2月15日、ロシア上空で隕石が爆発し多数の負傷者が出る事件がありました。その1時間後には、直径約45mの小惑星〝2012 DA14〟が静止衛星の軌道の内側を通り抜けるという記録的大接近をしました。地球という惑星のおかれている危うい状況 ―― 大気という薄衣(うすぎぬ)をまとっただけで砲弾飛び交う戦場を駆け抜けている ―― を実感させられた1日でした。
3月19日、アメリカの連邦議会下院科学委員会が開いた聴聞会で ――
ビル・ポージィ議員(フロリダ州選出、共和党): もし、地球との衝突コースに乗っている大きな小惑星が今日発見され、衝突まで3週間しかないとわかった場合、NASAはどのような対応をとるのですか?
チャールズ・ボールデン NASA長官: 議員へのお答えですが、もし衝突まで3週間しかないとしたら、NASAにできるのは祈りなさい(神に祈りを捧げて救いを求めなさい)とアドバイスすることだけです。NASAが3週間ではなすすべがないのは、(予算不足のせいで対策を講じるのを)これまで何十年にもわたって先送りしてきたからです。
詳しくは以下の記事を参照してください:
- Large asteroid heading to Earth? Pray, says NASA
- Asteroid headed toward Earth? 'Pray,' NASA advises
- Asteroid Threat Collides with Earthly Budget Realities in Congress
以下は、上記『ロイター』の記事から抜粋・翻訳したものです:
NASAは、地球に接近する直径1km以上の天体の95%をこれまでに発見し、監視している。ホワイトハウスの科学アドバイザーであるジョン・ホルドレン氏は、「1kmかそれを上まわるサイズの小惑星は人類の文明を滅亡させる可能性がある」と、同じ聴聞会で証言している。
その一方で、一つの都市を消滅させる可能性があるため〝シティ・キラー〟と呼ばれる直径50m前後の小惑星は総数1万個と推定されているが、その約10%しか見つかっていない。このサイズの天体は、平均して約1000年に1度の頻度で地球に衝突すると推定されている。
〝シティ・キラー〟が地球に衝突する頻度は約1000年に1度とされていますが、1000年に1度といわれる巨大地震を経験したばかりのわれわれは、それをどのように捉えたらよいのでしょうか。
以下は、小惑星の衝突によってどんなことが起きるのかを示した動画です。「地殻津波」と「岩石蒸気」がキーワードです:
以下の動画は、上の動画を見た後でご覧ください:
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