2014年7月17日木曜日

木星のアルマゲドンから20年


1994年7月16日から7月22日にかけて、シューメーカー・レヴィ第9彗星(Comet Shoemaker-Levy 9、以下 SL9)の分裂した核が列をなして次々に木星に衝突しました。

SL9は1993年に発見されましたが、観測の結果、この彗星は太陽の周りではなく木星の周りを回っていることが判明しました。彗星が惑星に捕獲される現象が実際に確認されたのは、これが最初でした。発見時には、すでに木星の強大な潮汐力によって核が分裂していました。SL9が木星に衝突することを最初に予報したのは日本人の研究者でした。

衝突が迫るにつれて、SL9の分裂核の列は木星の引力によって徐々に引き延ばされ、夜行の銀河鉄道999のように見えました(画像画像)。

衝突は、地球から見て木星の裏側で起きたのですが、それでも衝突によって生じた凄まじい閃光が地上や宇宙の望遠鏡で観測されました(動画動画画像)。

また、木星の大気上層部を突き抜けて上昇するプリューム(キノコ雲)も観測されました(画像)。

木星の自転によって衝突地点が地球から見えるようになると、衝突痕がいくつも観測され、最大のものは地球に匹敵する大きさでした(画像画像画像画像画像)。

SL9の木星衝突によって天体間の衝突が現実味を帯び、地球への彗星や小惑星の衝突が真剣に議論されるようになりました。SL9以降も、木星への小天体の衝突が直接観測されたり、衝突の痕跡が発見されたりしています。


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