2020年12月17日木曜日

「グレート・コンジャンクション」木星と土星が超大接近

 
来る 12月21日から22日にかけての夜、木星(-2.0等級)と土星(+0.6等級)が超大接近します。最も近づくのは、『天文年鑑』(誠文堂新光社)によると 12月21日22時32分(日本時間)、国立天文台の資料「木星と土星が接近(2020年12月)」によると 22日午前3時ごろ。いずれの時刻にしても、日本では木星と土星が地平線下に沈んだ後ですので、その前か翌日に観望することになります。
 
最接近距離(角距離)は 6′(10分の1度)。北斗七星のひしゃくの柄の先端から2番目に位置する 2等星ミザールとそのすぐそばにある 4等星アルコルは、その 2つを見分けられるかどうかで昔から視力の検査に使われてきましたが、両星の角距離は 12′ (5分の1度)です。今回の大接近時、肉眼では木星と土星がほとんど一つの星のように見えるかもしれないといわれています。

木星と土星がここまで接近するのは約 400年ぶり。前回は 1623年で、木星の 4大衛星を発見したガリレオ・ガリレイが活躍している時代でした。キリストが誕生したときに東方の三博士をベツレヘムに導いたとされる星も、このような明るい惑星の合(コンジャンクション)であったともいわれています。

地球から見て木星と土星がこれほど近づくということは、地球-木星-土星が直線状に並ぶことを意味します。いわゆる惑星直列です。ただし、地球から木星までの距離は地球から太陽までの距離の約6倍、土星までは約11倍も離れているので、木星や土星の重力や潮汐力によって地震が起きるという類いの話は聞き流しましょう。