2021年4月29日木曜日

近畿圏中心領域大型地震 (続報-233)

 
八ヶ岳南麓天文台の串田氏が 4月21日15:00付と 4月24日15:00付けで更新情報を出しています:

今回の更新情報の主題は、4月14日から観測され始めた PBF 前兆変動(Periodic Baseline Fluctuation、連続周期的な基線のうねり変動、典型的な地震前兆波形)と、それの継続時間にもとづく推定規模の上方修正です。
  • 高知観測点のK10観測装置にPBF前兆変動が出現。4月14日04時〜19日04時、19日12時〜20日16時、21日08時〜22日05時の合計 169時間。

  • K10観測装置には特異変動が継続出現しており、それに重なって PBF変動が出現。時間軸圧縮表示では基線が太くなっているが、時間軸を拡大して見ると PBF変動が明確に認められる。

  • PBF変動の継続時間から発生地震の規模が推定できる。PBFの出現継続時間計をPBF(h) 、発生地震規模 を Mとすると、次のような経験則がある —— Log PBF(h) = 0.5M -1.8

  • 今回の PBF出現継続時間合計 169時間を式に当てはめると、推定規模は M8.06 ±0.3。誤差を見込んで M8.0±0.3を推定規模に修正する必要があると考える。

  • K10 観測装置に影響を与えるFM放送局は函館 250W局。No.1778前兆以外の別地震の可能性は関連変動が少ないことから考えにくく、No.1778前兆と認識される。

  • No.1778前兆で は、2013年1月14日極大の八ヶ岳南麓の CH09 観測装置 に 140時間継続の PBFが観測されている。他に 7 回、PBF出現が観測され、平均値がM7.8であったため、 これまで No.1778の推定規模を M7.8 ±0.5としてきたが、今回の明確な K10-PBFから No.1778の推定規模を M8.0±0.3 に修正する。

  • 4月17.0日に一番周期が伸び、他の観測装置 にも 4月16〜17日に特異ピークがあるため、4月17.0日を極大と認識。

  • 前兆変動の関係見直しから、最も早い場合、6月26日〜28日ごろに対応地震発生の可能性がある。誤差を見込んで 6月28日 ±2日。

  • まだ確定ではなく、前兆終息が観測されるか確認が必要。 6月28日±2日 に発生の場合は 6月上旬までに前兆変動終息が観測されるはず。 観測を続け、続報する。

推定時期最も早い場合、6月27日または28日(誤差を見込んで 6月28日±2日)。6月上旬までに前兆終息が確認されることが条件。今後の観測で修正の可能性あり。
推定時刻 午前9時30分±1時間30分 または 午後5時±3時間
推定震央領域 長野県北部、群馬県、栃木県西部、新潟県南部など
浅間山・白根山など火山近傍の可能性が高い
続報 No.298」所載の地図参照
推定規模 M8.0 ± 0.3
推定地震種 震源が浅い陸域地殻内地震

 
 なお、4月18日に発生した宮城県沖 M5.8 (気象庁暫定値、資料)、最大震度4の地震について、3月20日に観測された前兆変動極大から、4月16日 ±5日に福島~岩手沖海域 M6.0 ±0.5 発生と推定し、事前に観測情報を配信、誤差なく推定は成功したとのことです。