5月5日、神奈川県鎌倉市から藤沢市にかけての海岸で、海が赤く染まる現象が確認されました。プランクトンの異常発生による赤潮とみられています:
- 広範囲で...江の島の海が真っ赤に (動画あり)
- 鎌倉の海が真っ赤に染まる 赤潮影響か? (写真あり)
鎌倉時代の歴史書『吾妻鏡』には鎌倉周辺での赤潮とみられる現象が2件記録されています:
- 嘉禄三年(1227)閏三月二十日 「腰越ノ海辺(赤?)クシテ血ノ如シ」
- 宝治元年(1247)三月十一日 「由比濱潮變色、赤而如血諸人群」
1247年のできごとは『北条九代記』にも「由比浜、血に変ず 付けたり 大魚死す 並びに 黄蝶の怪異」と題して記載されています:
三月十一日、由比浜の海面が血と変わって、潮の色が真っ赤になった。夕陽に照り映えてその赤いことといったらたとえようがない。皆が集まってこれを見た。(『北条九代記(中)』(増淵勝一訳、教育社新書<原本現代訳>2)から引用)
赤潮と地震の間に因果関係があるとは思えませんが、参考までに上記2件の前後に起きた天変地異を『天変地異年表』から引用します:
▼ 1227年
- 3月 7日 戌刻大地震。門扉築地倒壊多数、地割れ生ず。15日余震。24日祈祷。(吾妻鏡脱漏)
- 4月13日 戌刻、26日亥刻地震。29日祈祷。(吾妻鏡脱漏)
- 5月11日 未刻地震。(吾妻鏡脱漏)
- 8月13日 祈祷行われる。(吾妻鏡脱漏)
- 9月3日 丑刻大地震。9日祈祷。(吾妻鏡脱漏)
- 11月6日 酉刻大地震。15日、16日、24日祈祷。(吾妻鏡脱漏)
- 12月1日 戊刻地震。13日祈祷。(吾妻鏡脱漏)
- 12月10日 天変により改元。(一代要記85)
▼ 1247年
- 3月13日 地震あり。(百錬抄16)
- 6月5日 鎌倉と常陸に雪が降る(あるいは翌年か)。(本朝年代記26)
- 6月9日 地震あり。(編年記25)
- 6月10日 地震、19日にも地震あり。(百錬抄16)
- 10月28日 大地震。(吾妻鏡38)
- 11月26日 大地震。(吾妻鏡38)