2010年9月16日木曜日

太陽系めぐり

このブログでたびたび紹介している 『ボストン・グローブ』紙の “ザ・ビッグ・ピクチャー” が、太陽系内のいろいろな場所の写真を集めています:

どれもすばらしい写真なのですが、4つだけ注釈を加えておきます:
  • 3番の写真は、太陽の近くから見た地球と月です。NASA の水星探査機メッセンジャーが今年 5月 6日に撮影しました。暗黒の宇宙空間で地球と月がよりそっています。
  • 24番の写真は、木星の発光現象です。左側は今年 6月 3日、右側は今年 8月 20日に発生したものです。木星の大気圏に彗星か小惑星が突入したものとみられています。
  • まれにしか発生しない珍しい現象と考えられてきましたが、このように短期間に相次いで観測されるとなると、考え直す必要があるのかも知れません。もともとわりと頻繁に起きている現象だったが、観測機器の性能向上や価格低下による普及のおかげで、発見される率が上がってきたのか。それとも、これまではまれな現象であったが、そうではなくなりつつある ―― つまり、太陽系内で天体衝突の発生頻度が上がってきているのではないか。おりしも 9月 8日から 9日にかけて、約 12時間のうちに 2つの小惑星が相次いで月の軌道の内側にまで入り込み、地球のそばを通過していくという「事件」があったばかりです (このブログの 8月 24日付記事「木星で発光現象」と 9月 8日付記事「2つの小惑星が地球に接近」を参照してください)。
  • 29番の写真は、土星の衛星タイタンの前を横切る衛星ディオーネ。靄(もや)のかかった大気に覆われ、地表がまったく見えないタイタンと、大気がないディオーネの違いがよくわかります。
  • 32番の動画は、土星の衛星エンケラドスの南極付近にある割れ目から氷の微粒子が噴き出している様子を撮したものです。30番31番もエンケラドスです。前者にも南極付近から噴き出している氷のジェットが写っています。背後に薄く帯状に伸びているのは土星の輪の一部です。