2017年2月25日土曜日

パイナッポー・エキスプレス


米国西海岸の諸州が2月15日から、今年になって2度目のパイナップル・エクスプレスに襲われ豪雨となりました。パイナップル・エクスプレスは、ハワイ諸島周辺の海域で発生した暖かく湿った気塊が、ジェット気流に乗って「大気中の川」(atmospheric river)のように次々と北米の太平洋沿岸に押し寄せる現象です。NASAでは日本のJAXA(宇宙航空研究開発機構)と共同でこの現象の観測をおこなっています:

「パイナップル・エクスプレス」はハワイの産物にちなんで命名されたもので、正式な用語ではなく、主にマスコミが使用しているとのことです。

日本では、少し前まで「台湾坊主」という用語が、台湾付近で発生して日本に被害をもたらす低気圧に対して使われていました。天気図上の等圧線の形が、坊主頭のように見えることからそう呼ばれるようになったものです。『広辞苑』では「冬季末に台湾付近で発達し、本州南岸沿いに北東進する温帯低気圧の俗称。太平洋岸の降雪の原因となる」と説明しています。「台湾坊主」という用語は、台湾に対する配慮などから現在では「東シナ海低気圧」に置き換えられています。