2025年8月3日日曜日

カムチャツカ半島 M8.8:2つ目の火山が噴火

 
7月30日に M8.8 の地震が発生したカムチャツカ半島では、同日、クリュチェフスカヤ山(地図)が噴火し、大地震との関連が指摘されていましたが、8月3日、クラシェニンニコフ山(地図)が約600年ぶりに噴火しました。やはり大地震との関連が指摘されています:
 
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小惑星 2025 PC が月と地球に接近・通過

 
小惑星〝2025 PC〟が 7月31日に月と地球の近くを通過していたことが、NASA/JPL による 8月1日付のデータベース更新で明らかになりました。
 
2025 PC (2025年8月1日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)7月31日 20:03
 (地球)7月31日 22:18
接近日時 誤差
(月)± 1 分
(地球)± < 1 分
接近距離 (月)0.79 LD
(地球)0.29 LD
推定直径
4 ~ 8 m
対地球相対速度
9.5 km/s ≅ 3万4000 km/h
初観測から地球接近まで−1 日
次の地球接近2032年7月3日ごろ
公転周期395 日 ≅ 1.08 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2025年8月2日土曜日

カムチャツカ半島 M8.8:震源近くに原潜基地 (続報)

 
 
ロシア極東の原子力潜水艦基地は同国太平洋沿岸を襲った津波によって被害を受けた模様です。
 
「(衛星画像によると)基地の桟橋の一部が本来の位置から曲がっている様子が確認できる。津波の衝撃で係留装置から外れた可能性が高い」、「潜水艦が係留されていた様子は見られず、専門家は構造物への被害だけで軍事的な影響は小さいと述べている」、「桟橋に停泊していたのは潜水艦ではなく水上艦だったようだ」、「潜水艦隊に損傷の兆候は見られない」:
 
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イエローストーンの間欠泉が「異常」噴出 (続報-176)

 
米国イエローストーン国立公園の 7月の状況です。
 
7月にはスティームボート間欠泉(地図)の噴出はありませんでした。2025年にはこれまでに2回の噴出が発生しています。2018年に始まった頻繁な噴出活動は終息に向かっているとみられています。
 
日付(現地時間) 間隔(日)
1
2月3日 72
2 4月14日 70
 
  
7月の地震活動は通常のレベルでした。52件の地震が観測され、最大は 7月30日に発生した M2.8 でした。群発地震の発生はありませんでした。
 
イエローストーン・カルデラでは、毎年夏季に見られる沈下の停滞(またはわずかな隆起)が観測されています。これは、雪解け水や地下水の季節変化によって引き起こされるものです。5月下旬以降、カルデラは約 1cm 隆起しています。
 
ビスケット盆地(地図)のブラック・ダイヤモンド・プール(昨夏の熱水爆発の現場)では 7月3日と 7月14日に小規模な噴出が発生しました。 
 
 
 

2025年8月1日金曜日

第3の恒星間飛翔体が太陽系に進入 (続報-3)

 
 
ハーバード大学の理論物理学者で宇宙物理学と宇宙論を専門とするアヴィ・ローブ(Avi Loeb)博士が、自身が筆頭著者として発表した論文について解説している記事です: 
 
 
 
以下は記事の概略です ——
 
この新たな恒星間侵入天体の軌道は、いくつかの特異な特徴を示している。
 
3I/ATLAS の軌道面は、地球の軌道面(いわゆる黄道面)から5度以内にある。あらゆるランダムな方向からこの一致が見られる確率は 0.2% である。
 
3I/ATLAS は、金星(0.65au、1au は地球と太陽の距離)、火星(0.19au)、木星(0.36au)に異常に接近するようになっている。
 
3I/ATLAS は、地球に対して太陽の反対側で近日点を通過する。これは、天体が最も明るいとき、および(太陽によって)隠れた場所からなんらかの機器を地球に送るとき、地球上の望遠鏡による詳細な観測を回避するための意図的なものである可能性がある。
 
近日点速度68km/秒での逆行軌道は、地球が太陽の周りを秒速30kmで周回する方向と逆方向であり、地球と 3I/ATLAS の速度差は秒速98kmになる。したがって、地球人が化学燃料ロケットに乗って 3I/ATLAS に最接近着陸することは現実的ではない。なぜなら、現在利用可能な最先端ロケットでさえ、その速度の3分の1程度にしか達しないからである。
 
3I/ATLAS が太陽系からの脱出を達成するために加速する場合と、高速から減速して太陽に束縛されたまま地球のような惑星に接近する場合の両方で、最適な地点は近日点である(オーベルト効果)。 3I/ATLAS にとってこの最適な地点は、太陽によって地球人の視界から隠されている。
 
3I/ATLAS は、明るい天の川銀河中心の方向から飛来した。背景の星々が密集していたため、2025年7月以前は検出が困難であった。もし天文学者が 3I/ATLAS を 1年以上早く検出していたなら、その進路上で 3I/ATLAS に接近したり迎撃したりできる宇宙船を打ち上げる機会があった。しかし、今となっては、化学燃料ロケットではそのような接近・迎撃は不可能である。
 
3I/ATLAS から金星、火星、または木星に向けて機器を打ち出すために必要な速度は毎秒 5km 未満であり、大陸間弾道ミサイルでも達成可能である。
 
3I/ATLAS の軌道が黄道面とほぼ一致することは、宇宙船が比較的安全に地球にアクセスできるため、地球外知的生命体に様々な利点をもたらす。地球の観測者にとって近日点における 3I/ATLAS が太陽に隠されることは、宇宙船が秘密裏に加速や減速を実行することを可能にする。これは、星間宇宙船が減速して太陽系にとどまるための最適な戦略である。最適な地球への到着は、2025年11月下旬または12月上旬となる。

論文は、3I/ATLAS が技術的人工物であるという、注目すべき、しかし検証可能な仮説に基づいている。私と共著者 2名は必ずしもこの仮説を支持しているわけではない。
 
もしこの人工物であるとする仮説が正しいとすれば、2つの可能性が考えられる。1つは、3I/ATLAS の意図が全く善意によるものである場合、もう1つは悪意によるものである場合である。前者の場合、人類は何もする必要はなく、この恒星間メッセンジャーの到来を両手を広げて待つだけだ。深刻な懸念を抱くのは後者である。
 
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