2009年11月30日月曜日

2010年はイースター島で皆既日食

11月下旬になると、書店に翌年用の『天文年鑑』や、少し遅れて『理科年表』が並びます。それを見ると、毎年「あ~、今年もうすぐ終わりだ」と、気ぜわしい気分になってきます。

で、2010年版の『天文年鑑』(誠文堂新光社)を買ってきました。『天文年鑑』を買って、毎年最初に調べるのは、自分や家族の誕生日が何曜日で、なにか珍しい、あるいは、イメージ的に幸運につながりそうな天文現象(たとえば金星の最大光輝とか金星と木星の会合など)が予報されてないか、という点です。2010年の私の誕生日には、地味な現象しか起こりません。残念。

ところで、今年の 7月 22日に、日本の一部で皆既日食が見られたことは、記憶に新しいところです。その最中に覚醒剤を吸引していたタレント夫婦がいたわけですが。2010年版『天文年鑑』によると、来年は 7月 12日に南太平洋で皆既日食が見られます。皆既帯はほとんど海の上を通過しますが、皆既帯の中心線がイースター島の近くを通り、同島では 5分弱の間、皆既状態が継続します。皆既状態の間は空が暗くなり、惑星や季節外れの星座が見られるはずです。『天文年鑑』の予報によると、東から南の空にかけて土星、火星、金星、水星が並び、南東の空、仰角約 45度付近には「南十字」が見えるようです。

黒い太陽と広がるコロナや、南十字を背景にしたモアイ像の写真が撮れるかもしれません。ぜひイースター島に行きたいと思うのですが、あまりに遠い。小さな島のことゆえ、宿泊施設はすでに予約で一杯でしょう。それに、7月上旬は、多分休めないはず。

なお、来年 1月 15日には、アフリカからアジアにかけて、金環日食が見られますが、日本では部分日食になります。

チリのラドン・ガス研究

以下は、チリの英字紙『サンティアゴ・タイムズ』の記事です。チリの大学(Universidad Tecnica Federico Santa Maria)とスペインの大学(Universidad de Extremadura)が共同して、ラドン・ガスと地震活動の関係を研究していることを伝えています:
チリは、観測史上最大級の M9.5 を記録したチリ地震(1960年)や、すさまじい火山雷の写真が印象的だったチャイテン山の大噴火(2008年)などを筆頭に、日本と並んで地震・火山災害が多い国です。

記事をまとめると次のとおりです:
ラドン・ガスは、地中から一定のパターンで放出される。しかし、地震に先行して起こるプレート間の動きにともなって、放出が変化することがある。このような変化を検出することによって、地震や火山活動を事前に警告することができる。

ラドン・ガスの放出は、地震計で察知可能な範囲よりさらに深いところの動きも反映するので、より長い予告期間をとることができる。イタリアとインドネシアでおこなわれたこれまでの研究では、大地震の数週間前に大気中のラドン濃度が非常に高くなることが明らかになっている。

チリでは、水中のラドン濃度を測定する方法も開発されている。これによって、火山を取り巻く熱水に同様の技術が応用できると期待されている。
日本でも、ラドン・ガスによる地震予知が熱心に研究された時期がありましたが、急速に廃れてしまいました。原因は、ランド・ガスの濃度が、気象条件など地震以外の要因に大きく左右されること、同じような地震であってもラドン・ガスの濃度に変化がある場合とない場合があり再現性に欠けること、などです。そのため、実用的な地震予知には使えないという見方が大勢となりました。

今年 4月におきたイタリア・ラクイラ地震は、ラドン・ガスによって予知されていたという報道がありました。しかしその後、専門家が否定的な見解を示し、さらに予知情報が広まるのを抑えようとした地元当局の姿勢の是非も議論となって、「ラドン・ゲート事件」(ニクソン前米国大統領を失脚に追い込んだウォーターゲート事件のもじり)と呼ばれるに到りました。

上記の記事で目新しいのは、火山噴火の予知にもラドン・ガスを使おうとしている点です。

なお、記事の末尾の 2段落では、ラドン・ガスの健康への影響について言及しています:
同じ大学(Universidad Tecnica Federico Santa Maria)の環境工学科では、ラドンと肺ガンの関係を調べている。ラドンは、タバコに次いで肺ガン原因の第 2位と考えられている。閉ざされた空間に集積した高濃度のラドンは、深刻な健康問題を引きおこす。
従来の日本建築は木造で通気性が良いため、ラドンのリスクはほとんど問題にならず、日本ではラドン・ガスの危険性が注目を集めることはあまりありませんでした。しかし、密閉度の高い最近の建築物では、予想外に高い濃度のラドン・ガスが検出されることがまれにあるそうです。また、マンションなどのコンクリートからも極微量ながらラドン・ガスが放出されているそうです。こまめに換気をせよということだと思います。


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2009年11月29日日曜日

モーニング・グローリーを TV 番組で見て

驚きました。これをシンクロニシティと言うのでしょうか。昨夜 9時からの TBS 「世界ふしぎ発見」でモーニング・グローリーが取り上げられるということで待ちかまえていたのですが、その 1時間前の 8時から NHK の「ワンダー×ワンダー」でも、やはりモーニング・グローリーをテーマに据えていました。NHK の方はまったくノー・マークだったのですが、たまたま夕食どきだったため、見逃さずに済みました。

番組の性格が違うので比較するのは酷な面もありますが、映像的には NHK の方が見事でした。TBS の方は、逆光気味の映像が多く、また、モーニング・グローリーの全体像がはっきりと捉えられていなかったように思います。取材期間、予算、持ち込んだ撮影機材、撮影スタッフの技量などの差が現れているのかも知れません。モーニング・グローリーが発生する仕組みの説明も NHK の方がより詳しく、またわかりやすかったと思います。内陸の砂漠地帯までモーニング・グローリーを追跡して、その消滅する過程まで撮影していたのは秀逸でした。受信料を払いたくなる番組だったと思います。

両放送局とも、現地での取材は 9月下旬から 10月上旬にかけてと推察されます。また、取材の中心はカーペンタリア湾に面するバークタウン(地図)という人口 200人ほどの集落だったので、両局の取材クルーが現地で出会っていたのではないでしょうか。

NHK の番組を見逃した方は、以下の番組資料をご覧ください。「予告動画」には、見事なモーニング・グローリーの姿がおさめられています:
なお、再放送は:
総合テレビ 2009年12月10日 木曜日 午前1時10分~1時54分(水曜日深夜) ※中国地方は除く
だそうです。

ところで、このブログでモーニング・グローリーをとりあげたのは、8月 29日。両放送局とも現地での取材は 9月下旬頃から。ひょっとして、このブログの記事が企画のきっかけになった? … 考えすぎですね。


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「月が赤いです」という投稿

件(くだん)の『異常現象に気付いたらお知らせください。』という掲示板に、以下のような投稿がありました:
No.107206 大阪淀川から月が赤いです 投稿者:淀川ママ 投稿日:2009/11/28(Sat) 01:17

今現在の角度は45度位ですが、こんな角度の色は見たことがないです。(以下略)
「淀川ママ」という投稿者は、28日午前 1時 17分の投稿で、「今現在の角度は45度位ですが」と書いています。しかし、28日の大阪での月没時刻は 午前 2時 9分ですので、午前 1時前後の月の仰角が 45度もあるとは考えられません。実際の高度は、かなり低かったと言わざるをえません。(月没時刻は、『天文年鑑 2009年版』(誠文堂新光社)による。)

「淀川ママ」という人が、うその報告をしたとは思いません。天体の高度(仰角)は錯覚しやすいも のです。腕をいっぱいに伸ばしたときの握り拳や指の幅を基準にして、地平線からその拳何個分、あるいは指何本分の高さというような報告であれば客観性が増すと思います。拳や指の幅を基準にした仰角の測定法は、以下のページの一番下に図入りで解説されています:
上記の「月が赤いです」といういささか不得要領な投稿を受けて、「多摩人」という人物(以下 T氏)が、自身が運営する掲示板ともブログともつかない『地震の掲示板ブログ』というところで、次のような議論を展開しています:
大阪の淀川から「月が赤い報告」、島根県東部のM3.6、芸予地震の前と同じ様な現象が出ています。瀬戸内海でしょうか?・気になります(汗)。
(中略)
午前1時に近い位置で月がかなり赤い状態ならば、すでに真上付近に上がっている事になり、非常に兵庫県南部地震の前と同じ被害地震の可能性がどこかで有るかもしれませんので、要注意でしょうか。芸予に限らず、他の地域の可能性も考慮に入れておく必要が有るでしょう。
(以下略)

前兆かもしれません?!」(投稿日:2009年11月28日(土)09時11分26秒)より引用
これを書いた T氏は、月の見かけの運動が理解できていないのではないでしょうか。「午前1時に近い位置で月がかなり赤い状態ならば、すでに真上付近に上がっている事になり」と言っていますが、時刻だけで月の位置が決まるものではありません。同じ時刻であっても、月齢などによって月の位置は大きく変わります。

また、T氏は、報告者が「45度位です」と述べているにもかかわらず、「すでに真上付近に上がっている」と書いています。同氏にとっては、仰角 45度は真上なのでしょうか。だとしたら、こちらがびっくり仰天です。

2009年11月28日土曜日

福島県が全国霊柩自動車協会と協定

「備えよ常に」のスローガンどおり、事前に準備をしておくのは良いことですが、このニュースはちょっと暗い気分になります:

モーニング・グローリーが TV 番組で… 今夜です

放送は TBS 系列で、今夜 9時からです。お見逃しなく。

朝日新聞の番組欄から:
世界・ふしぎ発見!
泣いた!感動!地球の奇跡
モーニンググローリーって何?
全長 1000キロ 神秘の雲

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盗用疑惑

「UHF」という投稿者名の人物が、このブログの記載内容を、他の掲示板に出所を明示せずに転載するなどの行為を繰り返しています。気づいていないとでも思っているのでしょうか。

たとえば以下は、『異常現象に気付いたらお知らせください。』という掲示板(通称 KS 掲示板)に昨夜投稿されたものです:
No.107208 シッキムで謎の発光体の目撃続く 投稿者:UHF 投稿日:2009/11/28(Sat) 01:35

http://voiceofsikkim.com/2009/11/25/strange-objects-been-sighted-in-sikkim-skies-since-past-few-weeks/

インド・シッキム州で、過去数週間にわたって正体不明の発光体の目撃が続いています

目撃者によれば、発光体は大きな音と後方にたなびく煙をともなっていたとのこと

シッキムは北は中国、東はブータン、西はネパールに境を接するヒマラヤ山中の州

シッキムの位置するヒマラヤ山脈東部は、インド洋大津波引きおこしたスマトラ沖大地震や、四川大地震に引き続いて大地震がおこる可能性の高い場所にあげられています
明らかに、私のブログ記事「シッキムで発光体の目撃続く」(11月 28日 0:04 付)の文章をつぎはぎしています。

私自身、他のサイトの記事を引用することがありますので(もちろん著作権法の許容範囲内で)、拙文の著作権についてあまり厳格なことを言う気はありません。むしろ、引用や転載をして頂けるのはありがたいことだと考えています。しかし、法律以前の投稿マナーの観点から、文章の改変や引用・転載をする際には、その出所を明示してほしいものです。

なお、私は上記の掲示板に投稿したことは一切ありません。以前から、当該掲示板の管理者の首尾一貫しない削除や、自分の考えと相容れない内容の投稿に対する、上から目線の「お説教」じみた非難・指弾に辟易していますので。

シッキムで発光体の目撃続く

インド・シッキム州で、過去数週間にわたって正体不明の発光体の目撃が続いています:
上記は、『ボイス・オブ・シッキム』(シッキムの声)というニュースサイトに掲載されているものです。目撃者によれば、発光体は大きな音と後方にたなびく煙をともなっていたとのことです。住民からの問い合わせに対して、警察は軍の定期的な訓練、天体物理学者は彗星の破片が大気圏に突入したものと答えていますが、住民にとってあまり説得力はないようです。(エーリアンの乗り物としての) UFO 説、神あるいは女神の引きおこした超自然現象説、世界の終末説などが飛び交っています。

以下のグーグル・マップでもわかるように、シッキムは北は中国、東はブータン、西はネパールに境を接するヒマラヤ山中の州です:
シッキムの位置するヒマラヤ山脈東部は、インド洋大津波引きおこしたスマトラ沖大地震や、四川大地震に引き続いて大地震がおこる可能性の高い場所にあげられています。ひょっとしたら地震の前兆としての発光現象かも、とも思うのですが、可能性は低そうです。

ちなみに、シッキムは私の愛してやまないダージリン紅茶の産地であり、世界遺産に指定され、一度は乗ってみたいと思っているダージリン・ヒマラヤ鉄道が走っている場所でもあります。

2009年11月27日金曜日

渡り鳥の「放射」

以下は、イギリスの『Daily Mail』紙のサイトに載っている記事です。ハクガン(snow goose)と呼ばれる渡り鳥が、繁殖地である北極圏のツンドラ地帯から、越冬地であるメキシコ湾沿岸まで渡る途中で、アメリカ・ミズーリ州の Squaw Creek 国定鳥獣保護区に大量集結した様子を、写真入りで伝えています:
上から 2枚目の写真をご覧ください。たくさんのハクガンが写っていますが、鳥の分布や一羽一羽の翼の向きなどに注目すると、全体として、画面下部の水平線の中央部あたりを中心にして「放射」しているように見えます。また、背後の雲にも同様の「放射」が見られます。

このように見えるのは、基本的には遠近法の効果によるものです。さらに、撮影に使用されたレンズが広角系であるため、いっそう遠近感や「放射」が強調されています。

広角系(焦点距離が短い)のレンズは遠近感を強調し、望遠系(焦点距離が長い)のレンズは遠近感を圧縮します。一般のデジタル・カメラについているレンズは広角系であるため、地平線から広がる雲を撮影すると、実際よりも遠近感が強く表れ、「放射」が誇張されます。地震前兆をあつかう掲示板などに投稿されている「放射状雲」の写真を見るときには、このような効果があることを考慮に入れる必要があります。

ちなみに、上記の写真が撮影された鳥獣保護区は、以前は私有の猟場だったのだそうです。アメリカはスケールが大きいです。ハクガンは、一時は個体数が減少していたのですが、現在は年率 5%超で増加し続けており、他の種を圧迫する恐れがでているとのことです。

こちらは、中国で撮影された渡り鳥の大群です。掲載されている写真はすべて、望遠系のレンズで撮影されたように思われます:

2009年11月26日木曜日

太陽津波

ほぼ真円に近い形で太陽面を広がっていく“太陽津波”(solar tsunami)。波高 10万 km 以上、時速 90万 km 以上、エネルギー量は TNT火薬換算で 2400メガトンと、桁違いです: