2009年9月1日火曜日

2機の探査機に相次いで障害発生

人類が宇宙に送り出している探査機に相次いで障害が発生しました。

8月 26日、アメリカが火星の周回軌道に送り込んでいる「マーズ・リコネッサンス・オービター」(MRO)が、探査機内部の不具合からセーフ・モード(最小限の機能だけを遂行するモード)に陥りました。NASA では原因の解析と復旧を進めています:
中国の「嫦娥 1号」が 3月に、日本の「かぐや」が 6月に月面に落下した後も月の観測を続けていたインドの「チャンドラヤーン 1号」が、8月 29日に通信途絶状態になりました。2年間という観測予定期間の半分にも達していませんが、インド宇宙研究機関(ISRO)は同機による月探査の継続を断念すると発表しました:
現時点で生き残っている月探査機は、アメリカの「ルナー・リコネッサンス・オービター」(LRO)と「ルナー・クレーター・オブザービング・アンド・センシング・サテライト」(LCROSS)です。

Artist's rendering of the LCROSS spacecraft and Centaur separation. Credit: NASA

LCROSS は、分離した衝突体を月の南極付近に衝突させ、その衝突によって月面から舞い上がったチリの雲の中を突っ切って月の地質、特に水の有無を調べることになっています。衝突は 今年 10月 9日に予定されています。現在、LCROSS には軌道変更用燃料の異常な減少が見つかっており、NASA はこれ以上の燃料減少を防止するソフトウェアを LCROSS にアップロードしています。

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