2010年5月11日火曜日

「人工雲」計画にビル・ゲイツ氏が出資

人工の雲によって太陽光を反射し、地球温暖化をくい止めることを計画している企業に、マイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツ氏が 30万ドルを出資したとのことです:

以下に記事をまとめます:
この企業は、サンフランシスコを拠点としジオ・エンジニアリング(地球工学)を専門とするシルバー・ライニング社。

毎秒 10トンの海水を汲み上げて微粒子化し、高さ約 1000メートルの空中に吹き上げる船を設計。吹き上げられた微粒子が核となって雲が発生。既存の雲も密度と白さが増す。この雲によって太陽光を反射し、地球温暖化をくい止める。

50億ドルを投入して 1900隻の船を建造し、世界中の海洋に配置して稼働させれば、温暖化をくい止められる。

昨年 12月に開かれた COP15 コペンハーゲン会議では、温暖化を防止するための効果ある合意は得られなかった。このような状況で国際的な合意を待っていては手遅れになるとして、シルバー・ライニング社では、10隻の船を建造して 1000平方メートルの海に展開し、試験的に稼働させることを計画している。

計画を主導している技術者によれば、飛行機から硫化物の微粒子を成層圏に散布する方法などに比べれば、この技術は弊害が少なく、降水量などに変化が出るかも知れないが、装置のスイッチを切れば「後遺症」を残すことなく中止することができるので安全であるとのこと。

エジンバラ大学名誉教授で工学的設計が専門の Stephen Salter 氏は、大気に化学物質を加えるわけではないので、規制ができるのを待つことなく試行をおこなうべきだとの意見。

一方、イギリス政府の主任科学顧問であった David King 卿は、国境を越えて影響が広がるような実験をおこなうには国際的な規制が必要だ、「地球工学的な解決方法というものには、想定外の影響が出たり、費用がかかりすぎたりといった問題がつきものだ」と語っている。

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