クリスマス・ツリーの天辺に飾り付けられる「星」は、ユダヤのベツレヘムの空に出現して、東方の三博士(三賢者)に救世主(ユダヤの王、キリスト)の誕生を知らせ、その誕生場所を指し示したとされる「ベツレヘムの星」を表しています。
この星が何であったのかについては、超新星や新星、惑星の会合(接近)、彗星、UFO、などなど諸説あります。彗星は古来、洋の東西を問わず不吉の前兆と見なされることが多かったので可能性は低いと思いますが、他の説も難点があり万人を納得させるには至っていません。
わたしは最近、地球の近くを低速で通過した小惑星の可能性があるのではないか、と思うようになりました。というのは、2029年4月に直径 300m 超の小惑星アポフィスが地球と月の間の距離の約 10分の1 のところを通過する際には 3.3等級の明るさになり、天体望遠鏡や双眼鏡がなくても肉眼で確認できると予想されているからです。もう少し大きいか、反射率の高い小惑星が地球のそばを通過すれば、ベツレヘムの星のように見える可能性があるのではないでしょうか。
東方の三博士による礼拝の物語では、星は移動していたとされています ——
キリストがベツレヘムで誕生した直後、東の国で誰も見たことがない星が西の空に見えた。東方の三博士(カスパール、メルヒオール(メルキオールとも)、バルタザール)は、ユダヤ人の王が生まれた事を知り、その星に向かって旅を始めた。[中略]博士たちは星に導かれてさらにベツレヘムへの道を進み、星が止まった真下に、母マリアに抱かれたイエスを見出して、彼に敬意を払って礼拝し、高価な珍しい贈り物を捧げた。(Wikipedia より)
以下は映画『ベン・ハー』に描かれた三博士礼拝のシーンです。上記の物語を忠実に映像化しています。背後に流れるミクロス・ローザ作曲の美しいメロディは、わたしが好きな映画音楽の一つです:
- Star of Bethlehem/Adoration of the Magi from “Ben Hur” (YouTube 動画)
- Star of Bethlehem from Ben Hur - virtual orchestration (YouTube 動画)
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