2020年7月31日金曜日

NASAの火星探査機: 打ち上げ直後に通信途絶える


7月20日のアラブ首長国連邦、24日の中国に続いて、30日20時50分、米国NASAの火星探査機がフロリダ州ケープ・カナベラル空軍基地から打ち上げられました(打ち上げ日時はいずれも日本時間)。打ち上げ直後に、搭載している火星探査車 Perseverance に技術的問題が発生して通信が途絶したとのアナウンスがあり「エ〜ッ」と思ったのですが、約2時間半後に回復しました。想定外の温度低下でセーフ・モードに入ったことが原因とのことですが、先が思いやられます:

火星到着は来年2月で、火星探査車 Perseverance が着陸するのは北半球の赤道近くにある Jezero クレーター。過去には満々と水を湛えた湖があり、流入する河川に広大な三角州(扇状地?)が発達していたとされる場所です。同クレーターはイシディス平原(Isidis Planitia、イシディス盆地、Isidis Basin、地図)の北西縁に位置し、直径約45km。

イシディス平原の位置は、Google Map の火星版でどうぞ。検索窓に isidis planitia と入力して "Search" ボタンをクリックしてください:

今回の火星探査車 Perseverance の目的の一つは、火星生物の痕跡を捜すことと、将来の探査機が地球に持ち帰るための岩石や鉱物の資料を用意することです。これまでにも化石では!と思わせる岩石は見つかっているのですが、画像だけでは断定できません。実物を持ち帰って地球の研究室で詳細に調べる必要があります。以下は、化石かも知れないと言われている岩石の画像です。現行の火星探査車 キュリオシティの MAHLI(Mars Hand Lens Imager)で撮影されたものです(画像をクリックするとさらに拡大します):

火星探査車の名前 Perseverance の日本語表記には悩まされそうです。マスコミの表記もばらついています。NHK は「パーセヴィアランス」、毎日新聞・読売新聞・産経新聞・共同通信は「パーシビアランス」、時事通信は「パーセベランス」、AFPは「パーサビアランス」などなど(朝日新聞は記事が見当たりません)。着陸地点の地名 Jezero クレーターや、 Perseverance の腹面に取り付けられている火星ヘリコプターの名前 Ingenuity も表記が分かれそうです。


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