2014年8月13日水曜日

ウスエイ捕獲 ― 神奈川県二宮町


8月7日、神奈川県二宮町(地図)沖の定置網にウスエイがかかりました。Wikipedia には「細かい堆積物に覆われた深度275-680mの上部大陸斜面に生息」とあるので、深海魚です。「どうしていつもは冷たい深海の底にいる魚が、この猛暑極まる相模湾沿岸に浮上してきたか謎は深まるばかりである。ましてやこの暑い時期にこんな魚が獲れる事は、非常に珍しいと言わざるを得ない」(小田原魚市場ブログ):

以下の論文には、相模湾でのウスエイの捕獲事例3件が記載されています。2010年2月9日(千葉県館山市)、2011年1月12日(神奈川県小田原市)、2012年1月24日(神奈川県小田原市)。いずれも寒い時期に捕獲されています:

参考までに、上記論文に記載されているウスエイの捕獲事例後に関東地方やその周辺で起きた主な地震を表にまとめてみました:

ウスエイ
捕獲日
主な地震
10年2月9日 3月16日 千葉県北西部 M4.5 D70km
3月31日 茨城県沖 M4.6 D55km
11年1月12日 1月13日 小笠原諸島西方沖 M6.3 D520km
1月31日 伊豆大島近海 M4.2 D10km
2月05日 千葉県南東沖 M5.2 D65km
2月26日 房総半島南方沖 M5.0 D55km
3月11日 東北地方太平洋沖地震 M9.0
12年1月24日 1月28日 山梨県東部・富士五湖 M5.4 D20km
2月11日 千葉県北西部(茨城県南部) M4.7 D45km
2月14日 茨城県沖 M6.0
2月18日 東京湾(千葉県北西部) M4.2 ごく浅い
2月19日 茨城県北西部 M5.2 D5km
2月29日 小笠原諸島西方沖 M6.0 D500km
2月29日 千葉県東方沖 M5.9


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2014年8月11日月曜日

台風11号


昨日午後3時の天気図です:

天気図 平成26年8月10日15時 (気象庁ウェブサイトより)

この天気図を以下のページに載っている天気図関東大震災の約6時間前の気圧配置)と比較してみてください。似ているような、いないような ・・・

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異形の彗星 ― ロゼッタ探査機が撮影 (続報-4)


8月5日付「異形の彗星 ― ロゼッタ探査機が撮影 (続報-3)」の続報です。

8月6日、ロゼッタ探査機は67P/チュリュモフ-ゲラシメンコ彗星の軌道に到達しました。打ち上げ以来、10年5ヶ月。飛行距離は約64億km。この間、故障らしい故障は発生していません。日本の小惑星探査機「はやぶさ」は地球帰還まで7年1ヶ月。総飛行距離は約60億km。故障続きで満身創痍の状態でした。日本の宇宙技術は欧米に比べると、自慢できるようなものではないのかも知れません。

ロゼッタが撮影した67P/チュリュモフ-ゲラシメンコ彗星の画像が続々と公開されています:

上の写真を見て、少しも彗星らしくないと思われるかも知れません。カメラの露出時間を長めにし適切なフィルターを使用すると、彗星の核から噴出したガスや塵が見えてきます。下の写真をご覧ください。特にくびれの部分からガスや塵が噴出しているようです。67P/チュリュモフ-ゲラシメンコ彗星は、これから徐々に太陽に近づきますので、彗星がどのように変化するのか興味津々です。くびれの部分から彗星核が分裂するようすや、尾の断裂を間近で見ることができるかも知れません:

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2014年8月10日日曜日

今夜、エクストリーム・スーパームーン


7月12日付「3連続スーパームーン」の続報です。

今夜(精確には明日11日午前3時過ぎ)、空が晴れていればエクストリーム・スーパームーンが見られます。3連続スーパームーンの2番目です:

現在の天気予報では、11日午前3時ごろには台風11号は日本海中央部に抜けている見込みなので、西日本や東日本ではふだんより一回り大きな満月が見られるかも知れません。


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口永良部島で噴火 ― 鹿児島県屋久島町 (続報-3)


8月7日付「口永良部島で噴火 ― 鹿児島県屋久島町 (続報-2)」の続報です。

口永良部島(地図)の噴火について検討するために8月8日に開かれた火山噴火予知連絡会拡大幹事会の見解が、気象庁のウェブサイトに掲載されています。「噴火の約1時間前から山頂近傍の観測点で山頂側が隆起する変化が捉えられました。噴火直後には山頂側が沈降する変化が認められました」、「火山性地震が増減を繰り返す中で明確な前兆がないまま噴火が発生しました」:

以下は添付されている参考資料です。多数の観測データのグラフや写真が載っています。ファイルサイズが大きいせいなのか、私のPCの Chrome ブラウザーではスクロールに時間がかかります。Firefox ブラウザー(Adobe PDF Plug-In For Firefox and Netscape 10.1.10)ではスムーズに閲覧できます:

以下は、鹿児島県の川内原子力発電所再稼働についての記事ですが、今回の口永良部島の噴火についての言及があります。「2011年の霧島新燃岳の噴火のように、地震などの前兆がなかったため、予知すらできないうちに噴火が起きることもしばしばある。この8月3日に発生した口之永良部島の噴火でも、けが人もなかったものの、前兆がほとんどないままに噴火と同時に火砕流が発生した」:

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2014年8月9日土曜日

蔵王山で火山性微動、火山性地震増加、傾斜計にも変化 ― 宮城県 (続報-12)


1月7日付「蔵王山で火山性微動、火山性地震増加、傾斜計にも変化 ― 宮城県 (続報-11)」の続報です。

8月6日、蔵王山(地図)で火山性微動が発生、その後、浅い震源の火山性地震が増加しました。微動発生にともなって、傾斜計でも地殻変動が観測されました。以下は、気象庁が8月8日に発表した「平成26年 No.32 週間火山概況 (平成26年8月1日~8月7日)」からの引用です:
6日22時41分頃に火山性微動が発生しました。坊平観測点での継続時間は約8分で最大振幅(上下動)は2.4μm/sです。火山性微動が観測されたのは1月3日以来です。

微動発生後、御釜直下付近の浅いところが震源と推定される火山性地震がやや多い状況となり、7日にかけて55回発生しました。今回観測された地震は全て低周波地震です。この地震活動は8日になって減少傾向となっています。

微動の発生に伴って傾斜計では、微小な変化がみられましたが、このような変化はこれまでもみられています。

蔵王山で観測以来初めてとなる火山性微動が昨年1月22日に発生してからの推移を以下にまとめました:

月日 事象
2013年
1月22日
火山性微動、観測開始(2010年9月1日)以来はじめて
1月27日 火山性微動
4月5日 低周波地震が一時的に連続して発生
4月5日
~11日
東北大学・蔵王観測点の傾斜計に変化
4月7日 坊平観測点の傾斜計で南東方向(山頂の南側)が上がるような変化、火山性微動(継続時間 3分20秒)
4月9日 火山性微動(継続時間 4分20秒)
4月21日 坊平観測点の傾斜計で南東方向(山頂の南側)が上がるような変化、火山性微動(継続時間 5分40秒)、低周波地震が一時的に連続して発生
6月4日 火山性微動(継続時間 2分20秒)
7月17日 火山性微動(継続時間 3分10秒)
7月18日 坊平観測点と東北大学・蔵王観測点の傾斜計に変化、火山性微動(継続時間 3分10秒)
7月31日 火山性微動(継続時間 5分40秒)
10月19日 坊平観測点の傾斜計に変化、火山性微動(継続時間 16分57秒)
10月23日 火山性微動(継続時間 1分30秒)、直後に計測基準未満の火山性微動も。その後、23日05時ごろから24日08時ごろにかけて火山性地震がやや多い状況
11月1日 坊平観測点の傾斜計に変化、火山性微動(継続時間 2分30秒)。火山性微動の発生後に微小な火山性地震。10月下旬以降、火山性地震がやや多い状況。
12月4日 火山性微動(継続時間 3分40秒)。微動発生前後に低周波地震が4回発生。火山性地震もやや増加。
12月8日 坊平観測点および蔵王観測点で傾斜変動、直後に火山性微動(継続時間 8分)。火山性地震はやや増加した状態で推移。
2014年
1月3日
火山性微動(継続時間 1分)。微動発生後に火山性地震が4回発生。
8月6日 火山性微動(継続時間 8分)。微動発生後、御釜直下付近の浅いところを推定震源とする火山性地震がやや多い状況。全て低周波地震。7日にかけて55回発生、8日になって減少傾向。微動発生に伴って傾斜計に微小な変化。


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近畿圏中心領域大型地震 (続報-37)


6月28日付「近畿圏中心領域大型地震 (続報-36)」の続報です。

八ヶ岳南麓天文台の串田氏が更新情報を8月8日付で出しています:

キー・メッセージは ―― 8月8日午後現在、前兆は終息していない。したがって、11月8日以前に対応する地震が発生する可能性は否定できる ―― です:
  • 前回の更新情報では、「8月7日前後に前兆が終息し、静穏期に入る見込み。その場合、地震発生の最も早い推定時期は11月8日前後」としていたが、8月8日午後現在、前兆は終息していない。

  • 前兆初現が若干遅く現れていることもありうるので、8月17日前後までに前兆が終息する可能性が残っている。

  • 現状では、少なくとも11月8日以前に地震が発生する可能性は否定できる。

  • 他の前兆との混交を考慮すると、東北圏(福島県、栃木県北部、新潟県中部にまたがる領域、上記更新情報所載の地図参照)に対応震源がある可能性もあるが、つじつまの合わない観測データもあり、やはり近畿圏の可能性が高い。

  • 2008年7月から続いている前兆群は、最も顕著な時期には30台以上の観測装置に異常が見られたが、現在は4台の観測装置のみに減少。極めて弱くなっていることは確か。

  • M7前後以上の規模の地震前兆は、現在、この近畿圏のものを含めて2つのみ(1つは会員限定)。

  • 関東、東海、東南海、南海等の巨大地震を示唆する前兆は観測されていない。

  • 富士山の噴火前兆も観測されていない。

各観測装置の現状は以下のとおりです。[]内は前回の更新情報のものです:

観測装置 前兆の現状
CH16 [特異状態継続中]→ 特異状態継続中。8月8日、変動幅が急激に縮小。これまでは500mVのレンジでも振り切れるほどだったが、20mVのレンジで記録可能に。基線電圧値も正常値に近づいた。
CH17 [ほぼ静穏状態維持]→ 特異状態継続中
CH20 [断続的に特異出現だが、静穏基線維持]→ 終息
CH21 [特異状態継続中(ただし、基線幅を持った変動で、糸状態特異ではない)]→ 特異状態継続中
CH23 [特異状態継続中]→ 特異状態継続中


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2014年8月7日木曜日

シャチの襲撃で日本人16人が死亡?


ロシアの声』が8月6日付で報じた記事です。「ガス爆発を恐れた船員らが船を離れようと海に飛び込んだところ、シャチがこれに襲い掛かった」:

以下は、〝worldnewsdailyreport.com〟に掲載されたおおもとの記事です:

〝worldnewsdailyreport.com〟の Disclaimer (免責事項)のページを見ると、〝All news articles contained within worldnewsdailyreport.com are fiction, and presumably fake news〟と書かれています。日本で言えば『虚構新聞』に相当するようなサイトです。

『ロシアの声』が伝えるニュースには不確かな情報や誤報が多いと感じていたのですが、ここまでとは ・・・


口永良部島で噴火 ― 鹿児島県屋久島町 (続報-2)


8月7日付「口永良部島で噴火 ― 鹿児島県屋久島町 (続報)」の続報です。

口永良部島(地図)の火山活動について、火山噴火予知連絡会の拡大幹事会が8月8日に開催されることになりました。最近の他の火山の噴火、たとえば西之島とか草津白根山のケースでは、このような会議は招集されなかったと思います。会議は非公開とされています:

新しい解説資料が発表されました。産業技術総合研究所による火山灰の解析結果が掲載されています。「噴出物の構成粒子が、主に変質した岩片からなるものの、マグマ物質と考えられる新鮮なガラス質粒子が少量含まれることがわかりました」:

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口永良部島で噴火 ― 鹿児島県屋久島町 (続報)


8月7日10時00分、口永良部島(地図)に対する噴火警報が切り替えられました。これまでの警報では「火口から概ね2kmの範囲では噴火(大きな噴石)に警戒をしてください」とあるだけでしたが、新しい警報では「火砕流に警戒してください」という文言が加えられています。噴火警戒レベル「3(入山規制)」は継続しています。

8月3日に発生した噴火は水蒸気爆発の類いではなかったようです。噴火警報の本文には次の記述があります:
口永良部島で、3日12時24分に発生した噴火は、火山灰を分析した結果、マグマが直接関与していた可能性があることがわかりました。 今後、マグマが関与した噴火が発生した場合、火砕流が発生する可能性があります。

以下の資料には、噴火後の様子を空撮した写真が添えられています。噴火に伴って発生した火砕サージ(火山ガスと火山灰等との混合物で、火山ガスの比率が高く高速で流下する現象)の痕跡や、火口の縁に新たにできた割れ目などが写っています:

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