2013年12月13日金曜日

蔵王山で火山性微動、火山性地震増加、傾斜計にも変化 ― 宮城県 (続報-10)


12月6日付「蔵王山で火山性微動、火山性地震増加、傾斜計にも変化 ― 宮城県 (続報-9)」の続報です。

12月8日、蔵王山(地図)で傾斜変動があり、直後に火山性微動が発生しました。また、火山性地震もやや増加した状態で推移しています。以下は、気象庁が12月13日付で発表した「平成25年 No.50 週間火山概況 (平成25年12月6日~12月12日)」からの引用です:
8日の06時20分頃に火山性微動が発生しました。火山性微動の発生は12月4日以来で、今年に入って14回目です。坊平観測点での継続時間は約8分で最大振幅(上下動)は4.4μm/sでした。火山性微動の発生直前には、坊平観測点及び蔵王(東北大学)観測点の傾斜計で、わずかな傾斜変動がみられましたが、このような変化はこれまでの火山性微動においても観測されています。

火山性地震は微動発生時に変化はみられませんでしたが、期間を通じては8回とやや増加した状態で経過しています。

以下は、今年に入ってからの蔵王山の火山活動をまとめたものです。1月に観測開始以来初めてとなる火山性微動を観測して以降、火山性微動や火山性地震、地殻変動などの発生頻度が徐々に高まってきているようです:

月日 事象
1月22日 火山性微動、観測開始(2010年9月1日)以来はじめて
1月27日 火山性微動
4月5日 低周波地震が一時的に連続して発生
4月5日
~11日
東北大学・蔵王観測点の傾斜計に変化
4月7日 坊平観測点の傾斜計で南東方向(山頂の南側)が上がるような変化、火山性微動(継続時間 3分20秒)
4月9日 火山性微動(継続時間 4分20秒)
4月21日 坊平観測点の傾斜計で南東方向(山頂の南側)が上がるような変化、火山性微動(継続時間 5分40秒)、低周波地震が一時的に連続して発生
6月4日 火山性微動(継続時間 2分20秒)
7月17日 火山性微動(継続時間 3分10秒)
7月18日 坊平観測点と東北大学・蔵王観測点の傾斜計に変化、火山性微動(継続時間 3分10秒)
7月31日 火山性微動(継続時間 5分40秒)
10月19日 坊平観測点の傾斜計に変化、火山性微動(継続時間 16分57秒)
10月23日 火山性微動(継続時間 1分30秒)、直後に計測基準未満の火山性微動も。その後、23日05時ごろから24日08時ごろにかけて火山性地震がやや多い状況
11月1日 坊平観測点の傾斜計に変化、火山性微動(継続時間 2分30秒)。火山性微動の発生後に微小な火山性地震。10月下旬以降、火山性地震がやや多い状況。
12月4日 火山性微動(継続時間 3分40秒)。微動発生前後に低周波地震が4回発生。火山性地震もやや増加。
12月8日 坊平観測点および蔵王観測点で傾斜変動、直後に火山性微動(継続時間 8分)。火山性地震はやや増加した状態で推移。


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