2009年2月11日水曜日

地震警報システムの限界

地震の初期の震動を捉えて地震の規模を推定し警報を出すシステムには、大地震の規模を過小評価してしまう原理的な限界があるという論文が、アメリカ地震学会の会報に掲載されています:
地震の早期警報システムは、地震の初期の震動から地震全体の規模が推定できるという前提にもとづいています。しかし、この前提が怪しいとしたら、警報システムの信頼性が揺らぎます。今回発表された研究では、小規模の地震の場合には地震計に届く初期の震動と地震全体の規模にはよい相関があるが、地震の規模が M6.5 を上回るとその相関がくずれ、地震全体の規模を過小評価してしまうことになる、とのことです。

日本の気象庁がおこなっている緊急地震速報にもこの論文の結果が当てはまるのか否か。私には判断がつきませんが、すこし心配です。

Credit: Courtesy National Park Service; Image source: Earth Science World Image Bank