2014年10月31日金曜日

ロシアの貨物宇宙船がISSに到着


アメリカのオービタル・サイエンシズ社が貨物宇宙船シグナスを載せたアンタレス・ロケットの打ち上げに失敗したことは、日本のテレビでも報道されていますが、その爆発炎上事故からわずか9時間後にロシアが打ち上げた貨物宇宙船プログレス M-25M/57P が国際宇宙ステーション(ISS)に無事到着しドッキングに成功したことは、ほとんど伝えられていません:

プログレス貨物宇宙船にはISSへの補給物資約2.6トンが搭載されています。その中には、ISSの軌道変更用の燃料880kg、水420kg、酸素48kg も含まれています。

ロシアが2011年8月に2.9トンの補給物資を積んだプログレス宇宙船の打ち上げに失敗し、ロケットが地表に激突したときにも、日本のメディアはほとんど報道しませんでした。

NASAは、爆発炎上事故後に撮影された打ち上げ場(バージニア州ワロップス島、地図)の写真を公開しています。あれほどの爆発と火災があったにもかかわらず、発射設備は焦げてはいるものの大きな変形はなく原形を留めているように見えます。ロケットは、発射場所からわずかに海側にずれた地点に落下したようです:

NASAは、失われた貨物宇宙船には機密に該当する物資は積まれていなかったとしています。しかし、中継映像には爆発後に〝command encryption hardware〟(指令暗号化装置)を確保せよという音声が入っており、メディアから質問が出たようです。NASAは、どの宇宙船にも搭載されている標準的な装置だ、と回答しています。

YouTubeには今回の爆発炎上を撮影した動画がいくつもアップされていますが、以下は最も再生回数が多く、なおかつ劇的な映像です。中継映像とは違う方向(おそらく報道記者用の場所)から撮影されたもので、爆発後にキノコ雲の中から降り注ぐ無数の細かい火の粉が写っています。周囲の混乱ぶりも音声から分かります。カメラの連写シャッター音に混じって "Oh my God!"、"Holy shit!" という叫び声や、女性の泣き声などが記録されています:

オービタル・サイエンシズ社のアンタレス・ロケットは、1段目にロシア製のエンジン2機が使われているとのことです。ロシアは財政難でロケットの打ち上げ回数が減ったため、余剰のロケット・エンジンを倉庫に保管していました。それを、オービタル・サイエンシズ社が安く買い取り、改修してアンタレス・ロケットに利用しているといわれています。


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伊豆大島で火山性地震増加


伊豆大島(地図)では、10月24日から火山性地震が多い状態になっています(グラフ)。以下は、気象庁が10月31日に発表した「平成26年 No.44 週間火山概況 (平成26年10月24日~10月30日)」からの引用です:
24日及び29日から30日にかけて、主に島の西部を震源とする火山性地震が一時的に増加しました。29日には島内で震度2を2回、30日には島内で震度1を2回観測しています。火山性地震が増加 したのは、7月下旬の島北部の活動以来です。

(中略)

GNSSによる観測では、地下深部のマグマの供給によると考えられる島全体の長期的な膨張傾向が続い ていますので、今後の火山活動に注意してください。

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太陽に咲くひまわり


10月26日付「肉眼で見える巨大黒点出現」の続報です。

過去24年間で最大といわれる巨大黒点群〝AR 2192〟の画像です。10月22日に撮影されました。まるでゴッホが描いたひまわりのようです:

もう1枚。10月24日に北アメリカなどで見られた部分日食の画像です。黒点群〝AR 2192〟の大きさがよく分かります:

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月と地球


今まで、このようなアングルから月と地球を一緒に撮影した画像はなかったと思います。地球からは見ることができない月の裏側も写っています:

画像は、中国が10月23日に打ち上げた嫦娥5号(Chang'e 5-T1)が撮影したものです。同機は試験機という位置づけですが、月を回った後、11月1日に内モンゴル自治区に着陸する予定になっています。

中国は昨年12月に嫦娥3号を月に軟着陸させ、探査車「玉兎号」を降ろして周辺を調査することに成功しました。今回の5号で探査機を月から地球へ帰還させる技術を試し、近い将来に、月面で採取した物質を地球に持ち帰ることを目指しています。


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2014年10月30日木曜日

テングノタチ捕獲 ― 富山県射水市


10月29日、富山県射水市新湊(地図)沖の定置網にテングノタチが入り、捕獲されました。「ヘビのようにニョロニョロした泳ぎ方をしていた」(捕獲した漁師):

テングノタチはリュウグウノツカイと同じアカマンボウ目に属する深海魚で、「魚類には珍しく、肛門付近に墨汁嚢を持ち、イカ墨のような墨汁が肛門から出る」(Wilipedia)。

上記記事によると、前回、富山湾でテングノタチが捕獲されたのは2007年12月とのことですが、翌月の2008年1月26日に石川県能登地方で最大震度5弱(M4.8、深さ11km)の地震が発生しています(資料)。


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31日までに茨城県沖でM6超の地震?


「今月31日までに茨城沖でM6以上の地震が起きる恐れがある」と「地震解析ラボ」の早川正士氏(電気通信大学名誉教授)が警告しているとのことです:

茨城県沖では、過去1週間にM4.1(24日)とM3.8(29日)の有感地震が発生しています。


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マグロが川に迷い込む ― 熊本県天草市


10月29日、熊本県天草市を流れる大宮地川(地図)で、マグロが泳いでいるのが見つかりました。全長1.8m、重さ100kg以上のクロマグロ(ホンマグロ)で、引きあげられたときにはすでに死んでいました。「川でマグロが見つかるのは珍しく、エサを追い掛けて迷い込んだとみられます」:

今朝のテレビ朝日の報道によれば、大宮地川が流れ込む湾では近畿大学が「近大マグロ」の養殖をおこなっています。しかし、養殖しているマグロの重さは100kgを下回っており、今回引きあげられたのは天然のクロマグロとみられるとのこと。

10月19日には、和歌山県すさみ町沖でクロマグロが水深の浅いところに現れ、エビ漁の網にかかっています:

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2014年10月29日水曜日

キラウエアの溶岩流が居住地域に到達 ― ハワイ


9月11日付「キラウエアの溶岩流で非常事態宣言 ― ハワイ」の続報です。

ハワイ島のキラウエア山(地図)から6月27日に流出し始めた溶岩流("June 27th Lava Flow")の先端が、とうとう居住地域のパホア村(地図)に到達しました。9月後半には、溶岩流の進行速度が低下し、止まるのではないかと思われ、非常事態宣言も取り下げられた時期があったのですが、自然災害はそう甘くはありませんでした:

以下は、USGSのハワイ火山観測所(HVO)が公開している最新の溶岩流の位置を示す航空写真地図です。赤い色が1日で進んだ部分を示しています。溶岩流が "Pāhoa Cemetery"(墓地)を取り囲むようにして進んでいることが分かります:

以下は、HVOが公開している写真集です。毎日写真が追加されています:

以前から疑問に思っていたのですが、なぜアメリカでは溶岩流の方向を変えて居住地域からそらしたり、放水などによって冷却して進行を止めたりする努力をしないのでしょうか。アイスランドでは、溶岩流が人の住む地域に向かう恐れがある場合には、ブルドーザーで溝を掘ったり、土を盛り上げて堤防を作ったりして溶岩流を無害な方向にそらしたり、消防車で放水して進行を止めるか、最悪でも遅らせることを試みます。この疑問に対する答えが上にリンクを張ったCNNの記事にありました ―― 「当局者によると、流れをそらす措置は検討されていない。『どちらへ向かったとしても、その方向にはだれかの土地がある』からだという」。


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ミツクリザメ2匹捕獲 ― 静岡県静岡市


10月27日、静岡県静岡市清水区由比(地図)沖で、深海魚のミツクリザメ2匹が刺し網にかかり捕獲されました。1匹は生きており、全長1.2m、体重4.2kgの子ども。死んだ方は、全長2.68m、体重67kg。「生きた状態で捕獲されるのは大変珍しい」(あわしまマリンパーク):

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クジラ漂着 ― 神奈川県小田原市


10月26日、神奈川県小田原市根府川(地図)の沖合で、クジラの死骸が漂流しているのが見つかりました。死骸は、翌27日には海岸に漂着しました。体長約15m。「市内では9月末にも米神海岸沖で体長約9メートルのザトウクジラの死骸が見つかっている」、「1カ月に2回もクジラが見つかるのは聞いたことがない」(小田原市水産海浜課):

9月末に見つかったクジラについては以下の記事をご覧ください:

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2014年10月28日火曜日

蔵王山の火口湖の成分


蔵王山(地図)の火口湖「御釜」(地図)では、10月8日と19日に湖水の一部が白濁しているのが確認されています。その御釜の湖水を東京工業大学火山流体研究センターが分析した結果が、「第130回 火山噴火予知連絡会資料 (その 10) 追加資料」(PDF形式、4.4MB)の3ページに載っています。白濁が確認される前に採取された湖水を分析したものですが、以下に引用します:
2014年9月18日に蔵王山御釜で採水した湖水の陰イオン分析結果

pH: 3.22
F: 1.08   Cl: 2.84   SO4: 339   (mg/l)

硫酸酸性であるが、Clをわずかに含む。Fも検出されており、高温の火山ガスの寄与があるものと推察される。

なぜ、F(フッ素)イオンが検出されると「高温の火山ガスの寄与がある」と推定できるのでしょうか。たぶん、こういうことだと思います ―― 火山ガスにはフッ化水素(HF)が含まれています。フッ化水素は水に溶けやすく、フッ素イオンがわずかですが解離します。このフッ素イオンは、水中のカルシウム(Ca)などと結合して水に溶けにくい化合物(フッ化カルシウム CaF2、蛍石の主成分)などになり、すぐに沈殿してしまうので、結果として水中のフッ素イオンの濃度は高くなりません。そういう性質を持つフッ素イオンが湖水中に検出されたと言うことは、沈殿量を上まわる量のフッ化水素が供給されていると考えられます。あるいは、高温の場合はフッ化水素の解離が促進される(?)からかも知れません。


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2014年10月27日月曜日

近畿圏中心領域大型地震 (番外)


昨夜のフジテレビの番組「ニュースな晩餐会」に八ヶ岳南麓天文台の串田氏が出演していたようですね。私は見逃しましたが。

新聞のテレビ欄から拾うと「次の大地震はいつ来るのか? 専門家と大激論 地震予知は必要か?」となっています。この番組に対して東京大学のロバート・ゲラー教授が大憤激です。以下は教授のツイートです:

以下は、上記番組に基づいた記事です:

記事のタイトルに「来年2月中旬に近畿で発生」、記事中に「地震予知の研究家『串田嘉男』さん(串田氏)がテレビの放送で、来年の2月中旬にマグニチュード7~8の地震が近畿に発生すると発表しました」、サブタイトルに「発生は来年2月中旬!」などと断定調で書いてあります。1ヶ所だけ、括弧をつけて「放送時に極大期が収束した場合に限る」と断っているものの串田氏の手法や予測を誤解させる内容です。

地震発生時期を2月中旬と断定的に書いたり、「極大期が収束した場合」(正しくは前兆が終息した場合)と注釈したり ―― 記事を書いたライターは、串田氏の著書を読んだこともなければ、串田氏の手法を理解してもいないようです。

以下は10月22日付「近畿圏中心領域大型地震 (続報-39)」に引用した串田氏の文言の再掲です:
小生の観測しているNo.1778前兆=近畿圏地震の可能性推定前兆について、○○月○○日発生などと云う報道があったとしましたら、それは報道の仕方が間違っています。私は、取材があった場合(取材なく報道されているものもあるようです)、例えば11月発生の可能性につきましても「08月中旬までに前兆が消えれば」という条件を必ず言ってきましたし「消えなければ、より先になり、前兆が消えたら発生時期を計算できます」と必ず言って参りました。○○月○○日発生と言い切ったことは一度たりともありません。

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サクラ咲く ― 徳島県美馬市


徳島県美馬市の2ヶ所でサクラの花が咲いているとのことです。同市脇町猪尻(地図)ではヤマザクラ、同市穴吹町三島(地図)ではソメイヨシノが開花しています。「春も普通に咲いていたし、見上げるまで分からなかった。秋に花を見るのは初めて」(脇町の住民)、「桜の花の芽は夏ごろできる。通常は春まで咲かないが、台風などの影響で葉が散ると、秋に開花する現象も見られる」(県立博物館):

両地点とも中央構造線に沿った場所です。隣接する香川県の東かがわ市では、今年の夏、竹の花が咲きました:

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2014年10月26日日曜日

肉眼で見える巨大黒点出現


過去24年間で最大といわれる黒点が出現中です。すでに、X-クラス(最大級)の太陽フレアを4回も噴出しています。肉眼でも見ることができますが、目を保護するために日食観察用のメガネなどが必要です:

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小惑星 2014 UF56 が地球接近


10月28日午前6時17分(日本時間)、小惑星〝2014 UF56〟が地球に0.43LDまで接近します。

この小惑星は10月25日に発見されたもので、アポロ群に属し、直径は9~20mと推定されています。発見から時間が経っていないため、まだ観測数が少なく、最接近の時刻には6分程度の幅が見込まれています。

最接近時の地球との相対速度は、秒速12.09km(時速約4万4000km)と計算されています。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD
2014 UF56 9~20 10月28日 06:17 0.43

*: 1LD=地球から月までの平均距離


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2014年10月25日土曜日

蔵王山で重力変動


蔵王山の地下で起きている物質移動を観測するためにおこなわれたハイブリッド重力観測の結果、蔵王山の御釜(地図)付近で2013年7月から2014年7月までの1年間に+30マイクロガル(microgal)を越える顕著な重力異常が観測されたとのことです:
  1. 蔵王山の御釜付近で 30 microgal を越える顕著な重力異常が認められる。

  2. 御釜から 4km 程度以上離れたところに認められる、20 microgal 程度の重力減少は、東北地方全域の広域的現象である (東北地方太平洋沖地震の余効変動; 同一期間の絶対重力観測結果から、仙台で -11 microgal、江刺で -17 microgal、由利本荘で -8 microgal の変動が得られている)。

  3. 「2」の効果を考えると、火山起源の重力変動は御釜付近では、50 microgal を越える可能性がある。

上は、10月23日に開かれた第130回火山噴火予知連絡会定例会で使われた下記資料の74~75ページからの引用です:

重いマグマが地下から上昇してくると地上では重力の増加が観測されます。「重力は地下での質量移動を直接反映するため、最近では、精密重力の繰り返し測定が、火山のマグマの動きをモニターする1つの有力な方法となっている」(出典)とのことです。


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子猫と地震


子猫の異常行動と地震の関係の研究発表と思ったのですが ・・・

10月19日から22日まで、カナダのバンクーバーで開かれていたアメリカ地質学会の大会〝GSA 2014〟での発表風景です。発表者のThorne Lay氏は、大の字になって寝ている子猫とじゃれ合っている子猫で、地震の静穏期(The Quiet Days)と活発な時期(Rocking & Rolling)を象徴したかっただけのようです。

えびの高原硫黄山に噴火警報、冷泉や足湯の温度上昇 ― 宮崎県


10月9日付「えびの高原で火山性地震と火山性微動」の続報です。

すでに報道でご存じと思いますが、10月24日、えびの高原の硫黄山(地図)周辺に噴火警報が出されました。以下は「火山名  霧島山  噴火警報(火口周辺)平成26年10月24日10時00分」からの引用です:
<霧島山に火口周辺警報(火口周辺危険)を発表>
えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では小規模な噴火の可能性がありますので、警戒してください。
<噴火予報(平常)から火口周辺警報(火口周辺危険)に引上げ>

「噴火警報(火口周辺)」、「火口周辺警報(火口周辺危険)」、「噴火予報(平常)」など分かりにくい言葉は出てきますが、噴火警戒レベルの数字が出てきません。これは、霧島連山(霧島火山群)の中で、新燃岳や御鉢では噴火警戒レベルが運用されているのに対して、硫黄山では噴火警戒レベルが導入されていないからです。気象庁の「噴火警戒レベルの説明」には、次のように書かれています:
各火山の地元の都道府県等は、火山防災協議会(都道府県、市町村、気象台、砂防部局、火山専門家等で構成)を設置し、平常時から噴火時の避難について共同で検討を行っています。 火山防災協議会での共同検討の結果、火山活動の状況に応じた避難開始時期・避難対象地域が設定され、噴火警戒レベルに応じた「警戒が必要な範囲」と「とるべき防災対応」が市町村・都道府県の「地域防災計画」に定められた火山で、噴火警戒レベルは運用が開始(導入)されます。

つまり、地元の協力がないと噴火警戒レベルは設定できないということです。

硫黄山周辺の現状について詳しくは以下を参照してください。地震回数や地盤の伸びを示すグラフなどがあります:

以下は、10月23日に開かれた第130回火山噴火予知連絡会定例会で使用された霧島山に関する資料です。上の火山活動解説資料に盛り込まれていない情報がたくさん載っています:

上の資料には、地元から「七折れの滝(石氷川)の沢登りをしたところ、登り口から中間点にある冷泉が、昨年(2013 年)より温かかくなっている」、「えびの高原足湯の駅で、これまで 36~37℃だった足湯の温度が、9月11日は39℃だった」という通報があったことが記載されています。これに対して、気象台が実地調査した結果は、前者に対して「湧出口付近に白い付着物があり、水温は約23度で、弱い硫黄臭を確認した(沢の本流は17度)」、後者に対して「現地調査による測定では、38.6℃(水銀温度計による)であった」と記されています。

2011年7月からえびの高原足湯の温度測定をしている九州大学は、「2013年末から若干の温度上昇が見られる」と報告しています。一方、えびの高原周辺の地中温度(約1m)や温泉水の電気伝導度・化学分析をおこなっている京都大学は、「地中温度、温泉水ともに異常な変化は見られない」と報告しています。

霧島山で全磁力観測をおこなっている東京大学と京都大学は、硫黄山北観測点について「特段の変動は認められていない」と報告しています。マグマの上昇による熱消磁の傾向は現れていないようです。全磁力観測については以下を参照してください:

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2014年10月24日金曜日

ダイオウイカ捕獲 ― 福井県越前町


10月22日、福井県越前町米ノ(地図)沖の定置網にダイオウイカがかかっているのが見つかりました。全長2.88mで、すでに死んでいました。「何十年も前に浜に打ち上げられたと聞いたが、実際に見たのは初めて」:

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2014年10月23日木曜日

エビ漁の網にクロマグロがかかる ― 和歌山県すさみ町


10月19日、和歌山県すさみ町見老津(地図)沖約200mに仕掛けられたイセエビ漁の網に、クロマグロがかかっているのが見つかりました。全長1.5m、重さ約60kg。「磯魚が掛かることはあっても回遊魚が掛かることは少ない。ましてやマグロ類ともなればほとんどない」、「生まれて初めての出来事」(漁師)、「あの大きさの天然マグロが水深の浅い所に来ることはまれ。何かに驚いて網に突っ込んだのだろう」(エビとカニの水族館):

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小惑星 2014 SC324 が地球接近


10月25日午前4時21分(日本時間)、小惑星〝2014 SC324〟が地球に1.47LDまで接近します。

この小惑星は9月30日に発見されたもので、アポロ群に属し、直径はこの距離まで地球に近づく小惑星としては比較的大きく40~90mと推定されています。

最接近時の地球との相対速度は、秒速9.89km(時速約3万6000km)と計算されています。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD
2014 SC324 40~90 10月25日 04:21 1.47

*: 1LD=地球から月までの平均距離


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2014年10月22日水曜日

御嶽山噴火の前兆を捉えていた ― 八ヶ岳南麓天文台


10月22日付「近畿圏中心領域大型地震 (続報-39)」の補足です。

八ヶ岳南麓天文台の串田氏が10月21日付で出した更新情報の最後には、「火山前兆」についての記述があります:

以下にまとめます:
  • 火山前兆は、通常の地震前兆とはまったく異なるパターンなので、容易に識別できる。

  • 火山前兆の出現が1日のみの場合や弱い場合には、火山帯で弱い群発地震や複数の小規模地震などが発生する。

  • 火山前兆が複数の観測点に同時期に出現する場合は、ある程度大きな規模の地震活動や顕著な群発地震が発生する。

  • 火山前兆が複数の観測点に同時期に、数日間にわたって出現する場合は、噴火活動に至る。

  • 弱点は、経験則の蓄積が十分でなく、火山の特定には成功していないこと。現状は、全観測点のうち八ヶ岳南麓の前兆が一番顕著であれば八ヶ岳に近い本州の火山、秋田観測点の前兆が一番顕著であれば東北から北海道にかけての火山といえる程度。

  • 9月7日から、複数の観測点(八ヶ岳、高知、秋田)のデータに火山前兆が出現。八ヶ岳南麓のデータに出現した変動が一番顕著。変動のピークは9月11日。その16日後の9月27日、御嶽山が水蒸気噴火した。御嶽山の噴火が、前兆に対応する火山活動だった可能性がある。

  • 通常、火山活動が始まると前兆は終息する。しかし、御嶽山噴火後も火山前兆が出現していたため、火山活動がしばらく継続する可能性を指摘した。

  • 予知が困難であるとされる水蒸気噴火でも顕著な火山前兆が現れている。

  • 気象庁の火山性微動や火山性地震の観測データと合わせて検討すれば、将来は火山を特定できる可能性がある。

火山前兆について詳しいことは、上記更新情報の6ページ目(No.074)後半から7ページ目(No.075)にある記述やグラフをご覧ください。

御嶽山では、噴火前の9月10日昼ごろから火山性地震が増加し、翌11日に地震回数がピークに達しています。八ヶ岳南麓で観測された火山前兆のピークと一致している点は注目に値します:

八ヶ岳南麓天文台は、御嶽山の真東約80kmのところにあります(地図)。


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近畿圏中心領域大型地震 (続報-39)


9月24日付「近畿圏中心領域大型地震 (続報-38)」の続報です。

八ヶ岳南麓天文台の串田氏が更新情報を10月21日付で出しています。今回は全7ページにわたる長編です:

以下に内容をまとめます:
  • 前兆はまだ終息していない。2015年2月中旬以前に対応する地震が発生することは否定できる。

  • 現時点での推定は以下のとおり:

  • 推定時期 前兆が終息した時点で計算予定。現状では、2015年2月中旬以前の発生は否定できる
    推定震央 (上記更新情報の5ページ目(No.073)に推定領域の地図あり)
    推定規模 M7.8±0.5 (陸域の浅い震源)
    推定発生時刻 午前9時±2時間 または 午後6時±2時間 (あくまでも参考情報)

  • 各観測装置の10月21日現在の状況は以下のとおりです。[]内は前回の更新情報のものです:

  • 観測装置 前兆の現状
    CH16 [ほぼ静穏状態だが、弱い特異あり]→ 弱まっているが継続中
    CH17 [静穏状態であることが多いが、ときおり断続的に特異あり]→ 終息
    CH20 [ほぼ静穏状態]→ 終息
    CH21 [9月17日に静穏化したが、再び弱い特異出現中。この観測装置が静穏化すれば、全前兆終息と判断]→ 継続中
    CH23 [記載なし。すでに完全終息?]→ 記載なし

  • 前兆の終息が確認された場合は、その後1週間ほど再出現がないかを確認した上で報告する。終息しない場合でも、11月下旬に状況を報告する予定。

  • 現在、M7以上の規模が推定される2つの地震の前兆を観測中。No.1778前兆とNo.2443前兆。前者は近畿圏、後者については非公開。

なお、串田氏は次のように書いています:
小生の観測しているNo.1778前兆=近畿圏地震の可能性推定前兆について、○○月○○日発生などと云う報道があったとしましたら、それは報道の仕方が間違っています。私は、取材があった場合(取材なく報道されているものもあるようです)、例えば11月発生の可能性につきましても「08月中旬までに前兆が消えれば」という条件を必ず言ってきましたし「消えなければ、より先になり、前兆が消えたら発生時期を計算できます」と必ず言って参りました。○○月○○日発生と言い切ったことは一度たりともありません。

今回の更新情報には、規模の推定方法、発生時刻の推定方法、領域の推定方法がかなり詳しく述べられています。串田氏の著書『地震予報』(PHP新書、2012)と合わせて読まれると良いと思います。


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2014年10月20日月曜日

蔵王山の火口湖が再び白濁 ― 宮城県


10月19日、蔵王山(地図)の火口湖「御釜」(地図)の一部が白濁しているのが確認されました。白濁が確認されたのは、10月8日に続いて2回目です。

以下は気象庁が発表した「蔵王山の火山活動解説資料 (平成26年10月20日17時00分)」(PDF形式、写真あり)からの引用です:
昨日(19日)9時34分頃から御釜の東側湖面の一部に白濁した部分が断続的に一時間程度確認されました。この時間帯には地震活動はみられませんでした。御釜の湖面が白濁した現象は10月8日にも確認されています。

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プレート間の摩擦熱でマグマ発生?


10月19日付「御嶽山噴火の次は? (補足-2)」で紹介した記事の中に、次のような記述がありました:
  • 「プレートがこすれ合い、摩擦熱でマグマが生まれる」 (武蔵野学院大学特任教授・島村英紀氏、引用元

  • 「プレートの沈み込んでいくスピードが上がり、その摩擦でプレートが溶けて大量のマグマになり大噴火を引き起こす」 (立命館大学歴史都市防災研究所教授・高橋学氏、引用元

2人とも火山学が専門ではなく、島村氏は地震学、高橋氏は地理学が専門のようです

先日のテレビ番組でも、御嶽山の噴火に関連して解説者が同様のことを言っていました。しかし、現在の火山学ではマグマの成因についてまったく別の考え方が主流になっています。以下は「火山学者に聞いてみよう -トピック編-」にある〝Question #2179〟に対する回答(東京大学地震研究所・安田敦氏)からの引用です:
以前にはプレート間の摩擦熱という説がありましたが,最近ではあまり重要視されていません. それは,仮に摩擦で多少温度が上がっても,こんどは高温になった部分の流動性が高まるので, 摩擦自体が小さくなってしまい,プレートの沈み込み帯でのマグマ生産に見合うだけの 十分な摩擦熱を生じさせるのか困難だと思われるからです.

最近では,水の存在によって岩石の融点が下げられているという説のほうが一般的 です. 地下の高い圧力のもとでは,水が豊富に存在すると岩石の融点は数百度も低下します. 地下100kmあたりのマントルの平均的温度は1300~1400度程度で,水が存在しない 場合には,マントルの岩石は融けることはありません.しかし沈み込んだ海洋プレー トから脱水によって大量の水が供給されると,岩石は容易に融けることができるのです.

以下には、マグマの成因についてもう少し詳しい説明があります:

マグマの成因を納得するには、深さ(≒圧力)の関数としての地温曲線と融解曲線(マグマができはじめる温度)の関係を理解する必要があります(参照グラフ)。通常は、どの深さでも地温曲線が融解曲線よりも低温側にあり、2つの曲線が交わることはありません。つまり、マントル物質が溶けてマグマになることはないわけです。しかし、条件が変化すると両曲線の関係が逆転してマントル物質が溶け始めます。

以下の書籍は、一般向けですが上記のようなマグマの形成過程や、マントルで発生したマグマがいかにして固体のマントルの中を上昇してくるのかについて、1章を費やして詳しく、かつ分かりやすく解説しています:

月の暈と大地震 ― ギリシャ


2014年5月12日に、ギリシャのテッサロニキ(地図)で撮影された月の暈です:

偶然とは思いますが、12日後の5月24日、テッサロニキから東に約200kmのエーゲ海でM6.9の地震(震央地図)が発生しています。震源の深さは浅く、約6kmでした:

トルコ北部を東西に走るアナトリア断層系の西への延長上で、右横ずれ断層が動いたことによっておきた地震とみられています。


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イエローストーンで地殻変動続く (続報-2)


3月31日付「イエローストーンで地殻変動続く (続報)」の続報です。

2013年からイエローストーン・カルデラで続いていた地殻変動について、米国地質調査所(USGS)の科学者が、10月第2週に開かれた会議で発言しています:

発言をまとめると ―― 2013年半ばごろからイエローストーン・カルデラ内で南東方向と上方への地殻変動が始まった。ほぼ時を同じくしてカルデラ内にある世界最大の間欠泉が8年ぶりに噴出し始めたが、両者に関係はないと判断。地殻変動は、2014年3月末(上の記事では4月となっている)にカルデラ内でM4.8の地震(カルデラ内では34年ぶりの規模)が発生して以降は停滞している ―― となります。

イエローストーン・カルデラ内の間欠泉の噴出と地殻変動については、このブログの以下の記事を参照してください:

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火星の「戦車」


火星探査車キュリオシティが撮影した変なもの。今回は「戦車」あるいは「大砲」のように見える何かです。このような形が自然の岩石でできるのでしょうか。7月29日に撮影された画像の右上部分に写っています:

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2014年10月19日日曜日

赤い惑星に緑の彗星が接近


赤いキツネと緑のタヌキじゃないですけれど ・・・

10月20日午前3時29分(日本時間)、サイディング・スプリング彗星(C/2013 A1)の核が火星に14万kmまで近づきます。地球から月までの距離の約3分の1です。もし、彗星がこの距離まで地球に近づいたとしたら、地上ではパニックに近い騒ぎになるのではないでしょうか:

最接近時の彗星の火星に対する相対速度は秒速56km(時速約20万1000km)と計算されています。

現在、火星の周囲には米・欧・インドの5つの衛星が回り、火星の表面には2台の探査車が活動中です。最接近の100分後に彗星の尾の最も濃密な部分が火星を通過します。彗星が放出する高速の塵が衛星に衝突する可能性があり、NASAなどでは、最接近の90分後から20分間が最も衝突のリスクが高まるとみて回避策を講じています:

サイディング・スプリング彗星は太陽系最外縁にあるオールトの雲からやって来て、太陽に近づくのは今回が最初であることから、太陽系創世当時のままの姿を保っていると考えられています。そのため、貴重なデータが得られると期待され、火星の周りの衛星や火星表面の探査車、地球周辺の宇宙望遠鏡やSOHOなどの太陽観測衛星、さらに世界中の天文台がこぞって観測することになっています。

以下は、NASAの特設サイトです。多数の画像や動画があります:

現在、火星は夕方の西空に1等星よりやや明るく見えていますが、サイディング・スプリング彗星が最接近するときには地平線の下に沈んでしまっていて、日本から見ることはできません。


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御嶽山噴火の次は? (補足-2)


10月14日付「御嶽山噴火の次は?」と10月15日付「御嶽山噴火の次は? (補足)」の補足です。

まだまだ、あります ―― 御嶽山に続いて噴火する火山はどこか、御嶽山の噴火は大地震につながるのか、という話題を扱った記事。

▼ 「御嶽山と同様に今年に入ってから震源の浅い地震が頻発している火山として、日光白根山(33回)、伊豆大島の三原山(28回)、富士山(5回)、草津白根山(4回)を挙げ、注意が必要だと指摘」:

▼ 「2011年の東日本大震災以降、高橋教授によれば通常年間10センチほどだった太平洋プレートの沈み込みが、年間30~40センチにまで速度を上げている」:

▼ 「仙台管区気象台が戦慄のデータを発表した。東北地方にある4つの火山が活動を活発化させているというのだ」、「仙台管区が活発化を指摘したのは八甲田山、秋田駒ヶ岳、蔵王山、吾妻山で、中でも蔵王山の活動がぬきんでているとしています」、「最近では、ハザードマップは存在するが地域住民にしか配布せず、観光客への配布を嫌がるという事態が増えている」:

▼ 「日本を象徴する富士山の山麓でいま、謎の異常現象が相次いでいる」、「北東側の斜面が破れて溶岩が出ると予測しています」:

▼ 「東日本大震災で状況が一変した。今後、関東は活発な地震活動期に入るはずです」:

▼ 「3.11の東日本大震災の2カ月前、霧島山・新燃岳(鹿児島)が噴火。1950年の三原山噴火後、53年11月に房総沖地震が発生。04年9月の浅間山噴火の翌月、新潟中越地震が起きている」、「御嶽山の噴火は、南海トラフ地震に影響するフィリピン海プレートの圧縮を受けて生じているのです。同様の力を受けて、九州では、桜島、霧島新燃岳、口永良部島などで噴火が始まっています」:

▼ 「大地震の前後に、火山活動が発生する事例は少なくない」、「御嶽山に近い焼岳(岐阜・長野)の直下で今年5月に群発地震が起きた。この辺で地震が活発化していることは確かで、油断できない」:

▼ 「現在、御嶽山と同様に周辺で地震が頻発しているのが、草津温泉の近くの白根山と、上高地の焼岳です」、「日光で群発地震が起きていて、日光白根山や那須岳も噴火の危険があります」:

▼ 「関東近辺なら、1977年に噴火した福島の吾妻山、63年に噴火した福島、栃木にまたぐ那須岳が危ない。行楽スポットとして人気の箱根山も同様だ」、「箱根山は昨年5月ごろに群発地震が発生しており、気になる。ケーブルカーも止まるほどの揺れで、大涌谷の近くで噴気が増えて林が枯れているスポットがあり、噴火の兆候らしきものが出ている」:

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2014年10月18日土曜日

海洋プレートとマントルの境界にマグマ


プチスポット火山から採取した溶岩の中にあった捕獲岩(海洋プレートのかけら)を分析した結果、「海洋プレートとその下のマントルとの境界にマグマがあること」を論理的に導き出したとのことです:

プチスポット火山については以下を参照してください:

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