2023年6月2日金曜日

イエローストーンの間欠泉が「異常」噴出 (続報-150)

 
米国イエローストーン国立公園内にあるスティームボート間欠泉(地図)の 5月の噴出は 1回でした。

日付(現地時間) 間隔(日)
1 1月5日 30
2 1月28日 23
3 3月11日 42
4 5月7日 57
 
 
 6月1日付の "YELLOWSTONE VOLCANO OBSERVATORY MONTHLY UPDATE"  によると、これまで記録されていなかった噴出が 3月11日にあったとのことです ——

(スティームボート間欠泉のある)ノリス間欠泉盆地の温度記録システムが 5月初旬に修理されました。それにともなって、スティームボート間欠泉の活動を評価するために過去数ヶ月分のデータを調査したところ、目撃報告のない噴出が 3月11日に 1回発生していたことが判明しました。 また、5月7日にも噴出が発生し、1年間の噴出回数は 4回となりました。
 
他の間欠泉周辺では変化があったようです ——

オールド・フェイスフル間欠泉近くのガイザー・ヒル(Geyser Hill)では、ここ数週間、いくつかの地熱地形の温度が全体的に上昇していることが確認されています。さらに、このエリアでは新しい地熱地形が形成され、隣接する遊歩道に泥や熱水が降りかかっています(下の写真)。遊歩道のその区間は、訪問者の安全を確保するために閉鎖されています。
 
5月の地震活動は通常のレベルであったとのことです。
 
地殻変動については次のように書かれています ——

5月の1ヶ月間、イエローストーン・カルデラの GPS 連続観測ステーションは、2015年から続いている地盤沈下の鈍化と、わずかな隆起の発生の可能性を記録しました。この地盤沈下の休止とわずかな隆起への移行は、雪解け水や流出水が地下に浸透し、地面が濡れたスポンジのように膨らむことで毎年夏に発生します。この地盤変動の速度は、隆起も沈降も 1年に数 cm 程度です。ノリス間欠泉盆地近くの GPS ステーションは、季節変化の影響をまだ受けておらず、2022年10月以降、合計約 2cm の沈下を着実に記録しています。


 
 

2023年6月1日木曜日

吾妻山で低周波地震増加 (続報)

 
4月26日付「吾妻山で低周波地震増加」と 5月12日付「吾妻山で火山性微動」の続報です。
 
吾妻山(地図)で再び低周波地震が増加しています。傾斜変動も続いています。
 
「吾妻山では、大穴火口付近が震源と推定される低周波地震が 5月下旬以降再び増加しています。5月2日から本日(6月1日)15時までの 30日間の低周波地震の総数は 51回となっており、5月下旬以降では 39回観測しました(速報値)」、「浄土平に設置している傾斜計では、3月中旬以降、西(大穴火口)方向の隆起を示す緩やかな変化がみられています」: 
 
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2023年5月31日水曜日

海に近い住宅街にカモシカ — 宮城県仙台市

 
5月30日午後、宮城県仙台市宮城野区高砂(地図)の国道付近でカモシカがうろついているのが目撃されました。体長 1m ほどのオスで、周辺の住宅街を逃げまわりましたが、約4時間後に捕獲され、山に戻されました。

「このあたりでカモシカが出たなんて聞いたことがない」(住民)、「いったいどこから来たのか」(市の担当者)、「カモシカは本来、ナワバリを持っている動物。今回、なぜ市街地に出てきたかなどは分からない」(東北野生動物保護管理センター):
 

コネチカット州史上最大の地震とそれを予告したドクター・スティールの伝説 (その 3)

 
 
私がドクター・スティールの物語に出会ったのは、1791年5月16日の地震について調べているときだった。 そして、物語の出現時期と震災のタイミングに気づき、私は不思議に思わずにはいられなかった —— ドクター・スティールの物語は、地震を予言していたのだろうか?
 
簡単に言ってしまえば、ほぼ確実に否である。とは言うものの、そのタイミングが不気味であることは間違いない。ドクター・スティールの物語はフィクションであり、おそらくより重要なことは、コネチカット州で以前から語られていた民間伝承のモチーフに依拠しているということだ。 「川、山、または地下室に入り、宝物(多くの場合ざくろ石)を発見する博識な男の物語は、ヨーロッパでは中世のころからよく知られた民話であった。 それは探検と植民地化の時代までずっと続いていた」とマサチューセッツ大学アマースト校民俗学教授スティーブン・ジェンカレラ氏は著書『Spooky Trails and Tall Tales Connecticut』の中で書いている。 「ドクター・スティールの伝説は、おそらく船乗りや移民たちによって新大陸に伝えられたのだろう。ざくろ石の伝説はアイルランドでは非常によく知られていた。これらのモチーフは地域の言い伝えと混ざり合い、地元の雰囲気を取り入れたバリエーションを生み出したのだ。」
 
ムーダス・ノイズはドクター・スティールの物語が登場する以前から語られていた。 しかし、ムーダス・ノイズは、ヨーロッパからの入植者が描いたほど明確に先住民文化と結びついているわけではない。 「1600年代後半の考古学的証拠と土地権利書は、この地域がワンガンク族、モヒガン族、ピクォート族、ナイアンティック族を含む多くの先住民族の季節的な宿営地や狩猟場であったことを示唆している」とジェンカレラ氏は書いている。 「これらの人々がムーダス・ノイズについてどのような物語を伝えていたのか確かなことはわからないが、モヒガンの女性呪医グラディス・タンタキジョンは文化的英雄モッシュアップがその役割を果たしたのではないかとかつて推測していた。」
 
 ムーダス・ノイズにかかわる先住民の伝統についての確かなことを知らぬまま、ヨーロッパからの入植者たちが何世代にもわたって、しばしば植民地的で人種差別的なニュアンスを含む、先住民の伝説とされるものを作り上げることとなった。

ムーダスにおけるドクター・スティールと彼の謎めいた行動の物語は、ジョン・ガーディナー・カルキンス・ブレイナードによる 1819年の詩を含め、長年にわたって何度も繰り返され、新しい形になっていった。 ムーダス・ノイズも、2011年と 2015 年の地震の際も含め、何年にもわたってくり返し聞こえたのである。ドクター・スティールの話は単なる物語にすぎないが、謎めいた見知らぬ人物がムーダスにやって来て、サーモン川とムーダス川が合流する場所の近くで石を掘り出したという話を聞くことがあったら、頑丈な戸口に避難するときかも知れない[注:欧米では地震の際はドアのそばに身を寄せるよう推奨されています]。

(完)
 
 
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小惑星 2023 KU4 が月と地球に接近・通過

 
小惑星〝2023 KU4〟が 5月27日に月と地球の近くを通過していたことが、5月30日付のデータベース更新で明らかになりました。
 
2023 KU4 (2023年5月30日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)5月27日 13:43
 (地球)5月27日 20:38
接近日時 誤差
(月)± 1 分
(地球)± < 1 分
接近距離 (月)0.262 LD
(地球)0.756 LD
推定直径
7 ~ 15 m
対地球相対速度
7.2 km/s ≅ 2万6000 km/h
初観測から地球接近まで−1 日
次の地球接近2031年1月13日ごろ
公転周期564 日 ≅ 1.54 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2023年5月30日火曜日

メルボルンで M3.8 — オーストラリア

 
5月28日23時41分(日本時間同日22時41分)ごろ、オーストラリア南東部メルボルン近郊で M3.8、震源の深さ 3km(米国地質調査所の資料では M3.6、深さ 9.5km)の地震がありました(震央地図)。 

「メルボルンでこの規模の地震を観測したのは約 120年ぶりだったが、被害はほとんどなかった」、「メルボルンから 40キロの圏内では1902年に起きた M4.5 の地震以来の大きさだった」、「自分の家の隣かどこかで飛行機が墜落したみたいだった」、「ビル全体が数メートル揺れた」:
 
 
 

イルカが座礁 — 北海道函館市

 
5月27日昼ごろ、北海道函館市湯川地区(地図)の海岸にイルカが打ち上げられているのが見つかりました。カマイルカで、体長約 2m。尾びれを負傷しており、北海道大学函館キャンパスに運ばれましたが、その後、死んだとのことです。

「(カマイルカは)この時期になると数百頭の群れで津軽海峡を移動するのが目撃される」、「北海道では年間に約 100頭のイルカやクジラが打ち上げられる」(ストランディングネットワーク北海道):

海岸に生きたイルカやクジラが打ち上げられているのを見つけたときの対処法 — 「さわるな、近づくな、入れるな、覆うな」:
 

小惑星 2023 KK4 が地球と月に接近・通過

 
小惑星〝2023 KK4〟が 5月27日に地球と月の近くを通過したことが、5月29日付のデータベース更新で明らかになりました。
 
2023 KK4 (2023年5月29日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)5月27日 19:22
 (月)5月27日 21:26
接近日時 誤差
(地球)± 1 分
(月)± 1 分
接近距離 (地球)0.898 LD
(月)1.862 LD
推定直径
9 ~ 19 m
対地球相対速度
17.9 km/s ≅ 6万5000 km/h
初観測から地球接近まで−1 日
次の地球接近2024年6月2日ごろ
公転周期377 日 ≅ 1.03 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2023年5月29日月曜日

定置網に 2種類の深海魚 — 島根県隠岐の島町

 
5月28日、島根県隠岐の島町五箇地区(地図)沖に設けられた定置網に深海魚のリュウグウノツカイサケガシラ各1匹が入っているのが見つかりました。リュウグウノツカイは自切のためか下半身が切れて死んでおり全長 40cm 弱、サケガシラは全長 90cm で生きていました。

「(リュウグウノツカイは)定置網にかかるのは年 1、2 匹ほどと希少だ」、「(サケガシラは)週に 1回程度は見つかることから隠岐の周辺に生息域がある可能性もある。すぐに弱るため、生きたまま捕獲できるのは珍しい」(島根大学隠岐臨海実験所):

隠岐の島町では、5月24日に太平洋側の深海に生息するとされるホオズキイカの一種が定置網に入っています:
 

2023年5月27日土曜日

定置網にホオズキイカ — 島根県隠岐の島町

 
5月24日朝、島根県隠岐の島町長尾田地区(地図)の沖に設けられた定置網にホオズキイカの一種が入っているのが見つかり、捕獲されました。体長 20cm。ホオズキイカは太平洋側の深海に生息するとされています:

ホオズキイカが持ち込まれた島根大学隠岐臨海実験所のフェイスブックによると、「オレンジ色の色素胞がはっきりみえます。サメハダホオズキイカかもしれません」とのことです。