2008年12月13日土曜日

アルメニアとバルカン半島で大地震のうわさ

アルメニアで大地震のうわさが広がり、地震防災当局の責任者が否定の記者会見をする騒ぎになっています。以下は、アルメニアのニュースサイトに掲載された記事です:
アルメニアは、カフカス山脈の南にあり、北はグルジア、東はアゼルバイジャン、南はイランとアゼルバイジャンの飛び地、西はトルコに囲まれた小国です。20年前の1988年12月7日に死者2万5000人を出したスピタク地震(M6.8)がおきています。

今回のうわさの発端は、アルメニア科学アカデミーの「専門家」がテレビに出演して、自分たちが運用しているラドン・ガス測定ステーション(複数)の計測結果では、ラドン・ガスの濃度が通常よりも高まっている、これは地震の前兆と考えられる、と発言したことでした。おりしも、スピタク地震から20周年ということで地震に対する関心が高まっていたことも、うわさの広がりを加速したようです。

NSSP(National Survey for Seismic Protection of Armenia アルメニア地震防災国家調査局(?))のトップが記者会見を開いて、うわさを否定しました。その内容は上記の記事によると ―― NSSPは全国に150の観測拠点をもち、40のパラメーターを常時観測、地震の危険を評価している。ラドンガスについても、20ヵ所以上で測定しているが異常はない。いかなる国も地震の発生場所と日時を予知することはできない ―― というものです。

アルメニアでは毎年この時期になると、スピタク地震の記憶がよみがえり、地震に対する警戒感が高まるようです。日本でも、毎年9月1日の「防災の日」が近づくと、関東大震災との関連で週刊誌が地震に関する特集記事をのせ、大地震のうわさが流れることがあります。これと似た心情なのかも知れません。

上の2番目の記事では、記事の筆者が自分の実体験として、スピタク地震当日は非常に濃い霧が立ちこめていたと書いています。いわゆる「地震霧」かとも思いましたが、アルメニアでは毎年この時期には濃霧が多いとのことです。

一方、バルカン半島でもマグニチュード7級の大地震がおこるとのうわさが流れているようです。下記は、ブルガリアのニュースサイトに掲載された記事です:
地図はスピタク地震の震央を示しています。
Map: courtesy of the U.S. Geological Survey