2021年4月3日土曜日

ピナツボ山大噴火から30年

 
フィリピン・ルソン島西部の火山・ピナツボ山(地図)では、1991年3月中ごろから地震が続発していましたが、4月2日、山頂直下に長さ 1.5kmの亀裂ができ、水蒸気爆発が発生。その後も火山活動が続き、6月15日に大噴火が発生しました。噴煙が高さ 40km にまで噴き上がり、ルソン島のほぼ全域が火山灰に覆われました。さらに折から接近中の台風にともなう豪雨によって、大量の火山灰を含んだ火山泥流が発生しました。水分を含んで重くなった火山灰は救助や復旧を著しく困難にしました。

この大噴火の結果、当時フィリピンにあった 2つの米軍基地(ピナツボ山の東 40kmにあったクラーク空軍基地と南西 75kmにあったスービック海軍基地)にも甚大な被害があり、放棄されることになりました。この影響もあって、米軍はフィリピンから撤退。この直後から南沙諸島(スプラトリー諸島、地図)周辺で中国軍の活動が活発化し、島を占領して建造物を設置するなどの行動が現在まで続いています。

富士山が大規模な噴火を起こした場合も同様のことが起きるかも知れません。風向きにもよると思いますが、海軍の横須賀港や厚木基地、空軍の横田基地、陸軍のキャンプ座間(神奈川県)などは火山灰の影響を受けやすいのではないでしょうか。