2024年12月10日火曜日

噴火止まる — アイスランド

 
11月21日付「噴火始まる — アイスランド」の続報です。

アイスランド南西部のレイキャネス半島で起きていた亀裂噴火が終息しました。以下は、アイスランド気象局の 12月9日15時10分の発表です:
ストーラ・スコグフェル(Stóra-Skógfell、地図)の東で起きていた噴火は終了した。これは本日、防災当局が実施したドローンによる調査で確認された。火口の最後の輝きは、12月8日の朝にウェブ・カメラで確認されたものである。
 
噴火は11月20日の夜に始まり、18日間続いた。2023年12月以降に発生した 7回の噴火のうち、今回は(溶岩の流出)面積で 2番目に大きい噴火であった。
 
以前に報告したように、スヴァルツェンギ(Svartsengi、地図)周辺の地盤隆起が再開し、過去数日間続いている。これは、スヴァルツェンギの地下にある貯留層でマグマの蓄積が再び始まったことを示している。 
 
 

小惑星 2024 XV11 が月と地球に接近・通過

 
小惑星〝2024 XV11〟が 12月7日に月と地球の近くを通過していたことが、NASA/JPL による 12月9日付のデータベース更新で明らかになりました。
 
2024 XV11
(2024年12月9日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)12月7日 13:37
 (地球)12月7日 23:47
接近日時 誤差
(月)± 1 分
(地球)± < 1 分
接近距離 (月)0.38 LD
(地球)0.60 LD
推定直径
4 ~ 9 m
対地球相対速度
9.7 km/s ≅ 3万5000 km/h
初観測から地球接近まで−1 日
次の地球接近
公転周期1353 日 ≅ 3.70 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2024年12月9日月曜日

火球の出現相次ぐ

 
「ふたご座」流星群を筆頭に、「いっかくじゅう座」流星群や「うみへび座σ」流星群など、複数の流星群の活動期間がかさなっているためか、各地で明るい火球が目撃・撮影されています。特に、北海道北見市で撮影された火球は目がくらむほどの光を放ち、街が昼間のように明るくなっています:
 

千島列島で深発地震

 
12月8日19時26分、千島列島の Simuschir島(新知島)北岸近くの海域を震央とする M6.1、深さ 290km、最大震度 1 の深発地震がありました(震央地図震央地図)。防災科学技術研究所の「高感度版 100トレース連続波形画像」で見ると、この地震で北海道から九州まで日本列島全域が揺れているのですが、有感となったのは別海町(地図)のみでした。
 
 
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近畿圏中心領域大型地震 (続報-311)

 
八ヶ岳南麓天文台(地図)の串田氏が「No.1778 長期継続大型地震前兆」について 12月8日13:00 付けで「続報 No.378」(PDF形式)を出しています。
 
前回の更新情報(No.377、11月17日20:00 付け)では次のように推定されていました ——
 
前回までの更新情報では、火山性変動などを中心とした前兆変動は「別形態変動」と認識していた。しかし、火山性変動の中心は11月1.5日で、同期特異変動など他の前兆変動の極大と同じ時期 → 2つの前兆変動群は同一現象を表していると認識。

初現 10月9.0日、極大 11月1.5日に経験則[初現〜地震発生]:[極大〜地震発生]= 20:13 を適用 → 12月15日±3日に地震発生

上記認識が正しい場合は、前兆変動の静穏化は 12月4日±3日、12月中旬近くまで対応地震発生の可能性はなく安全。
 
今回の更新情報(No.378)では以下のように書かれています ——
 
12月4日±3日には前兆変動が静穏化しなかった →
  • 現時点では 12月21日以前に対応地震が発生する可能性は否定される。
  • ステージ 29の初現が 10月9日ではなかったことになる。
ステージ 29の前兆変動はステージ 28と並行出現しており、明確な初現が確定できない → 現在の前兆変動が完全終息するまで、対応地震の発生時期を推定することは困難。前兆変動の静穏化を待つ必要がある。
  • 12月11日前後に前兆変動が静穏化した場合 → 12月24日±3日に対応地震発生の可能性
  • 12月16日ごろまで前兆変動が継続した場合 → 対応地震発生は年末ごろとなる可能性

推定日12月24日±5日
前兆変動の静穏化確認後に修正予定
推定時間帯 09:00±2時間 または 18:00±3時間
午前09時~11時の可能性が若干高い
推定震央領域

続報 No.378」所載の図2 参照
太線領域内=大枠推定領域
斜線領域=可能性が考えやすい推定領域
震央が火山近傍領域である可能性が高い
弧線A~B以南は考えにくい

直近で噴火の可能性が考えられる前兆変動はないので、現状では震央近傍火山の噴火の可能性は考えにくい。今後噴火変動が観測された場合は続報予定。
推定規模 主震:M8.0 ± 0.3
複合の場合:M7.4±0.3 + M7.3±0.3 など
(余震を含まない大型地震の断層長が合計で約150km程度となるような複合地震活動の可能性)
推定地震種 震源が浅い陸域地殻内地震
 
 
このブログ記事のタイトルが「近畿圏・・・」となっているのは、当初の推定震央領域が近畿圏とされていたためです。その後、推定領域は徐々に東にずれ、現在は長野県や群馬県を中心とした地域とされています。推定領域が変化するにしたがってタイトルを変えると、過去の記事の検索が不便になると考え、当初のタイトルのままとしています。
 
 
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2024年12月8日日曜日

地球に接近する小惑星が増えている?

 
最近、小惑星の地球接近に関する記事が多いと感じている方が多いのではないでしょうか。以下は、このブログが記載の対象としている、地球から 1LD 以内に接近した小惑星の月別の数をまとめたものです(12月は 7日までの集計)。
 
小惑星の数
1月 8
2月 9
3月 8
4月 13
5月 8
6月 6
7月 3
8月 3
9月 19
10月 32
11月 16
12月 8
 
 
4月と 10月にピークがあり、夏休みの時期に谷があるのは毎年のことですが、今年は 10月のピーク値がいつになく高くなっています。例年ですと、10月の接近数は 20台の前半で、25を超えることはあまりないのですが、ことしは 30を超えています。また、12月は 10前後のことが多いですが、ことしは 7日の時点ですでに 8件の接近が起きています。

実際に地球周辺の小惑星が増えているのか、単なる統計上の揺らぎにすぎないのか、あるいは、観測体制の充実によって発見される小惑星が増えているのでしょうか。
 
 
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2024年12月7日土曜日

小惑星 2024 XA6 が地球と月に接近・通過

 
12月7日、小惑星〝2024 XA6〟が地球と月の近くを通過しました。
 
この小惑星は地球近傍天体(near-Earth object、NEO)としては大型で、NASA/JPL では、この大きさの小惑星が今回の距離まで地球に近づく頻度はおおよそ 10年に 1度("roughly once a decade")と見積もっています(詳細)。
 
2024 XA6 (2024年12月6日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)12月7日 06:49
 (月)12月7日 10:09
接近日時 誤差
(地球)± < 1 分
(月)± < 1 分
接近距離 (地球)0.076 LD
(月)0.885 LD
推定直径
14 ~ 31 m
対地球相対速度
16.2 km/s ≅ 5万8000 km/h
初観測から地球接近まで1 日
次の地球接近2041年12月5日ごろ
公転周期347 日 ≅ 0.95 年
分類
アテン群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2024年12月6日金曜日

小惑星 2024 XS2 が地球と月に接近

 
12月7日昼ごろ、小惑星〝2024 XS2〟が地球と月の近くを通過します。
 
2024 XS2 (2024年12月5日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)12月7日 11:47
 (月)12月7日 13:35
接近日時 誤差
(地球)± 1 分
(月)± < 1 分
接近距離 (地球)0.51 LD
(月)0.91 LD
推定直径
4 ~ 8 m
対地球相対速度
7.6 km/s ≅ 2万7000 km/h
初観測から地球接近まで4 日
次の地球接近2036年5月8日ごろ
公転周期445 日 ≅ 1.22 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

小惑星 2024 XU4 が月と地球に接近・通過

 
小惑星〝2024 XU4〟が 12月4日に月と地球の近くを通過していたことが、NASA/JPL による 12月5日付のデータベース更新で明らかになりました。
 
2024 XU4
(2024年12月5日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)12月4日 01:13
 (地球)12月4日 02:36
接近日時 誤差
(月)± < 1 分
(地球)± < 1 分
接近距離 (月)1.95 LD
(地球)0.96 LD
推定直径
4 ~ 10 m
対地球相対速度
6.9 km/s ≅ 2万5000 km/h
初観測から地球接近まで0日
次の地球接近2156年11月21日
公転周期907 日 ≅ 2.48 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

東海道南方沖で深発地震、異常震域

 
12月5日23時36分、東海道南方沖を震源とする深発地震がありました。気象庁の速報値では、M5.0、深さ 350km、最大震度 1(震央地図),防災科学技術研究所のサイトでは Mw5.0、深さ 360km です。
 
この地震の震央は静岡県浜松市の南約 285km ですが、震央に近い東海地方では無感で、有感となったのは栃木県宇都宮市と東京都千代田区だけでした(震度分布図)。地震波が、減衰しにくい海洋プレートのスラブをとおして伝わる異常震域現象だと思われます。
 
右上図は防災科学技術研究所 AQUAシステム メカニズム解カタログより。
 
 
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