2017年8月20日日曜日

九寨溝地震を前日に予知していたインド人地震学者


8月8日に中国・四川省九寨溝で起きたM6.5の地震(震源の深さ9.0km、USGS資料)は、死者25人、行方不明6人、負傷者525人、観光客を含む被災者約17万人、家屋の被害約7万軒と伝えられています。この地震の発生を前日に予知していた地震学者がいた、とインドのニュースサイトが伝えています:

話題の主は、インド・プネ(地図)にある中央水力発電研究所の地震研究部門の元責任者で、現在は米国フロリダ州オーランドに本部がある国際地震・火山噴火予知センターの顧問地震学者である Arun Bapat 氏。以下に記事の主要部分を抜粋・テキトー訳します:
「私は毎日、インド気象局(IMD)のウェブサイトにアクセスし、さまざまな地質学、気象学、電離層、地震に関するデータを調べています。」

「8月7日の深夜、人工衛星が撮影した赤外線画像で中国から日本にかけて高温の領域があることに気付きました。5時間前の画像にはなかったものです。」

Bapat氏にはこれが中規模ないし大規模な地震の前兆であることが(これまでの経験から)わかった。同氏はただちに彼のグループに属する地震学者たちにメールで「18時間から24時間後までに地震が発生する」との警告を送った。

Bapat 氏はこれまでにも多くの地震を予知しています。予知の成功事例は記事に書かれていますのでそれを見ていただくとして、同氏が予知のよりどころとして監視している情報は以下のようなものです:
  • 人工衛星からの赤外線画像
  • 電離層の全電子数(TEC)
  • 長波放射(outgoing long wave radiation)
  • 地震電磁気効果(seismo-electromagnetic effect)

地震電磁気効果について Bapat氏は次のように述べています:
中規模や大規模な地震の発生前には、地下の震源付近の温度が上昇します。温度の上昇にともなって、その場所の地磁気が弱まっていきます。地磁気が弱まると電磁波の伝播や通信機器の受信状態に影響がでます。この影響は電話やテレビ受信機によって誰にでも観測できます。

地中の温度の上昇にともなって地磁気が弱まる現象は、火山の噴火予知にも利用されています。以下を参照してください: