2009年3月14日土曜日

冥王星は惑星だ!

昨日 3月 13日で、冥王星の発見が発表されてから 79周年になります。ご存知のように、冥王星は 2006年 8月に開かれた国際天文学連合(IAU)の総会で、惑星から準惑星(dwarf planet)に格下げされています。アメリカ人が発見した唯一の「惑星」であったためか、アメリカではこの格下げに対していまだに不満がくすぶっています。冥王星の発見者、クライド・トンボー博士はイリノイ州出身ですが、先ごろイリノイ州議会上院が「冥王星は惑星だ!」という内容の決議案を可決しています:
法律関係の英文なので和訳しにくいですが、以下は上記決議案の抄訳です:
冥王星の発見者、クライド・トンボーがイリノイ州ストリーター近郊の農家で誕生したが故に、

トンボー博士が、アリゾナ州フラグスタッフの名誉あるローウェル天文台で研究に従事していたが故に、

トンボー博士が、1930年に冥王星の存在を初めて検出したが故に、

トンボー博士が、現時点で、惑星を発見したただ一人のイリノイ州出身者であり、かつ、ただ一人のアメリカ人であるが故に、

75年以上にわたって、冥王星が太陽系第 9 惑星と認められてきたが故に、

(中略)

国際天文学連合の 1万人の科学者のうちのわずか 4 パーセントが参加した投票において、冥王星が不当にも「準」惑星に格下げされたが故に、

多くの尊敬するに足る天文学者たちが、冥王星は完全なる惑星の地位を回復されるべきだと考えているが故に、

イリノイ州議会上院第 96 次一般総会は、次のように決議する:

冥王星がイリノイの夜空を通過するとき、冥王星は完全なる惑星の地位を確立するものとする。加えて、1930 年に冥王星の発見が発表された日付を記念して、2009 年 3 月 13 日を、イリノイ州内において「冥王星の日」と宣言する。
どこの国でも議会というところは、くだらないことに時間を費やすものです。ちなみに、バラク・オバマ大統領は 2004年 1月まで、このイリノイ州議会上院の議員をつとめていました。

冥王星の格下げに関連して私が見たアメリカ人のブログには、冥王星が準惑星になったことによってアメリカ人が発見した惑星が 0個になってしまったと嘆く人に対して、「気にするな、アメリカ人は 100個以上の太陽系外惑星を発見しているじゃないか」と慰めているものや、「準惑星という分類が気にくわないんだったら、犬のお仲間ということにしておけばいい」と突き放すものがありました。後者は、冥王星の英語名称「Pluto」が、ディズニー・アニメに登場する犬の名前と同じことが背景にあります。