2018年7月31日火曜日

1701年、マッコウクジラが集団座礁


7月30日、岩手県宮古市赤前(地図)で、東日本大震災の津波で流失した「赤前御前堂」が再建され、神事がおこなわれました。クジラの骨が御神体として祭られています。「凶作に見舞われた1701年4月、赤前の海岸にマッコウクジラ139頭が押し寄せ、住民たちは肉を食べたり鯨油を売ったりして命をつなぐことができた」:

この集団座礁以降に発生した特に大きな被害地震は以下のとおりです。場所的にも時間的にも離れていますが ・・・
  • 1703年12月 M7.9~8.2 江戸・関東諸国 『元禄地震』 相模・武蔵・上総・安房で震度大。特に小田原で被害大きく、城下は全滅。江戸・鎌倉などでも被害大。津波が犬吠埼から下田にかけての沿岸に襲来、死者数千。

  • 1704年5月 M7.0 羽後・陸奥 能代の被害が最大。山崩れが多く、十二湖が生じた。

  • 1707年10月 M8.6 『宝永地震』 五畿・七道 わが国最大級の地震の一つ。紀伊半島から九州までの太平洋沿岸や瀬戸内海に津波襲来。11月に富士山大噴火。
(参考資料: 『理科年表』 丸善株式会社)

ちなみに、1701年は元禄14年。元禄14年といえば ・・・ 江戸城・松の廊下での殿中刃傷事件。3月14日(1701年4月21日)、江戸城本丸大廊下(通称松の廊下)で播磨赤穂城主・浅野長矩(内匠頭)が高家肝煎筆頭・吉良義央(上野介)に切りつけました。マッコウクジラの集団座礁と同じ月です。


関連記事

2018年7月30日月曜日

銀河系の中心で起きていること


最初に見たときは微生物か動物の細胞を写した顕微鏡写真かと思いました。欧州宇宙機関(ESO)が、チリに設置した大型望遠鏡で20年近くにわたって撮影した銀河系宇宙の中心部の画像を GIF 動画にしたものです。多くの恒星が超巨大ブラックホールの周囲を「公転」しています:

YouTube 動画で見る場合は以下からどうぞ:

関連記事

2018年7月29日日曜日

セミクジラ(?)漂着 ― 北海道根室市


7月28日、北海道根室市落石の三里浜(地図)に体長約13mのクジラが漂着しているのが見つかりました。絶滅危惧種に指定されているセミクジラとみられています。「打ち上げられるのは大変珍しい」(専門家):

関連記事

中国の地震予知研究者にビザ発給せず


トランプ政権は強硬です。これまで中国がやりたい放題だった、という面もあるのでしょうが。「中国代表団は、地震電磁気観測衛星について研究発表を行う予定だった。しかし、米政府は全員にビザを発給しなかった」:

関連記事

イエローストーン巨大噴火の確率


経済誌『Forbes Japan』の記事です。米国地質調査所(USGS)によると「近い将来、イエローストーンで巨大噴火が起きる確率は 73万分の1(0.00014%)」で、「今のところ噴火の兆候は全くない」:

ちなみに、ジャンボ宝くじの1等に当選する確率は 1000万分の1 だそうです。


関連記事

2018年7月28日土曜日

「わきみず池」が白濁、湧水群が一部枯渇 ― 東京都日野市 (続報)


東京都の報道発表資料です。報道と大差ありませんが、白濁水の発生は収まっているとのことです:

関連記事

2018年7月27日金曜日

「わきみず池」が白濁、湧水群が一部枯渇 ― 東京都日野市


東京都日野市にある黒川清流公園(地図)で、7月21日、「わきみず池」で白濁水が発生、さらに湧水群の一部が枯渇しているのが見つかりました。原因はわかっていません。現地調査でおこなわれた簡易検査では水質に異常は認められていません:

関連記事

ラオスのダム決壊


ダム決壊前(7月13日)と決壊後(7月25日)を比較したGIF動画です。画面中央上部のダム湖が決壊によって縮小していることがわかります(赤い星印が決壊箇所)。その一方で、右隣のダム湖は大雨によって水量が増えています:


私が見た中で最も詳しい記事は以下です。もっとも印象に残った写真はこれです:

決壊によって流出した水は 50億立方メートルと推定されています。これは、メコン川の流量の約100時間分(4日分)に相当するとのことです:


リュウグウノツカイ現る ― 福井県美浜町


7月20日、福井県美浜町の水晶浜海水浴場(地図)で、全長2mほどのリュウグウノツカイが泳いでいるのが目撃・撮影されました。「リュウグウノツカイが浅瀬で泳いでるのなんて初めて見ました」、「調べたら生きたやつって相当レアやねんな!」:

関連記事

双頭のハスが開花 ― 新潟県上越市


7月26日、新潟県上越市の高田公園(地図)の堀で、1本の茎に2つの花がつく双頭蓮が開花しているのが見つかりました。「双頭蓮は突然変異で発生するとされる大変珍しい現象で、中国では吉祥の花とされる」:

同公園で双頭連が見つかったのは、2016年7月以来、2年ぶりです:

関連記事

2018年7月25日水曜日

雷の化石


7月22日、福岡空港に落雷があり、滑走路に穴が開きました。穴は約40cm四方で深さは約10cm。1時間あまりで修復されたようです:

今回の落雷の跡は短時間で消されてしまいましたが、非常に長い間、残る痕跡もあります。

以下のツイートには、太古に地面に落ちた雷が残した痕跡の写真が載っています。落雷によって生じた高温で変化した岩石、fulgurite(閃電岩)が現在まで残ったものです。いずれもイギリスの Arran Geopark (地図)で撮影されたものです。1番目のツイートには次のように書かれています ―― Corrie の海岸にあるこの「化石化した閃電岩」は、約2億7000万年前のペルム紀(二畳紀)に砂漠に落ちた雷の痕跡です。(落雷によって生じた)高温によって砂がガラス化し、今日まで残る構造を作り出しました:

関連記事

赤い月に赤い火星が接近


7月28日(土曜日)、月食で赤みを帯びた月に、大接近(7月31日)を間近に控えて明るく輝く火星が近づきます(火星は満月の左下方向):
  • 02時13分 半影月食開始
  • 03時24分 部分月食開始
  • 04時30分 皆既月食開始
  • 04時47分 月の入り(東京)
  • 05時20分 満月
  • 05時22分 皆既月食のピーク
  • 05時31分 月の入り (福岡)
  • 05時57分 月の入り (那覇)
  • 07時05分 月が火星の北6°43′に(見かけ上)接近
  • 22時17分 火星が衝
参考資料: 『天文年鑑 2018年版』(誠文堂新光社)

東京では、部分月食の始まりや皆既月食の始まりの時には、月の高度がかなり低くなっているので、建物の陰などになって見られないかも知れません。皆既月食のピーク時には月はすでに西の水平線に沈んでしまっています。西に行くほど月が沈む時刻が遅くなるので、九州や沖縄の方が観測条件が多少良くなります。

今回の月食は月が前日に遠地点を通過しているので、2018年では最も小さく見える満月が地球の陰に入ることになります。

7月28日の月食については詳しくは以下を参照してください:

7月31日の火星大接近については以下を参照してください:

火星は、7月28日を待たなくても、空が暗くなってから南東から南にかけての空を見れば、赤色(ピンク色)で明るく輝いているので容易に見つけられます。


2018年7月24日火曜日

キラウエア山頂火口が大きく変化 (補足)


6月中旬から下旬にかけて、日に日に沈下していくキラウエア山頂火口(ハレマウマウ火口)の火口底。このころの火口底はまだ平坦な状態を保っていました:



関連記事

キラウエア山頂火口が大きく変化


以下のページの図で、中央の縦線をマウスで左右にドラッグすると、2009年6月と2018年7月のキラウエア山頂火口の地形を比較することができます。今年5月に始まった火山活動によって大きな変貌を遂げたことがよくわかります。山頂火口の地下にあったマグマが LERZ(Lower East Rift Zone、東部地溝帯低部)の方に移動し、亀裂から大量に流出したことによって、山頂火口では火口底の沈下・陥没が生じたと考えられています:

以下のツイートでは地形の変化を GIF 動画で見ることができます:

かつて私が訪れたときの山頂火口(ハレマウマウ火口)は、底が平らでした。そして火口の縁の何か所かにはしおれた花束が置かれていました。火口に向かって投身自殺をした人と弔うためかなと当時は思っていたのですが、そうではなくて、火山の女神への献花であったようです。


関連記事

7月、過去には地震も多発


7月に起きた大地震が列挙されています。「1995年兵庫県南部地震以降、全国各地で起きてきた地震や活発な九州での噴火活動を見ると、当時(貞観時代)との類似性が気になります」:

イエローストーンの間欠泉が「異常」噴出 (続報-8)


続報-7」で書いたとおり、スティームボート間欠泉では7月20日(日本時間21日)に今年12回目の噴出があったようです。USGS YVO(イエローストーン火山観測所)のウェブサイトにようやく記載されました(昨晩見たときにはまだ記載されていませんでした)。報道も出始めました:

日付(現地時間) 間隔(日)
1 3月15日 1289
2 4月19日 35
3 4月27日 8
4 5月4日 7
5 5月13日 9
6 5月19日 6
7 5月27日 8
8 6月4日 8
9 6月11日 7
10 6月15日 4
11 7月6日 21
12 7月20日 14


関連記事

2018年7月23日月曜日

マグマだまりがいっぱい


科学誌 "Nature" に7月12日付で載った論文です。インドネシアの火山から出た溶岩の化学成分や含まれる様々な鉱物の結晶を分析した結果、異なる深さに複数のマグマだまりが存在し、それらが相互に繋がっている様子が推定できたそうです(拡大図):



月にいたよ!


「49年前の今日、バズ・オルドリンニール・アームストロングが月面に歴史的な第一歩をしるしたとき、あなたはどこにいましたか」という問いかけに対してオルドリン氏本人が ――



2018年7月22日日曜日

吾妻山で火山性微動、火山性地震、傾斜変動


7月22日、山形県と福島県にまたがる吾妻山(地図)で火山性微動が発生、火山性地震も一時的に増加しました。同山での火山性微動の発生は2015年5月6日以来です。火山性微動の発生にともなって、浄土平(地図)の傾斜計で大穴火口(地図)の方向が上がる変動も観測されました:

関連記事

2018年7月21日土曜日

イエローストーンの間欠泉が「異常」噴出 (続報-7)


まだ USGS の発表や報道はありませんが、現地時間の7月20日22時38分ごろ(日本時間21日13時38分ごろ)から、スティームボート間欠泉の噴出を示すとみられる振動が現地の地震計に現れています。また、90分ほど遅れて下流の川の流量が増えています。噴出だとすれば、前回から14日ぶり、今年12回目となります。

下から4分の1付近で線幅が継続して太くなっている部分が間欠泉の噴出に関係するとみられる振動。上半分のランダムな振動のほとんどは、昼間の人間活動(観光客など)によるもの (クリックで拡大)


関連記事

内陸にウミネコ ― 兵庫県丹波市


7月6日から7日にかけて、兵庫県の内陸部にある丹波市(地図)で、海鳥のウミネコの目撃が相次ぎました。西日本豪雨の影響とみられています。

「丹波市内でまともに見るのは初めて。大変珍しい」(丹波野鳥の会)、「台風などの後は、海辺の鳥が飛来することがある。(中略)鳥にとっては珍しくない行動。丹波市にとっては珍しいだろう」(県立人と自然の博物館・研究員):

関連記事

イチョウハクジラ漂着 ― 静岡県湖西市


7月17日、静岡県湖西市白須賀(地図)の海岸に、体長約4mのイチョウハクジラの死骸が漂着しているのが見つかりました。

「イチョウハクジラは太平洋の水深800~900メートルの深海でイカなどをエサに生息」「日本に漂着したケースは数十例あるが、遠州灘は北限に近く珍しい」(国立科学博物館・研究主幹)

関連記事

ツノシマクジラか? ― 富山湾


7月20日、富山県射水市庄西町(地図)の沖の富山湾で、海上保安庁の巡視船が体長約10mのクジラを目撃・撮影しました。希少なツノシマクジラとみられています。ツノシマクジラは、国内で生きた状態で目撃されたのはこれまでに4回しかないとのことです。

「日本で発見された新種で生息域が分かっていない」「ツノシマクジラなら日本海側北部にも生息するという貴重な資料になる」(国立科学博物館研究員)、「生態や生息域もほとんど分かっていない非常にめずらしいクジラ」「体長一〇メートル以内のミンククジラは富山湾でよく見られる」(富山市科学博物館専門官):

ツノシマクジラについては以下を参照してください:

関連記事

2018年7月20日金曜日

古生代の地層に ・・・


大学教授(地質学)のツイートから。

米国東部、ペンシルベニア州ミラーズビル(地図)にあるコネストーガ累層の露頭。石灰岩中に金属製の機械部品のようなものが含まれています。コネストーガ累層は古生代前期のカンブリア紀からオルドビス紀にかけて堆積した地層群です(各写真はクリックで拡大):

「機械部品」の正体は黄鉄鉱の結晶で、周囲の白い部分は方解石とのことです。文中の "euhedral" (自形型)は黄鉄鉱の形態を表す言葉で、他に "framboidal" タイプ(フランボイダル型)があります。前者は結晶面がよく発達したタイプ、後者は小さな球粒状のタイプ。両者とも石炭の生成に伴って地層中に形成される、とのことです(参考: 「黄鉄鉱の常温酸化溶解に関する実験地球化学的研究」)。


大きな亀裂見つかる ― イエローストーンの南


先週、米国・ワイオミング州にあるグランド・ティトン国立公園地図)で、岩壁に長さ約100mの亀裂が見つかりました。崩落の可能性があるため、周辺地区を立ち入り禁止にする緊急措置がとられています。亀裂は拡大しつつあるとのことです。グランド・ティトン国立公園はイエローストーン国立公園の南に位置しており、亀裂が見つかったのはイエローストーン火山から約100kmの地点です:

関連記事

2018年7月17日火曜日

ハワイ島: 「溶岩弾」で23人負傷 (続報)


7月17日付 <ハワイ島: 「溶岩弾」で23人負傷> の続報です。

「溶岩弾」(lava bomb)が直撃したときの観光船内の様子が写っている動画です。遠くから飛来した溶岩が運悪く船に当たったということではなく、船のかなり近くで海面からいきなり黒い煙が立ち上り、あとは乗客の悲鳴と混乱 ・・・

関連記事

ハワイ島: 「溶岩弾」で23人負傷


7月16日早朝(現地時間)、レイラニ・エステーツ内の8号亀裂から流れ出したキラウエア山の溶岩流が海に流れ込む地点に近づいていた観光船を「溶岩弾」(lava bomb)が直撃しました。「溶岩弾」は船の屋根を突き破り、乗船していた観光客や乗員少なくとも23人が負傷しました(重傷1人)。キラウエア山の今回の活動で、一度にこれほど多くの負傷者が出たのは初めてです:

USGSの地質学者の説明 ―― 溶岩が水に接触すると爆発的な反応を示すものだが、特に、溶岩が水中で表面だけ固まった外皮に覆われ、その外皮が破れた時には大きな水蒸気爆発が起こり、破片を数百メートルまで吹き飛ばすことがある。

今回の事故では、溶岩の流入地点から300mという規制範囲内に観光船が入っていたとする報道と、規制範囲外であったという報道があります。

[注] "lava bomb" をどう訳したらよいのか迷いました。火山弾は "volcanic bomb" ですので、それに習ってとりあえず「溶岩弾」としました。


関連記事

2018年7月16日月曜日

小惑星リュウグウの全体像


JAXA の小惑星探査機「はやぶさ2」が約40kmの距離から撮影した複数の画像を動画にしたものです。北極付近の白い巨岩が気になります:

関連記事

こんな着陸方法があったなんて


米国オレゴン州の最高峰にして、オレゴン富士とも呼ばれる成層火山・フッド山(標高 3429m、地図)。その頂上で自殺しようとした20代の男性が心変わり。救助に向かった同州の国家陸上警備隊(Army National Guard)の大型ヘリコプターが男性と6人の山岳救助隊員を収容したのですが、そのときの着陸(?)の仕方が話題になっています:

2018年7月15日日曜日

川で「爆発」現象 ― 米国マサチューセッツ州


6月26日、米国東部マサチューセッツ州の Gill(地図)に住む女性が、同州を北から南に流れるコネティカット川でカヤックに乗っていたところ、カヤックの前方約3mのところで、高さ約1mの水柱が40秒間ほどにわたって吹き上がるのを目撃しました。

女性は "an explosion in the water" と表現しています。水柱とともに黒いタール状の物質がまき散らされましたが、臭いはなく、熱くもなかったということです。水面に漂う物質をパドル(櫂)でつついてみると、粘土のような感触で、形は保っているものの岩のように堅くはなかったと女性は語っています。記事に掲載されている写真は、その後に撮ったものです:

この現象の原因について、記事ではコネチカット川の川底には断層が走っているという情報とともに、地質学の専門家(グリーンフィールド・コミュニティ・カレッジのリチャード・リトル名誉教授)の見解を載せています ―― 「非常に奇妙で、私はこのような現象を耳にしたことがない。おそらく、川底の地下に埋もれ分解した何らかの有機物が関係しているのだろう。」


関連記事

クラカタウ山の噴火 ― インドネシア


スマトラ島とジャワ島の間のスンダ海峡にあるクラカタウ山(アナク・クラカタウ山、地図)は6月18日から噴火を始めていますが、以下は7月12日に約50km離れた地点で記録された動画と音声です。窓ガラスが振動していると書かれているので、空振も発生しているようです:


関連記事

ハワイ島沖に「新島」誕生


7月13日、レイラニ・エステーツ内の8号亀裂から流出した大量の溶岩が海に流れ込んでいる地帯の沖に、直径6~9mほどの小さな島ができているのが見つかりました。海底に形成された溶岩チューブを通った溶岩が海底に積もって盛り上がり、海面に顔を出した、と考えられています(以下の写真は USGS-HVO のウェブサイトから):

関連記事

2018年7月14日土曜日

1999年に起きたこと


横綱・鶴竜が7月13日から休場したことで、大相撲七月場所(名古屋場所)は3横綱が不在という異常事態になっています。3横綱全員が休場するのは1999年三月場所(大阪場所)以来 19年ぶりとのこと:

「○○年以来」とか「○年ぶり」と書かれていると、その年にはどんなことがあったのか、無性に調べてみたくなります。

まず地震について。被害地震は発生していません。その他の自然災害は以下のとおり。水害が何度も発生しています:
  • 6月29日~30日 集中豪雨、死者12人、行方不明十数人。広島県で土砂崩れ多発。
  • 7月21日 東京都心で集中豪雨、新宿区の住宅街で死者1人。
  • 8月14日 関東地方で集中豪雨、14人死亡(玄倉川水難事故)。
  • 9月25日 台風通過に伴う高潮で熊本県不知火町で集落が水没、西日本で高潮被害が続出、全国で死者24人。愛知県で大規模竜巻、学校直撃で負傷者200人以上。

主な事件や事故は以下のとおりです:

参考資料: 「天変地異年表」、「1999年の日本」、『理科年表』(丸善株式会社)


関連記事

2018年7月13日金曜日

十勝岳で火山性地震や火山性微動が増加 (続報-2)


6月30日付「十勝岳で火山性地震や火山性微動が増加 (続報)」の続報です。

北海道の中央部にある十勝岳(地図)では5月29日以降、火山性地震の増加や火山性微動の発生が観測されていましたが、この一連の火山活動が一段落したようです。火山性微動も7月1日に発生した後は観測されていません。

気象庁が7月13日付で発表した「十勝岳の火山活動解説資料」(PDF形式)には今回の一連の活動についての気象庁の見解が書かれていますので、以下に引用します:
5月29日以降観測された一時的な火山性地震の増加や継続時間の短い火山性微動は、62-2火口周辺の浅いところで発生した現象と考えられます。2017年秋以降、62-2火口直下浅部の膨張を示唆すると考えられる地殻変動が停滞した可能性があり、62-2火口直下浅部に蓄積された火山性の流体(熱水や火山ガス)の一部が62-2火口や振子沢噴気孔群から噴煙・噴気として放出される現象が進んでいる可能性があります。その現象が短期的に強まったときに火山性地震の一時的な増加や継続時間の短い火山性微動を伴った、ということが今回の活動を解釈する際の可能性の1つとして考えられます。

5月29日以降の一連の活動の中で、火山性微動等の発生頻度や規模が次第に大きくなるといったことはなく、火口等の状況に特段の変化は認められないことから、現時点で火山活動が更に高まる様子は認められていません。

関連記事

巨大砂嵐 ― 米国アリゾナ州


7月9日夕方に米国アリゾナ州の南部で発生した大規模な砂嵐です:


関連記事

西之島が噴火


7月12日、西之島(地図)で小規模な噴火が発生しました。上空からの観測では、大きな噴石が火口から約400mまで飛散しているとのこと:

西之島では、昨年8月中旬以降、噴火が確認されず、地表面温度も低下、火山ガスの放出量も減少していました。今年6月20日に警戒区域が半径500mに縮小、海上警報が解除され、警戒レベルが「入山危険」から「火口周辺危険」に引き下げられたばかりでした。


関連記事

東京湾にクジラ (続報-4)


7月13日朝の目撃情報によると、クジラは荒川河口付近にいるようです(目撃位置)。どうしても北に向かいたい、でも陸地があって北に進めない、という状況でしょうか。東京湾外に誘導する方法はないのでしょうか:

関連記事

2018年7月12日木曜日

13日の金曜日、スーパームーン、部分日食


明日7月13日金曜日午前11時48分に月齢が0となり新月になります。それから約5時間半後の午後5時25分には、月が近地点を通過します。新月と近地点通過が時間的に接近して起きるので、いわゆるスーパームーンということになります:

同じ日の午前10時48分から午後1時14分にかけて部分日食が見られます。ただし、見ることができるのはオーストラリアと南極大陸の間の海域が中心で、陸地で見られるのはオーストラリア南端部やタスマニア島、ニュージーランドのスチュアート島などに限られます。人類のごく一部しか見ることができないわけです。この日食が見られる範囲は以下のGIF動画地図で確認できます:

今回の部分日食の時には、月が平均距離の 93% まで地球に接近しているので普段より大きい月が太陽の一部を隠します ―― "a super-size new moon blocking out part of the sun" 。

13日の金曜日に日食が起きるのは 1974年12月13日以来 44年ぶりとのことです(日本では時差の関係で14日土曜日)。その前後に大きな災害は発生していません。11月26日に当時の田中角栄首相が「金脈問題」で辞任、12月10日に佐藤栄作元首相がノルウェーのオスロでノーベル平和賞を受賞、日本全体としてはこの年GNPが対前年比 0.6%減で戦後初のマイナス成長を記録(参考資料: 東京学芸大学日本史研究室編『日本史年表』、東京堂出版)。


関連記事

2018年7月11日水曜日

千葉県東方沖: スロースリップが鈍化


6月16日付「千葉県東方沖: スロースリップの中心が南に移動、すべり量増大」の続報です。

6月初めごろから始まった千葉県の房総半島東方沖のスロースリップ(ゆっくり滑り)は、約1ヶ月間で最大23cm滑ったものの、6月下旬以降は滑りが鈍化しているとのことです。ただし、「過去に滑りが鈍化した後に大きな地震が来たこともある」、「終息したように見えてから一番大きな地震が起きた例もある」(政府地震調査委員会・平田直委員長):

関連記事

池の水が濃緑色から透明に ― 愛知県豊根村


7月9日、愛知県豊根村にある茶臼山高原の芹沼池(地図)で、池の水が濃緑色から透明に変化しました。同池は湧き水を水源とする人造湖ですが、通常は透明度がゼロに近いとのこと。「池の水が豪雨に押し出された形。長年勤務しているスタッフも『こんなことは初めて』と驚いています」(茶臼山高原協会):

茶臼山高原は、7月4日から8日にかけて豪雨に見舞われました。周辺の地勢にもよりますが、大量の雨水が池などに流れ込んだ場合は、含まれる泥などによって濁ることが多いのではないでしょうか。


関連記事

2018年7月10日火曜日

準惑星ケレスに謎の輝点 (続報-7)


冒頭の写真をご覧ください。まるでペンキをこぼしたように見えます。準惑星ケレスを周回している NASA の小惑星探査機ドーンが、ケレスの表面から 35km の高度で撮影した「謎の輝点」の一部です(これまでの最も低い高度は 385km でした):

白く輝いている物質は炭酸ナトリウム(炭酸ソーダ)と判明しています。この物質がなぜケレスの表面に広がっているのか、NASAの科学者は2つの可能性を考えています ―― 地下の浅いところにあるミネラル分を含んだ水の貯留層から、あるいは、もっと深いところにある鹹水(塩分に富んだ水)の源から、岩盤の裂け目を伝って上昇して来た。

ドーンの観測にもとづいて、準惑星ケレスにはかつて海洋があった可能性が指摘されています:

ドーンは2007年に打ち上げられ、2011年から12年にかけて小惑星ベスタを周回して観測した後、2015年にケレスに到達しました。以来3年にわたって観測を続けています。これまでで最も低い軌道(地表から35km)に達したのは6月6日で、これがドーンにとっての最後の軌道になるとのことです。ドーンは、小惑星帯に半永久的にとどまる史上初の人工物となることになっています。


関連記事

トバ湖で M5.2 ― インドネシア


7月9日12時40分(日本時間同日14時40分)、スマトラ島北部にあるトバ湖(地図)の地下で M5.2 の地震が発生しました(震央地図)。震源の深さは156km:

今回の地震は震源が深く、火山活動と直接の関係はないと考えられますが、トバ湖は世界最大のカルデラ湖で、長さ100km、幅30km。過去に3回の破局的・超巨大噴火を起こしています(84万年前、50万年前、7万4000年前)。

7万4000年前の噴火では、世界中に火山灰が降り積もり、インドやパキスタンでは 5~7cm、中国南部でも数cm堆積しています。大量の火山灰が大気中に滞留したために地球の平均気温が平均で 5℃ 低下、ホモ・エレクトスなどホモ・サピエンス(現生人類)の傍系は絶滅、ホモ・サピエンスも人口が激減し絶滅寸前まで追い詰められたといわれています:

関連記事

小惑星 2018 NW が月と地球に接近


Courtesy NASA/JPL-Caltech.
7月8日に発見された小惑星〝2018 NW〟が、発見当日に月と地球に接近していたことがわかりました。

この小惑星はアポロ群に分類され、直径は 7~16m と推定されています。直径の小さい小惑星ほど発見が遅れ、地球接近(最悪の場合は衝突)の直前、あるいは接近・通過後になる傾向があります。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2018 NW7~16  (月)7月8日 09:49
(地球)7月8日 12:12
0.64
0.32
(1LD=地球から月までの平均距離) 

この小惑星が最接近した時の地球との相対速度は非常に速く、秒速21.3km(時速約7万7000km)と計算されています。

このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


関連記事

小惑星 2018 NX が月と地球に接近


Courtesy NASA/JPL-Caltech.
7月8日に発見された小惑星〝2018 NX〟が、前日の7月7日に(日本時間では7日から8日にかけて)、月と地球に接近していたことがわかりました。

この小惑星はアテン群に分類され、直径は 8~17m と推定されています。直径の小さい小惑星ほど発見が遅れ、地球接近(最悪の場合は衝突)の直前、あるいは接近・通過後になる傾向があります。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2018 NX8~17  (月)7月7日 16:26
(地球)7月8日 03:12
0.59
0.30
(1LD=地球から月までの平均距離) 

この小惑星が最接近した時の地球との相対速度は非常に遅く、秒速4.2km(時速約1万5000km)と計算されています。

このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


関連記事

2018年7月8日日曜日

小惑星 2018 NM が月と地球に接近


【7月14日 最新の予報にもとづき、接近時刻を修正しました】

7月4日に発見された小惑星〝2018 NM〟が、7月17日に月と地球に接近します。

この小惑星はアポロ群に分類され、直径は 14~31m と推定されています。直径の小さい小惑星ほど発見が遅れ、地球接近(最悪の場合は衝突)の直前、あるいは接近・通過後になる傾向があります。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2018 NM14~31  (月)7月17日 12:34
 (月)7月17日 12:26
(地球)7月17日 14:38
(地球)7月17日 14:29
1.06

1.40
(1LD=地球から月までの平均距離) 

月への接近時刻には ±29分、地球への接近時刻には ±33分の誤差が見込まれています。

この小惑星が最接近した時の地球との相対速度は秒速6.7km(時速約2万4000km)と計算されています。

このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


関連記事

小惑星 2018 NL が月と地球に接近


7月3日に発見された小惑星〝2018 NL〟が、発見前の6月29日に月と地球に接近していたことがわかりました。

この小惑星はアポロ群に分類され、直径は 27~60m と推定されています。直径の小さい小惑星ほど発見が遅れ、地球接近(最悪の場合は衝突)の直前、あるいは接近・通過後になる傾向があります。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2018 NL27~60  (月)6月29日 02:43
(地球)6月29日 05:17
1.20
1.42
(1LD=地球から月までの平均距離) 

月への接近時刻には ±4分、地球への接近時刻には ±3分の誤差が見込まれています。

この小惑星が最接近した時の地球との相対速度は秒速8.4km(時速約3万km)と計算されています。

このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


関連記事

東京湾にクジラ (続報-2)


今朝は、昨日より少し南(地図)で目撃されています。このまま南下してくれれば良いのですが・・・

関連記事

2018年7月7日土曜日

栗駒山の異変と 2008年岩手・宮城内陸地震


2008年6月14日に発生した岩手・宮城内陸地震(M7.2、深さ8km、最大震度6強)は、活火山である栗駒山(地図)の北東約10kmが震源でした。栗駒山周辺で山体崩壊、土砂崩れ、河道閉塞など発生し、記録された地動加速度4022ガル(重力加速度の約4倍)は、世界最大の加速度として認定されています。

栗駒山は余震域内にあるのですが、地震発生のずいぶん前から火山活動に異変が生じていたようです。「地表の異常は地下の変化を表している」:

記事に書かれている栗駒山の異変をまとめると以下のとおりです:
  • 1990年以降、火山活動が活発化。火口湖の昭和湖(地図)が白濁。周辺の樹木が枯れる。

  • 2007年、昭和湖の水が突然透明になる。周辺の植生が回復。(マグマだまりの圧力が低下したために火山ガスの噴出が減ったことを示す。)

  • 2008年、地震発生。(マグマだまりからのガスや熱水が、湖や地上ではなく、活断層に流れて地震を誘発したと推定。)

上掲記事では「同様の地表現象は03年の宮城県連続地震でも観測されている」と書かれていますが、この「連続地震」がどの地震を指すのかはっきりしません。栗駒山から震源までの距離や震源の深さに難がありますが、次の2つの地震のことでしょうか。それとも後者の本震と余震のことでしょうか:
  • 2003年5月26日 三陸南地震(M7.1、深さ72km、最大震度6弱)
  • 2003年7月26日 宮城県北部の地震(M6.4、深さ12km、最大震度6強)

乳房雲出現 ― 東京都西部


7月5日、東京都の西部、多摩エリアの上空に乳房雲が出現しました:

米国などではよく現れるようで、インスタグラムなどでも時々写真を見かけます:

関連記事

イエローストーンの間欠泉が「異常」噴出 (続報-6)


現地時間7月6日午後、スティームボート間欠泉が3週間ぶりに噴出しました。

2014年9月3日を最後に長らく噴出が止まっていたスティームボート間欠泉が噴出を再開したのは今年3月15日。今回は再開後11回目の噴出です:

日付(現地時間) 間隔(日)
1 3月15日 1289
2 4月19日 35
3 4月27日 8
4 5月4日 7
5 5月13日 9
6 5月19日 6
7 5月27日 8
8 6月4日 8
9 6月11日 7
10 6月15日 4
11 7月6日 21


関連記事

東京湾にクジラ (続報)


6月中頃から東京湾で目撃されているザトウクジラとみられるクジラは、依然として東京湾内にとどまっているようです。日本列島沿いに北上する途上、黒潮大蛇行の影響で東京湾に迷い込んだとの推測があります。東京湾内は餌が豊富とはいえませんから、このままではいずれ衰弱して死んでしまうかも知れません:

今朝の目撃位置(地図)からすると、北に向かいたいのに陸地があって進めないという状況ではないでしょうか。


関連記事

2018年7月6日金曜日

住宅地にカモシカ ― 宮城県加美町


7月3日、宮城県加美町(地図)の住宅地にニホンカモシカ1頭が現れました。「鳴瀬川沿いに山から下りてきたとみられる」(宮城県北部地方振興事務所林業振興部):

6月7日には、加美町に隣接する同県大崎市(地図)の中心部にカモシカが現れたとのことです。


関連記事

小惑星 2018 NH が地球と月に接近


7月4日に発見された小惑星〝2018 NH〟が、発見前の7月3日に地球と月に接近していたことがわかりました。

この小惑星はアポロ群に分類され、直径は 33~73m と推定されています。直径の小さい小惑星ほど発見が遅れ、地球接近(最悪の場合は衝突)の直前、あるいは接近・通過後になる傾向があります。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2018 NH33~73 (地球)7月3日 02:31
 (月)7月3日 03:36
1.13
0.43
(1LD=地球から月までの平均距離) 

この小惑星が最接近した時の地球との相対速度は非常に速く、秒速22.2km(時速約8万km)と計算されています。

このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


関連記事

宏観異常情報の収集開始 ― 高知県 (続報-32)


高知県庁のウェブサイトに掲載されている宏観異常現象の報告受付件数のが、7月6日付で更新されています。昨年10月以降、すべての項目が0件という状況が続いていたのですが、6月分で「動物の異常行動」が1件報告されています:
普段、ナマズなどを見かけない用水路に、ナマズ1匹、コイ3匹が確認された。

関連記事

2018年7月5日木曜日

カブトムシ大量発生 ― 京都府綾部市


京都府綾部市にある里山交流研修センター(地図)の裏山でカブトムシが大量に発生しました。雑草が生えないように竹や木のチップを撒いたことが原因のようです。「4月末、職員が土手を覆うチップの層を崩すと、カブトムシの幼虫がごろごろと見つかり・・・」:

関連記事