2014年10月17日金曜日

蔵王山で火山性微動、火山性地震増加、傾斜計にも変化 ― 宮城県 (続報-18)


10月10日付「蔵王山で火山性微動、火山性地震増加、傾斜計にも変化 ― 宮城県 (続報-17)」の続報です。

10月10日、蔵王山(地図)で火山性微動が2回発生しました。火山性微動が1日に2回発生したのは観測開始以来初めてです(2013年10月23日に、継続時間1分30秒の火山性微動と直後に計測基準未満の火山性微動が発生した例はあります)。9月30日から続いていた傾斜変動は10月11日から停滞しているとのことです。

以下は、気象庁が10月17日に発表した「平成26年 No.42 週間火山概況(平成26年10月10日~10月16日)」からの抜粋です:
10日06時44分及び19時34分に、いずれも振幅が小さく継続時間の短い火山性微動が発生しました。

11日に実施した現地調査では、8日に山形大学により確認された御釜東側湖面の一部の白濁はみられず、御釜周辺と丸山沢(御釜の北東約1.5km にある噴気地帯)の状況に変化は認められませんでした。

9月30日の夕方頃から坊平観測点の傾斜計でみられていたわずかな東(山側)上がりの変化は、10月11日頃から停滞しています。

今期間、火山性地震は少ない状況で経過しました。

以下は、昨年1月22日に蔵王山で観測開始以来初めてとなる火山性微動が発生してからの推移をまとめたものです:

月日 事象
2013年
1月22日
火山性微動、観測開始(2010年9月1日)以来はじめて
1月27日 火山性微動
4月5日 低周波地震が一時的に連続して発生
4月5日
~11日
東北大学・蔵王観測点の傾斜計に変化
4月7日 坊平観測点の傾斜計で南東方向(山頂の南側)が上がるような変化、火山性微動(継続時間 3分20秒)
4月9日 火山性微動(継続時間 4分20秒)
4月21日 坊平観測点の傾斜計で南東方向(山頂の南側)が上がるような変化、火山性微動(継続時間 5分40秒)、低周波地震が一時的に連続して発生
6月4日 火山性微動(継続時間 2分20秒)
7月17日 火山性微動(継続時間 3分10秒)
7月18日 坊平観測点と東北大学・蔵王観測点の傾斜計に変化、火山性微動(継続時間 3分10秒)
7月31日 火山性微動(継続時間 5分40秒)
10月19日 坊平観測点の傾斜計に変化、火山性微動(継続時間 16分57秒)
10月23日 火山性微動(継続時間 1分30秒)、直後に計測基準未満の火山性微動も。その後、23日05時ごろから24日08時ごろにかけて火山性地震がやや多い状況
11月1日 坊平観測点の傾斜計に変化、火山性微動(継続時間 2分30秒)。火山性微動の発生後に微小な火山性地震。10月下旬以降、火山性地震がやや多い状況。
12月4日 火山性微動(継続時間 3分40秒)。微動発生前後に低周波地震が4回発生。火山性地震もやや増加。
12月8日 坊平観測点および蔵王観測点で傾斜変動、直後に火山性微動(継続時間 8分)。火山性地震はやや増加した状態で推移。
2014年
1月3日
火山性微動(継続時間 1分)。微動発生後に火山性地震が4回発生。
8月6日 火山性微動(継続時間 8分)。微動発生後、御釜直下付近の浅いところを推定震源とする火山性地震がやや多い状況。全て低周波地震。7日にかけて55回発生、8日になって減少傾向。火山性微動発生の前から傾斜計に南東(山頂の南側)上がりの変化、9日13時ごろに終息。
8月8日 火山性微動(継続時間 短い)
8月10日 火山性微動(継続時間 短い)
9月4日 火山性微動(継続時間 短い)
9月30日 火山性微動(継続時間 4分)。微動発生に先行して南東(山頂の南側)上がりの傾斜変動。微動発生後の30日19時ごろから10月1日17時ごろにかけても、南東上がりの傾斜変動。10月1日6時ごろから2日14時ごろにかけて火山性地震が9回発生し、一時的にやや多い状況。
10月5日 火山性微動(継続時間 短い)
10月8日 火口湖「御釜」が一時的に白濁
10月9日 火山性微動(継続時間 短い)
10月10日 火山性微動が2回発生(いずれも継続時間短い)


関連記事