2017年8月31日木曜日

NASA: イエローストーンに水を注入して破局的噴火を抑止 (その1)


英国 BBC のウェブサイトに8月17日付で掲載された、NASAの科学者へのインタビュー記事です。他のメディアも追随しています:

以下は BBC の記事を抜粋・テキトー訳したものです。インタビューを受けているのは、カリフォルニア工科大学にあるNASAのジェット推進研究所の Brian Wilcox 氏です:
「私はNASAの惑星防衛に関する諮問委員会のメンバーでした。同委員会は、小惑星や彗星から地球を守る方法を調査しています」、「その調査の過程で、スーパーボルケーノの脅威の方が、小惑星や彗星の脅威よりも格段に大きいという結論に達したのです」

地球上には20のスーパーボルケーノが知られており、平均して10万年に1回の頻度で大噴火を起こしている。それらの噴火がもたらす最大の脅威の一つに飢餓がある。長期におよぶ「火山の冬」によって、人類の文明は現在の人口を養うに足る食料を調達できなくなる。2012年の国連の推定では、世界の食糧備蓄は74日間で尽きるとされている。

NASAの科学者たちがこの問題に突き当たったとき、彼らが見いだした最も理に叶った解決方法は、単純にスーパーボルケーノを冷却することだった。イエローストーンのようなサイズの火山は基本的に巨大な熱発生器であり、工業用発電所6基分に相当する。現在のイエローストーンは、亀裂などを通してマグマ溜まりに染みこんだ水によって、地下から上昇してくる熱の60~70%を大気中に放出している。残りの熱はマグマの内部に蓄積され、次々に多くの揮発性ガスや周囲の岩盤を溶かし込むことを可能にしている。このようにして蓄積された熱が閾値に達すると、爆発的な噴火が不可避となる。

しかし、より多くの熱をマグマ溜まりから取り出すことができたならば、スーパーボルケーノが噴火することはなくなるだろう。マグマ溜まりからの熱の放散を今よりも35%増加させることができたならば、イエローストーンはもはや脅威ではなくなるとNASAでは試算している。唯一の疑問は、それをどうやって達成するかである。

続く