2010年8月25日水曜日

東海3県で謎の「爆発音」 (続報)

8月 8日付 「東海3県で謎の『爆発音』」 の続報です。その後、地震観測ネットワークに記録された振動を解析した結果が、防災科学技術研究所(NIED)、続いて京都大学防災研究所(DPRI)から発表されています:

NIED の発表では 「火球が 45度以上の高角度で落下し, 琵琶湖付近の 20~30km上空で大部分が燃えつきた」、DPRI の発表では 「物体は伊勢湾から琵琶湖の方向(西北西)に向かって進行し、落下の角度は約 45度、落下時刻は 17時 2分すぎと推定されます」、「複数の衝撃が記録されており、隕石が分割したりして複数落ちてきた可能性も考えられます」 となっており、おおむね一致しています。

一方、日本流星研究会で火球を担当している司馬康生氏は日本火球ネットワークの掲示板で、DPRI の発表について次のように述べています (8月 13日 21時36分):
そのまま受け入れにくい内容です。

図は、末端爆発などの単点起源に従う同心円状の同時曲線に描かれている反面、説明は「物体が音速を超えて飛行した際に、・・・」となっています。この説明通りなら、双曲線状の同時曲線になります。何らかの誤りがあるかもしれない、と感じます。

私の現時点の推察は、伊勢湾北部上空から北西に飛行という点ではこの図に近いですが、消滅点はもっと北ではないか、と考えています。

日本火球ネットワークの管理人・下田力氏も NIED と DPRI の発表について同ネットワークの掲示板で次のように述べています (8月19日 13時52分):
それぞれ地震計に記録された振動から経路の推定を行った結果が出されていますが、衝撃波の到達を捕らえたものか、爆発の振動を捕らえたものかの解釈が不明で、十分な結果だとは思っていません。

日本火球ネットワークにはこの火球を撮影した写真が大阪、京都、三重などから寄せられ、解析が進められているそうです。それらの写真をもとにして火球の飛行コースが精度よく割り出されれば、場合によっては落下した隕石の回収も実現するかも知れません。

以下は、この火球の残した隕石雲(流星痕)の写真です。三重県志摩市で撮影されたとのことです:

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