2011年2月13日日曜日

バレンタイン・デーの邂逅


NASA の探査機スターダストがアメリカ東部標準時 2月 14日 午後 11時 37分(日本時間 15日 午後 1時 37分)にテンペル第 1彗星に最接近します:

スターダスト探査機は 1999年に打ち上げられ、2002年に小惑星アンネフランクに 3300km まで接近、2004年にヴィルト第 2彗星の尾の中に突入して彗星の粒子を捕集しました。捕集した粒子を入れたカプセルは切り離され、2006年に地球に帰還しています。探査機本体は、延長ミッションとしてテンペル第 1彗星への接近軌道に投入されました。

テンペル第 1彗星には 2005年に NASA のディープ・インパクト探査機が接近し、重さ約 0.4トンの合金製衝突体を同彗星の中心核に衝突させて内部構造を調査しています。この衝突によって中心核の表面に形成されたクレーターがその後どのように変化しているかが、今回のスターダスト探査機の接近調査でもっとも興味をそそられる点です。テンペル第 1彗星はこのクレーターの形成以降、太陽の周りを 1回公転しています。太陽への接近などによってどのような変化が中心核の表面地形に生じているのでしょうか。一つ心配なことは、今回スターダスト探査機が接近するときに、クレーターのある面が探査機側に向いている保証はないという点です。

スターダスト探査機は打ち上げ以降 12年が経過し、総飛行距離は 60億km に達しています。14日の彗星への接近と、その後におこなわれる観測データを地球に送るための姿勢変更でわずかに残っている燃料を使い切り、12年間の使命を終えることになります。ちなみに、日本の小惑星探査機「はやぶさ」は 7年間、60億km でした。


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