2012年6月18日月曜日

X-37B 2号機が地球に帰還


6月16日、X-37Bの2号機がカリフォルニア州バンデンバーグ空軍基地に着陸しました。昨年3月に打ち上げられて以来、469日間(約15ヵ月)の軌道飛行でした:

以下はアメリカ空軍が公開した動画です。大気圏突入の際の高熱を残したまま滑走路に進入し、かなりの高速で滑走する様子が映っています:

空軍はX-37Bの目的について具体的には明らかにせず、材料や機器の性能をテストするための運搬手段であるとしています。そのため、その目的についてさまざまな憶測が出ています。その一つに、中国の宇宙開発、特にその宇宙ステーションの原型である「天宮1号」を監視するのが狙いであるとの説がありますが、「天宮1号」の軌道とX-37Bの軌道から考えて、その可能性はないというのが専門家の見方です。

奇しくも、X-37Bが地表に戻った6月16日に、中国は「神舟9号」を打ち上げています。女性1人を含む3人の宇宙飛行士が搭乗して「天宮1号」に向かい、自動や手動のドッキング実験をおこなうことになっています。「神舟9号」が打ち上げられたのが16日午後7時37分(日本時間)、X-37Bが着陸したのがその約2時間後の午後9時48分(日本時間)で、なにやら意味ありげです。きっと新たな憶測が出てくることでしょう:

今秋にはX-37Bの3度目の打ち上げが予定されています。これには、X-37Bの1号機が使われることになっています。

X-37Bの製造元であるボーイング社は、X-37Bより65%から80%大きいX-37Cの製造を計画しています。前者は無人ですが、後者は6人の人員を宇宙ステーションに送り届ける能力があるとのことです。


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