都大学が、大地震発生直前に観察される、
ある現象の仕組みを発見したと発表!
そもそも、大地震の前兆現象とは何なのか?
そして、新たに解明されたこととは一体何なのか?
今後の地震予測に役立つかもしれない“最新研究”を
日本地震予知学会会長にお聞きしました。
 
登場するのは実際に研究をしている梅野健・京都大学教授ではなく、長尾年恭・日本地震予知学会会長(東海大学および静岡県立大学客員教授)のようです。

小惑星 2024 TR4 が地球と月に接近・通過

 
10月7日、小惑星〝2024 TR4〟が地球と月の近くを通過しました。 NASA/JPL による 10月7日付のデータベース更新で明らかになりました。
 
2024 TR4 (2024年10月7日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)10月7日 10:07
 (月)10月7日 13:29
接近日時 誤差
(地球)± < 1 分
(月)± < 1 分
接近距離 (地球)0.29 LD
(月)1.22 LD
推定直径
11 ~ 25 m
対地球相対速度
15.1 km/s ≅ 5万4000 km/h
初観測から地球接近まで1 日
次の地球接近2025年9月26日
公転周期345 日 ≅ 0.95 年
分類
アテン群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2024年10月7日月曜日

4つの小惑星が月と地球に接近・通過

 
10月3日から 6日にかけて、4つの小惑星が月と地球の近くを通過していたことが、NASA/JPL による 10月5日付および 10月6日付のデータベース更新で明らかになりました。
 
2024 TU3
(2024年10月6日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)10月3日 18:46
 (地球)10月4日 00:02
接近日時 誤差
(月)± < 1 分
(地球)± < 1 分
接近距離 (月)1.06 LD
(地球)0.26 LD
推定直径
6 ~ 13 m
対地球相対速度
8.6 km/s ≅ 3万1000 km/h
初観測から地球接近まで−1 日
次の地球接近2038年7月23日ごろ
公転周期1017 日 ≅ 2.78 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
 
2024 TL3
(2024年10月6日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)10月4日 12:34
 (地球)10月4日 18:21
接近日時 誤差
(月)± 2 分
(地球)± 2 分
接近距離 (月)0.45 LD
(地球)0.51 LD
推定直径
2 ~ 5 m
対地球相対速度
19.2 km/s ≅ 6万9000 km/h
初観測から地球接近まで−1 日
次の地球接近
公転周期1617 日 ≅ 4.43 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
 
2024 TS2
(2024年10月5日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)10月4日 13:27
 (地球)10月4日 20:05
接近日時 誤差
(月)± 1 分
(地球)± 1 分
接近距離 (月)0.51 LD
(地球)0.50 LD
推定直径
10 ~ 23 m
対地球相対速度
15.9 km/s ≅ 5万7000 km/h
初観測から地球接近まで−1 日
次の地球接近2026年3月22日ごろ
公転周期635 日 ≅ 1.74 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
 
2024 TM3
(2024年10月6日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)10月5日 21:18
 (月)10月6日 02:39
接近日時 誤差
(地球)± < 1 分
(月)± < 1 分
接近距離 (地球)0.14 LD
(月)0.73 LD
推定直径
2 ~ 3 m
対地球相対速度
16.7 km/s ≅ 6万 km/h
初観測から地球接近まで1 日
次の地球接近2026年9月26日ごろ
公転周期720 日 ≅ 1.97 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。