2009年2月25日水曜日

頭部が透明な魚

まず、下の写真を見てください。1939年に発見されたバレルアイ(barreleye、学名:Macropinna microstoma)と呼ばれる魚の写真です:
こんな奇妙な魚がいるとは、今まで知りませんでした。頭部が透明で、体の中が見えています。緑色をした2つのかたまりが眼です。バレルアイとは樽(バレル)のような形の眼(アイ)を意味しています。この写真では、体は水平ですが、眼は上を向いています。透明な頭部をとおして上方を見ています。とがった口の上に普通の眼のようなものがありますが、これは鼻に相当する器官です。
2枚目の写真では、体は下を向いていますが、眼は前方を見ています。

以下の記事の下部に、バレルアイが泳いでる姿の動画があります:
動画に撮影されたバレルアイは、カリフォルニア州沖の深さ 600~800m に棲んでいます。太陽の光がほとんど届かない暗黒の世界です。そのため、バレルアイは非常に高感度の眼を持っています。前方を見る以外に、透明な頭部をとおして上方を見ることができます。これは、自分より上方にいる獲物のシルエットを捕らえるための適応と考えられています。小魚やクラゲが主なエサです。ひとたび獲物を見つけると体を上方に向け急上昇、眼も体の前方に向いて獲物を捕捉します。