2025年1月31日金曜日

2色の太陽 — 群馬県榛東村

 
上毛新聞』の記事です。1月24日朝、群馬県榛東村(地図)で日の出直後の太陽が赤色と黄色の 2色に分かれて見える現象が目撃・撮影されました。撮影地点(高度約500m)から見て、大気の逆転層の境界と太陽が重なったために生じた現象と説明されています。
 
「下層は、空気中にちりが蓄積し、波長の短い光はそれにぶつかって散乱。最も波長の長い赤い光が届いた」、「上層は空気中のちりが少ない暖気の流れがあったため光の散乱は弱く、赤より波長の短い光も届き黄色に見えた」:
 

湾内にザトウクジラ — 岩手県大船渡市

 
1月28日、岩手県大船渡市の大船渡湾(地図)内で、体長 11〜12m のザトウクジラクジラが泳いでいる様子が撮影されました。

「岩手県沿岸にも生息しているが、冬は沖縄などの温暖な地域にすむ」(日本鯨類研究所):
 

小惑星 2025 BF7 が月と地球に接近・通過

 
小惑星〝2025 BF7〟が 1月19日に月と地球の近くを通過していたことが、NASA/JPL による 1月30日付のデータベース更新で明らかになりました。
 
2025 BF7
(2025年1月30日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)1月19日 01:59
 (地球)1月19日 09:40
接近日時 誤差
(月)± < 1 分
(地球)± < 1 分
接近距離 (月)0.51 LD
(地球)1.15 LD
推定直径
3 ~ 6 m
対地球相対速度
7.9 km/s ≅ 2万8000 km/h
初観測から地球接近まで−2日
次の地球接近2035年8月4日ごろ
公転周期434 日 ≅ 1.19 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2025年1月30日木曜日

国際小惑星警報ネットワーク (IAWN)が声明 — 小惑星 2024 YR4

 
 
国際小惑星警報ネットワーク (IAWN: International Asteroid Warning Network)も声明を出しました。NASA の発表より詳しい内容になっています:
 
NASA の発表にはなかった情報をかいつまんでテキトー訳します ——

衝突確率: 地球近傍小惑星(NEA)2025 YR4 が 2032年12月22日に地球に衝突する確率は 1.3% です。小惑星が地球に衝突するかどうかは不確実性が大きいものの、衝突が発生する場合はこの日になります。この日に 2024 YR4 が地球を安全に通過する確率はほぼ 99% です。

将来の観測と衝突確率の更新: 将来の観測により、2024 YR4 の軌道と衝突確率の不確実性は低減されます。2024 YR4 は 2025年4月初旬まで観測可能ですが、その後は暗くなりすぎて地球から観測できなくなります。2028年6月には、この小惑星は約 4年の軌道をたどって地球付近に戻ります。2024 YR4 は非常に暗く、大型の望遠鏡(口径 2 メートル以上)が必要になる可能性があります。2025年の観測可能期間の終わりまでに、衝突確率は数十パーセントに増加するか、こちらの方が可能性が高いですが、警報しきい値(衝突確率 1%)を下回る可能性があります。(今のところ)過去の観測画像では 2024 YR4 が検出されていませんが、(検出されれば)軌道がより限定されるため、探索は継続されます。

衝突リスク回廊:2025 YR4 の衝突リスク回廊(impact risk corridor)は、衝突が発生する可能性のある地球上の領域であり、東太平洋、南アメリカ北部、大西洋、アフリカ、アラビア海、南アジアに広がっています。

小惑星の大きさ: 2024 YR4 は 40~90 メートル(130~300 フィート)の範囲にあると考えられます。深宇宙レーダー観測、熱赤外線観測、または小惑星に接近する可能性のある探査機からの画像がなければ、大きさの範囲をさらに絞り込むことはできません。小惑星の現在の位置はレーダー観測には遠すぎ、2032年までレーダー観測範囲内に入りません。

衝突が発生した場合に予想される被害のレベル: 大きさの範囲の大きい方の数値に基づくと、衝突地点から 50km 離れた場所まで爆風による被害が及ぶ可能性があります。

——
 
 

NASA が声明 — 小惑星 2024 YR4

 
 
小惑星 2024 YR4 について NASA が声明を出しています:
 
以下はテキトー訳です ——
 
NASA による地球近傍小惑星 2024 YR4 の分析では、2032年12月22日(米国時間)に地球に衝突する可能性が 1% 以上あることが示されています。これは、この小惑星が衝突しない可能性が約 99% あることも意味しています。このような初期の分析は、より多くの観測結果が収集されるにつれて、時間の経過とともに変化します。

現在、衝突確率が 1% を超える既知の大型小惑星は他にありません。
 
小惑星 2024 YR4 は、NASA が資金提供しているチリの小惑星地球衝突最終警報システム・ステーション(Asteroid Terrestrial-impact Last Alert System station)によって、小天体の位置測定の国際情報センターである小惑星センター(Minor Planet Center)に 2024年12月27日に初めて通報されました。幅約130~300フィート(40〜91m)と推定されるこの小惑星は、2024年12月31日に NASA の自動セントリー・リスク・リスト(automated Sentry risk list)に載ったことで天文学者の注目を集めました。セントリー・リストには、将来地球に衝突する確率がゼロではない既知の地球近傍小惑星がすべて含まれています(sentry は「見張り」の意)。
 
このレベルに達する天体は珍しくなく、過去にも今回と同じ評価に達した天体がいくつかありましたが、より多くのデータが得られるにつれて最終的に評価が下がりました。新たな観測により、より多くのデータが得られるにつれて、この小惑星の数値がゼロに変わる可能性があります。
 
——
 
 

毛ガニの抜け殻大量漂着 — 北海道白老町、苫小牧市

 
北海道白老町(地図)から苫小牧市(地図)にかけての海岸 10km 以上にわたって、大量の毛ガニの甲羅や脚の抜け殻が漂着しています。報道は 1月29日付ですが、その数日前から海岸に打ち上げられているとのことです。
 
「カニが落ちてることはあるんですけど、こんなにたくさんの数は初めて見ました」(苫小牧市民)、「いまちょうど(毛ガニの)脱皮期にあたるので、脱皮してその殻が打ち上げられたもの」「大量の毛ガニの抜け殻は、海の中に多くの毛ガニが生息しているということ」「去年、付近の海域で行った調査では、水揚げ可能なサイズに満たない毛ガニが例年の数十倍になっている」(北海道立総合研究機構):
 
2011年の東北地方太平洋沖地震の前には、毛ガニが大漁だったとの証言がありました:
 

2025年1月29日水曜日

地球に衝突するかも知れない大型小惑星 見つかる

 
昨年 12月25日に見つかった大型の小惑星 "2024 YR4" が、約 8年後に地球に衝突する可能性があるということで話題になっています。
 
"2024 YR4" の推定直径は 43〜97m で、現時点の予報では、日本時間 2032年12月22日20時58分 ± 31時間51分に地球にもっとも近づくとされています。最悪の場合の接近距離は、地球の中心から測って 0.002LD = 758km とされています。地球の半径は約 6400km ですから、最悪の場合には地球に衝突するということになります。

現時点の予報に基づくと、衝突地点は南米北部から大西洋、アフリカ大陸中部、インド洋を経てインドに至る細い帯状の地域のどこか、とされています。
 
NASA のデータベースには、2029年に地球に衝突すると騒がれた小惑星アポフィス(99942 Apophis)ですら、同年以降の地球接近予報が掲載されているのに、"2024 YR4"については 2032年の地球接近以降の予報が掲載されていないことも「衝突するのでは」との疑念を呼んでいます。
 
この小惑星の軌道は、まだ不確実の度合いが高く、今後の観測によって精度が高まれば衝突の確率は下がっていくものと思っています。
 
 
 

小惑星 2025 BP6 が月と地球に接近・通過

 
小惑星〝2025 BP6〟が 1月26日に月と地球の近くを通過していたことが、NASA/JPL による 1月28日付のデータベース更新で明らかになりました。静止衛星の軌道よりはるかに低い、地表から約 3300km のところを通過し、地球との相対速度も非常に高速でした。
 
2025 BP6
(2025年1月26日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)1月26日 06:58
 (地球)1月26日 10:10
接近日時 誤差
(月)± < 1 分
(地球)± < 1 分
接近距離 (月)0.805 LD
(地球)0.025 LD
推定直径
1 ~ 3 m
対地球相対速度
21.1 km/s ≅ 7万6000 km/h
初観測から地球接近まで0日
次の地球接近2119年1月15日ごろ
公転周期1080 日 ≅ 2.96 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2025年1月28日火曜日

輸送最適化の技術

 
スーパーの駐車場で。最後に残ったスイカはどうやって運ぶのだろうと思っていたら ・・・
 
 

大型の小惑星 2025 BB2 が月と地球に接近

 
[2月3日追記: 「推定直径」と「次の地球接近」を更新しました(緑字)]
[2月1日追記: 最新のデータに更新しました(青字)]
 
大型の小惑星〝2025 BB2〟が 2月4日に月と地球の近くを通過します。
 
2025 BB2
(2025年1月27日付予報)
(2025年1月31日付予報)
(2025年2月2日付予報)

接近日時(日本時間)
(月)2月4日 04:11 04:13
 (地球)2月4日 13:36 13:38
接近日時 誤差
(月)± 18 分 ± < 1 分
(地球)± 19 分 ± < 1 分
接近距離 (月)1.44 LD
(地球)0.76 LD
推定直径
21 ~ 46 m
21 〜 48 m
21 〜 46 m

対地球相対速度
6.5 km/s ≅ 2万4000 km/h
初観測から地球接近まで14 日
次の地球接近
2036年1月22日ごろ

2036年1月19日ごろ

公転周期835 日 ≅ 2.29 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

近畿圏中心領域大型地震 (続報-317)

 
八ヶ岳南麓天文台(地図)の串田嘉男氏が「No.1778 長期継続大型地震前兆」について 1月26日17:00 付けで「続報 No.384」(PDF形式)を出しています。
 
前回の更新情報の概略 ——

CH32観測装置 の特異変動が 1月19日16時ごろ(19.7日)に静穏化、さらに残っていた微弱な変動も 1月21日14時30分(21.6日)に静穏化。
 
16年7ヶ月間にわたって継続した変動が全て終息した。
 
12月8.8日極大に対する静穏化時期を前者 19.7日とした場合は 2月3日±2日、後者 21.6日とした場合は 2月5日±2日が地震発生推定日として『経験則[極大〜地震発生]:[終息〜地震発生]= 3.9:1』から算出される。大枠としては 2月4日±3日。

今回の更新情報の概略 ——

現状 —
  • 静穏だった CH26と CH20観測装置に PBF特異が短期間再出現。
  • CH26観測装置には、微弱な火山性変動も散発的に出現。
  • 静穏だった CH32観測装置に特異変動が短期間再出現。
直前変動 — 上記の変動はすべて昨年 12月6日に観測された変動と同一タイプ。この時期だけに短期間再出現したことから、直前変動の可能性が考えやすい。
 
極大日の見直し — 12月8.8日を極大と認識していたが、PBF特異が顕著化した期間の中心の 12月6日を極大に修正。上記の再出現した変動は 12月6日極大に対する直前変動の可能性が考えやすい状況。
 
計算 1 — CH26 および CH20の PBF特異と、CH32 特異の重複時間帯の中心は 1月25.7日。極大 12月6.0日、直前特異 1月25.7日として『経験則[極大〜地震発生]:[直前特異〜地震発生]= 6:1』を適用すると、地震発生日として 2月4日±2日を得る。

計算 2 — 極大 12月6.0日、CH32の顕著な特異変動が消えた 1月19.7日を終息として『経験則[極大〜地震発生]:[終息〜地震発生]= 3.9:1』を適用すると、地震発生日として 2月4日±2日を得る。

結論 — 今後、変動出現が観測されなければ、2月4日±2日、特に 2月4日または 2月5日に対応地震発生の可能性が考えやすい。
 
[注]特異変動については『FM(VHF帯域)電波電離層モニター観測による「地震・火山の予報」解説資料』(PDF形式)の 9ページを参照してください。


推定日2025年2月4日±2日
特に 2月4日または 2月5日の可能性が考えやすい
今後の変動で修正が必要な場合は続報で修正
推定時間帯 09:00±2時間 または 18:00±3時間
前者の可能性が若干高い
推定震央領域

続報 No.384」所載の図6参照
太線領域内=大枠推定領域
斜線領域=可能性が考えやすい推定領域
震央が火山近傍領域である可能性が高い
弧線A~B以南の可能性は低い

直近で噴火の可能性が考えられる前兆変動はないので、現状では震央近傍火山の噴火の可能性は考えにくい。今後噴火変動が観測された場合は続報予定。
推定規模 主震:M8.0 ± 0.3
複合の場合:M7.3±0.3 + M7.1±0.3 など
余震を含まない大型地震の断層長が合計で約110〜150km 程度となるような複合地震活動の可能性
推定地震種 震源が浅い陸域地殻内地震
 
 
このブログ記事のタイトルが「近畿圏・・・」となっているのは、当初の推定震央領域が近畿圏とされていたためです。その後、推定領域は徐々に東にずれ、現在は長野県や群馬県を中心とした地域とされています。推定領域が変化するにしたがってタイトルを変えると、過去の記事の検索が不便になると考え、当初のタイトルのままとしています。
 
 
関連記事
 

2025年1月27日月曜日

小惑星 2025 BP4 が月と地球に接近・通過

 
小惑星〝2025 BP4〟が 1月23日に月と地球の近くを通過していたことが、NASA/JPL による 1月26日付のデータベース更新で明らかになりました。地球と月に対する相対速度が非常に高速でした。
 
2025 BP4
(2025年1月26日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)1月23日 09:28
 (地球)1月23日 10:48
接近日時 誤差
(月)± 3 分
(地球)± 3 分
接近距離 (月)1.69 LD
(地球)0.83 LD
推定直径
4 ~ 9 m
対地球相対速度
22.1 km/s ≅ 7万9000 km/h
初観測から地球接近まで−1日
次の地球接近2091年7月8日ごろ
公転周期938 日 ≅ 2.57 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

小惑星 2025 BT4 が地球と月に接近・通過

 
小惑星〝2025 BT4〟が 1月20日から 21日にかけて地球と月の近くを通過していたことが、1月26日付の NASA/JPL によるデータベース更新で明らかになりました。
 
2025 BT4 (2025年1月26日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)1月20日 16:57
 (月)1月21日 08:55
接近日時 誤差
(地球)± < 1 分
(月)± 2 分
接近距離 (地球)0.31 LD
(月)0.67 LD
推定直径
5 ~ 11 m
対地球相対速度
6.5 km/s ≅ 2万3000 km/h
初観測から地球接近まで−1 日
次の地球接近
公転周期729 日 ≅ 2.00 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

真冬にヘビ出現 — 富山県富山市

 
 『富山新聞』の記事です。1月26日、富山県富山市石田(地図)の民家の庭に、冬眠から目覚めたとみられる体長約 1m のシマヘビがいるのが見つかりました。
 
「1月にヘビを見たのは初めて」、「何日も陽気が続いていたから、春と勘違いしたのだろう」(発見した住民): 
 
関連記事
 

2025年1月26日日曜日

ペレの髪の毛

 
12月23日に始まったキラウエア山頂カルデラの噴火は、溶岩噴泉の噴出と休止をくり返しながら継続しています。下の写真は、1 月16日から 17日にかけての溶岩噴出によってキラウエア・ビジター・センター(地図)の近くに降ったペレの髪の毛(Pele’s Hair)が、おそらく風に吹かれて転がって、長さ 56cm の束状になったものです。リンク先の文書には次のように書かれています —— 

ペレの髪の毛とは、噴火中に液体の溶岩の塊が引き伸ばされてできる火山ガラスの糸のことです。これらの金色の糸は、長さが 1m 以上、太さが 1mm 未満になることがあります。ペレの髪の毛は非常に軽量で、高温の噴煙に巻き上げられ、風に運ばれて噴火地点から遠く離れた場所に落下することがあります。


 
 

水路にボラの大群 — 山口県防府市

 
山口県防府市浜方(地図)の水路にボラとみられる魚の大群が現れました(下記記事中の動画は 1月25日撮影)。
 
「温かい場所を求めて海から水路に迷い込んだのではないか」(水族館「海響館」): 
 
 

福島県檜枝岐村の群発地震

 
福島県檜枝岐村(地図、震央地名「福島県会津」)では 1月21日未明から最大震度5弱を含む有感地震が多発しています(無感地震は 1月20日ごろから発生)。有感地震だけに限っても 26日正午までに 77回の地震が記録されています。その原因について福島地方気象台の地震津波防災官は「火山性地震ではない」、近くを通る断層との関連は現時点では「不明」としています:
 
東北大学の遠田晋次教授は原因についてまだわからないとした上で、熱水活動による可能性が高いと分析しています ——「地下水は特に火山地域は熱水で、簡単なイメージとしては間欠泉のようなイメージでものすごい勢いで吹き出しますよね。そういうものが地下に圧力を持ってあるのでそれが断層を刺激して地震を起こしている可能性は十分あります」:
 
気象庁は群発地震の発震機構解を現時点では一つだけ公開しています。典型的な横ずれ断層による地震のようです:
  

2025年1月25日土曜日

サマービルのゴースト・ランタンは地震発光現象か

 
アメリカ地震学会(Seismological Society of America)の "Seismological Research Letters" に掲載された、USGS の著名な地震学者 Susan E. Hough 博士の投稿 "Haunted Summerville: Ghostly Lights or Earthquake Lights?"(呪われたサマービル:幽霊の灯火か、それとも地震発光か?)を紹介している記事です:
 
以下は記事の概略です ——
 
伝説によると、サウス・カロライナ州サマービル(地図)周辺の辺鄙な地域で、線路の上に浮かんでいる奇妙な発光球体が時々目撃されるが、それは列車事故で首を失った夫の帰りを何時間も待ち続けていた妻の幽霊が持っていたランタンだという。
 
しかし、米国地質調査所(USGS)の地震学者スーザン・ハフ(Susan Hough)博士は、もっと非現実的かもしれないが、同様に興味深い説明があるのではないかと考えている。それは、サマービルの光の原因は、地震発光現象(earthquake lights)ではないかというものである。 

地震光は、光る球体、火花、柱、その他の形状として世界中で目撃されているが、地震学者の間では、その出現の背後にあるメカニズムについて、まだ定説はない。

提案されているメカニズムには、メタンやラドンなどの地下ガスの発火、または断層の動きによる誘電放電(dielectric discharge)などがあり、日本の地震学者・榎本祐嗣氏が 2024 年のレビュー論文で詳述している。
 
ハフ博士は、"Seismological Research Letters" の "Earthquake Lites" コラムで、サマービルの浅い断層、鉄道の線路、幽霊話の組み合わせが、米国東部の断層を探している地震学者にとって貴重な道しるべになる可能性がある理由を説明している。
 
近年、ハフ博士はコロラド大学ボルダー校のロジャー・ビルハム(Roger Bilham)氏とともに、サウス・カロライナ州チャールストン(地図)で 1886 年に起きた有名な地震の原因となった断層を特定するために精力的に調査してきた。チャールストンの北西約 25 マイル(約40km)にあるサマービルは彼らの研究地域の一部だった。 

ハフ博士は、ハロウィーンの週に発行された USGS のニュース・レターに「不気味な科学」研究へのリンクが掲載されていたのを読んでから、幽霊の光が地面に起源を持つ可能性について考え始めた。

ハフ博士は、新聞や地元の​​書店で見つけたサマービルの光に関する記述や、その地域の地震に関するデータを精査し始めた。サマービルの光の目撃は、1950年代から 60年代にかけて始まったようで、1959年と 60年に起きたマグニチュード 3.5 から 4.4 の 3回の地震の震源から数キロ圏内で起きていた。

サマービルの現象が地震光であるならば、この地域の浅い地震でラドンやメタンのような水溶性ガスが放出され、静電気や岩石の動きによる火花で点火した可能性があるとハフ博士は示唆した。

サマービルの光の近くの鉄道は、光が目撃された当時は運行されていなかったが、廃線の鉄製レールや近くの廃材置き場も点火火花を発した可能性があるとハフ博士は述べた。「チャールストンで働いていた経験から、古いレールが交換または修理されたとき、古いレールが必ずしも運び去られるわけではないことを知っています。線路沿いに古い金属の山が見つかるのです。」

また、水滴に取り込まれたガスは、幽霊の光の伝説が暗く霧のかかった夜に起こる理由を説明するのに役立つかもしれないと彼女は付け加えた。

ハフ博士は、このシナリオ、および地震光を説明するために提案されたメカニズムは、まだ推測の域を出ないと付け加えた。この仮説は、ガス検知器を使用して漏れ出るガスを探したり、浅い断層を探す実験を行ったりすることでテストできる可能性があると彼女は指摘した。

しかし、幽霊の話は、地震活動の少ない地域で未発見の地震帯を探すのに、突飛であっても役立つかもしれないと彼女は示唆した。同様の幽霊の話は、ノース・カロライナ州ウィルミントン(地図)近郊など、他の地域でも見つかっている。

「米国東部にはたくさんの断層がありますが、そのうちのどれが活動しているかを見つけるのが鍵です」とハフ博士は説明した。

「おそらく、この地域には地震光を発生させる可能性がある環境条件のレシピの例があります。そして、フレンドリーな幽霊たちが東部の断層帯を照らし出しているのかもしれません。」
 
——
 

アトラス彗星の崩壊

 
1月13日に近日点を通過したアトラス彗星(C/2024 G3)は、主に南半球で肉眼でも見えるほど明るくなったのですが(画像GIF動画)、近日点通過の際の高温や潮汐力などによって核(頭部)の崩壊が始まり、間もなく消滅するとみられています。

以下は 1月18日から 23日にかけての核の変化を GIF動画にしたものです:
 

2025年1月23日木曜日

近畿圏中心領域大型地震 (続報-316)

 
八ヶ岳南麓天文台(地図)の串田嘉男氏が「No.1778 長期継続大型地震前兆」について 1月22日16:00 付けで「続報 No.383」(PDF形式)を出しています。
 
前回の更新情報では ——

CH32 観測装置と CH23 観測装置(八ヶ岳): CH23 の特異は1月7日現在、静穏化。残る変動は CH32 の特異のみで、その変動はきわめて小さくなっている。
 
—— となっていたが、この CH32 の特異変動が 1月19日16時ごろ(19.7日)に静穏化、さらに残っていた微弱な変動も 1月21日14時30分(21.6日)に静穏化。
 
16年7ヶ月間にわたって継続した変動が全て終息した。
 
12月8.8日極大に対する静穏化時期を前者 19.7日とした場合は 2月3日±2日、後者 21.6日とした場合は 2月5日±2日が地震発生推定日として、経験則[極大〜地震発生]:[終息〜地震発生]= 3.9:1 から算出される。大枠としては 2月4日±3日。

 [注]特異変動については『FM(VHF帯域)電波電離層モニター観測による「地震・火山の予報」解説資料』(PDF形式)の 9ページを参照してください。


推定日1月19.7日に静穏化したと解釈した場合
→ 2月3日±2日
1月21.6日に静穏化したと解釈した場合
→ 2月5日±2日
大枠としては
→ 2月4日±3日
推定時間帯 09:00±2時間 または 18:00±3時間
(前者の可能性が若干高い)
推定震央領域

続報 No.383」所載の図5参照
太線領域内=大枠推定領域
斜線領域=可能性が考えやすい推定領域
震央が火山近傍領域である可能性が高い
弧線A~B以南の可能性は低い

直近で噴火の可能性が考えられる前兆変動はないので、現状では震央近傍火山の噴火の可能性は考えにくい。今後噴火変動が観測された場合は続報予定。
推定規模 主震:M8.0 ± 0.3
複合の場合:M7.3±0.3 + M7.1±0.3 など
(余震を含まない大型地震の断層長が合計で約110〜150km 程度となるような複合地震活動の可能性)
推定地震種 震源が浅い陸域地殻内地震
 
 
このブログ記事のタイトルが「近畿圏・・・」となっているのは、当初の推定震央領域が近畿圏とされていたためです。その後、推定領域は徐々に東にずれ、現在は長野県や群馬県を中心とした地域とされています。推定領域が変化するにしたがってタイトルを変えると、過去の記事の検索が不便になると考え、当初のタイトルのままとしています。
 
 
関連記事
 

2025年1月22日水曜日

小惑星 2025 BA1 が地球と月に接近・通過

 
小惑星〝2025 BA1〟が 1月15日に地球と月の近くを通過していたことが、1月21日付の NASA/JPL によるデータベース更新で明らかになりました。
 
2025 BA1 (2025年1月21日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)1月15日 05:48
 (月)1月15日 14:15
接近日時 誤差
(地球)± 42 分
(月)± 39 分
接近距離 (地球)0.72 LD
(月)0.70 LD
推定直径
8 ~ 18 m
対地球相対速度
13.5 km/s ≅ 4万8000 km/h
初観測から地球接近まで−5 日
次の地球接近2099年8月30日ごろ
公転周期854 日 ≅ 2.34 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2025年1月21日火曜日

隕石衝突の瞬間! 映像と音

 
2024年7月、カナダ東部のプリンス・エドワード島(地図)の民家の庭に隕石が落下しました。防犯カメラには、隕石が舗装に衝突して砕け散る瞬間が写っていましたが、これは映像と音の両方で記録された初めての隕石衝突である可能性が高い、とのことです:
 

御嶽山で火山性微動と傾斜変動

 

1月21日16時06分、御嶽山(地図)で火山性微動が発生しました。この火山性微動にともなって、山頂方向が隆起する地殻変動も発生しています。山頂付近を震源とする火山性地震も増加しています:
 
御嶽山で火山性微動が発生したのは、昨年 7月10日に 2回発生して以来です。
 
 
関連記事
 

小惑星 2025 BN が地球と月に接近・通過

 
かなり大きな小惑星〝2025 BN〟が 1月19日に地球と月の近くを通過しました。
 
2025 BN (2025年1月20日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)1月19日 05:25
 (月)1月19日 12:53
接近日時 誤差
(地球)± < 1 分
(月)± < 1 分
接近距離 (地球)0.84 LD
(月)0.43 LD
推定直径
15 ~ 33 m
対地球相対速度
11.8 km/s ≅ 4万3000 km/h
初観測から地球接近まで−1 日
次の地球接近
公転周期1076 日 ≅ 2.95 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2025年1月20日月曜日

危機一髪、紙一重、九死に一生

 
 
 

南海トラフ巨大地震 「≒ 2029.3年」と予測

 
富山県のチューリップテレビの記事です。

去年8月の「自然災害学会」で発表された研究結果によると、南海トラフ巨大地震が発生するのは 2029.3年(±3.0〜4.5年)とのことです。誤差が ±4.5年だとすると、すでに発生時期に入っています(2029.3 − 4.5 = 2024.8年)。
 
「この数字は、巨大地震によって地盤が隆起した後の同じ速度で地面が沈降する規則性、つまり 1回の地震で大きく隆起するほど、次の地震までの時間が長くなるという規則性を踏まえて算出されたものです」:
 

2025年1月19日日曜日

港内にスケソウダラ — 北海道室蘭市

 
昨年末ごろから、北海道室蘭市の室蘭港(地図)でスケソウダラ(スケトウダラ)が釣れています。水産関係者によると、スケソウダラは主に沖合で獲れる魚で、投げ釣り可能な岸壁で釣れるのは珍しい現象だとのこと。
 
Wikipedia には「産卵期以外は水深 500m までの沿岸や大陸棚斜面の海底近くに生息する。最も多いのは水深 300m 前後。海水温が低下する産卵期には、浅場や海面近くに現れることもある」と書かれています。

「港内の岸壁にまで寄ってくるケースは、過去にあまりなかった」(道立栽培水産試験場):
 

定置網にリュウグウノツカイ — 三重県大紀町

 
【1月21日追記: 1月20日22時00分 三重県南東沖 M3.6、深さ 40km、最大震度 三重県大紀町などで震度 1、震央から錦湾までは約13km(震央地図)】
 
1月18日朝、三重県大紀町の錦湾(地図)に設けられた定置網にリュウグウノツカイが入っているのが見つかりました。体長 1.3m の若い個体。
 
「太平洋側で体長 1メートル余りの若い個体が見つかるのは非常に珍しい」、「漂着は圧倒的に日本海側が多く、ほとんどが 3メートル以上」(碧南海浜水族館)、「約50年、漁師をやっているが初めて見た」(発見者):
 

南海トラフ巨大地震 「発生確率 80%程度」は過大な数字?

 
 
政府の地震調査委員会が先日発表した南海トラフ巨大地震の 30年以内発生確率「80%程度」について、名古屋大学減災連携研究センターの鷺谷威教授が異論を唱えています。南海トラフ地震の確率にだけ「時間予測モデル」という特殊なモデルが使われており、他の地震の確率で使われる「単純平均モデル」だと「30年以内に 50%程度」になるとのことです:
 

小惑星 2025 BD が地球と月に接近・通過

 
1月17日から18日にかけて、かなり大きな小惑星〝2025 BD〟が地球と月の近くを通過しました。
 
2025 BD (2025年1月18日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)1月17日 19:48
 (月)1月18日 01:14
接近日時 誤差
(地球)± < 1 分
(月)± < 1 分
接近距離 (地球)0.63 LD
(月)1.17 LD
推定直径
10 ~ 22 m
対地球相対速度
16.0 km/s ≅ 5万8000 km/h
初観測から地球接近まで0 日
次の地球接近2030年8月28日ごろ
公転周期1030 日 ≅ 2.82 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

小惑星 2025 AH4 が月と地球に接近・通過

 
小惑星〝2025 AH4〟が 12月31日から 1月1日にかけて月と地球の近くを通過していたことが、NASA/JPL による 1月18日付のデータベース更新で明らかになりました。
 
2025 AH4
(2025年1月18日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)12月31日 17:44
 (地球)1月1日 00:53
接近日時 誤差
(月)± < 1 分
(地球)± 2 分
接近距離 (月)0.060 LD
(地球)0.161 LD
推定直径
3 ~ 6 m
対地球相対速度
15.1 km/s ≅ 5万5000 km/h
初観測から地球接近まで−1日
次の地球接近
公転周期778 日 ≅ 2.13 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2025年1月18日土曜日

中央構造線断層帯の切迫度

 
「愛媛県にある長さおよそ 40 キロの「石鎚山脈北縁西部」の区間が、最も地震の発生確率が高い『Sランク』」、「この区間の地震の切迫度は阪神・淡路大震災の発生前を上回っていて、想定されるマグニチュードは 7.5 程度」:
 

長岡平野西縁断層帯 切迫度「Sランク」に

 
1月3日付「日本海側の地震の特徴とは? 次は長岡平野西縁断層が動く?」や 1月15日付「今年最も警戒すべきエリア」で触れていた長岡平野西縁断層帯について、政府の地震調査委員会は地震発生の切迫度を「Aランク(やや高い)」から「Sランク(高い)」に引き上げました:

関連記事
 

御嶽山: 2014年の噴火時とは違うタイプの地震を観測

 
1月17日付「御嶽山の噴火警戒レベル引き上げ」の続報です。

「火山では、普通の岩が割れるタイプの地震とは違って、亀裂の中を例えばガスとかが通ったりしたときに起きると言われているようなもの、ゆっくりした振動のタイプの地震というのが、よその火山ではよく起きるんですけども、御嶽山ではこれまで、2014年ときは噴火前も含めてあまり起きてなかったんですが、今回はそういった現象が結構多く捉えられているといった、そういう特徴がある」:
 
気象庁の最新の解説資料や解説情報には「火山性微動は観測されていません」と書かれています:
 
関連記事
 

2025年1月17日金曜日

スターシップ爆発・飛散

 
イーロン・マスク氏率いるスペースX社が、史上最大かつ史上最も強力なエンジンを搭載した宇宙船・スターシップの 7回目のテスト飛行を実施しました。
 
日本時間 1月17日07時37分にテキサス州から打ち上げられた機体は、下半分のブースターを切り離したあと、打ち上げから約 8.5分後に高度 146km、時速 2万1317km に達したところで爆発し、飛散した破片がキューバ東方の Turks and Caicos Islands(地図)上空で大気圏に突入しました。
 
爆発前に分離したブースターは正常に飛行し、箸(chopsticks)あるいはメカジラと呼ばれる装置(塔)で無事に回収されました。

 

 

御嶽山の噴火警戒レベル引き上げ

 
12月26日付「御嶽山で火山性地震の頻度上昇」の続報です。

御嶽山(地図)の噴火警戒レベルが「2(火口周辺規制)」へ引き上げられました。
 
「御嶽山では、2024年12月中旬以降、山頂付近を震源とする微小な火山性地震の発生頻度がやや高い状態で推移していましたが、本日(16日)06時頃からさらに増加しています」、「火山性微動は観測されていません」、「火山活動によるとみられる地殻変動は認められません」:
 
以下の資料の一番下にある「日別地震回数(長期)」のグラフが、地震の急増ぶりを明瞭に示しています:
 
関連記事