2018年8月31日金曜日

イエローストーンの間欠泉が「異常」噴出 (続報-12)


現地時間8月27日夜(日本時間28日午後)、スティームボート間欠泉から熱水が噴出し始めました。5日ぶり、今年15回目の噴出です:

日付(現地時間) 間隔(日)
1 3月15日 1289
2 4月19日 35
3 4月27日 8
4 5月4日 7
5 5月13日 9
6 5月19日 6
7 5月27日 8
8 6月4日 8
9 6月11日 7
10 6月15日 4
11 7月6日 21
12 7月20日 14
13 8月4日 15
14 8月22日 18
15 8月27日 5


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4つの小惑星が地球と月に接近


4つの小惑星が地球と月に接近していたことが新たに判明しました。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2018 OF29~20  (月)7月24日 16:55
(地球)7月24日 19:49
0.28
1.14
2018 PV243~7 (地球)8月18日 06:09
 (月)8月18日 07:08
1.18
1.19
2018 QR110~21  (月)8月22日 05:04
(地球)8月22日 06:10
1.11
0.23
2018 QS18~18  (月)8月24日 18:15
(地球)8月24日 18:51
1.56
1.17
(1LD=地球から月までの平均距離) 

2018 OF2、PV24、QR1 はアポロ群に、QS1 はアテン群に分類されています。

2018 OF2 の接近時刻は、月に対して ±9分、地球に対して ±20分の誤差が見込まれています。2018 PV24 の接近時刻は、地球に対して ±1時間58分、月に対して ±1時間46分の誤差が見込まれています。

2018 OF2 と PV24 の接近距離は推定の幅が広くなっています。上の表に示した数値は最も可能性の高い距離です。

このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


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2018年8月30日木曜日

飛行機のトンデモ着陸


"bush pilot" とは「辺境地を飛ぶパイロット」。向かい風を利用して滑走なしで着陸:

滑走路手前でエンジンが停止。操縦していた父親は非常用パラシュートのレバーを引きました。父親と同乗していた娘は無事でした:

口永良部島の噴火警戒レベルを3へ引き下げ


8月29日、口永良部島(地図)の噴火警戒レベルが「3(入山規制)」に引き下げられました:

口永良部島では火山性地震の急増や火山ガスの放出量の増加にともなって、8月15日に噴火警戒レベルが「2(火口周辺規制)」からいきなり「4(避難準備)」へ引き上げられていました。今回、「2(火口周辺規制)」にもどすのではなく「3(入山規制)」にしたのは、火山ガスの放出量が8月18 日以降は減少したものの、依然として1日あたり 400~800 トンと多い状態が続いていることが一因と思われます。


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2018年8月29日水曜日

霧島山・大浪池近くで地震続発


霧島連山では、これまで「新燃岳」や「えびの高原(硫黄山)周辺」での火山活動に対して「火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)」が出されていますが、それらとは別の場所で地震が起き始めました。

「本日03時頃から大浪池(おおなみのいけ)の南西3km付近のごく浅いところが震源と推定される地震が発生しており、16時頃から増加しています。19時までの合計は46回となっており、18時16分頃の地震では、霧島市横川町中ノで震度1の揺れを観測したほか、霧島市牧園町付近で体に感じる揺れを確認しています」:

大浪池は、新燃岳の西北西約3km、えびの高原硫黄山の南約3kmにある直径630mの火口湖です(地図)。


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2018年8月28日火曜日

重力の変化が植物の生育に影響


記事のタイトルを見たときには国際宇宙ステーションの中で実験したのかと思いましたが、地上でのことでした。月や太陽による起潮力の増減によって重力がわずかに変化することが植物の生長に影響しているようです。現象は確認されたものの、なぜそうなるのか、理由は未解明です。

「重力が下がっていくタイミングに施設の照明を消して夜の環境をつくると、成長が良くなることを確認した」、「レタスの重量を通常よりも最大で平均24%増やすことに成功した」:

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2018年8月27日月曜日

潜在的に危険な小惑星 2016 NF23 が地球に接近


小惑星〝2016 NF23〟が8月29日に地球に接近します。

この小惑星は「潜在的に危険な小惑星」(Potentially Hazardous Asteroid、PHA)に分類されているため、欧米では大衆紙などがセンセーショナルに報道し、その一方でそれを否定する報道も盛んになっています。NASA/JPLによる予報では、最接近時の地球との距離は500万km以上で、衝突する可能性は全くありません:

地球最接近時に北極星の方向から見た小惑星、地球、月の位置関係
小惑星と地球の移動方向は下から上、月は反時計回り
小惑星は地球と月の下側(画面の奥側)を通過していきます
(Credit: Jet Propulsion Laboratory)

この小惑星はアテン群に分類され、直径は 70~160m と推定されています。この小惑星が発見されたのは2016年7月9日です。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2016 NF2370~160 (地球)8月29日 12:38 13.14
(1LD=地球から月までの平均距離) 

この小惑星が最接近した時の地球との相対速度は秒速9.0km(時速約3万3000km)と計算されています。

このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


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2018年8月26日日曜日

霧島山(新燃岳)で火山性地震増加 (続報)


8月26日付「霧島山(新燃岳)で火山性地震増加」の続報です。

新燃岳では、8月26日15時までに火山性地震の回数が138回(速報値)に達しました。また、13時17分ごろに火山性微動も発生しました。震源が浅い低周波地震も散発しているとのことです:

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インドネシアで大地震のうわさ広がる


インドネシアではロンボク島(地図)北部で強い地震が続発していますが、それに呼応するように、首都ジャカルタ(地図)を含むジャワ島西部で大地震が起きるという根拠のないうわさがソーシャル・ネットワークなどを通じて広まっています。当局は打ち消しにつとめていますが、うわさが収まる気配はないようです:

記事には偽情報の例が引用されています。以下にテキトー訳します:
  • 西ジャワ州の兄弟たちへ、どうか今後48時間は用心してください。予報によるとマグニチュード 8.0 の大地震が起こるそうですから。

  • 州立の電力会社(PLN)が、今夜、ジャカルタ地域に地震検知器を暫定的に設置したそうだ。

  • 注意喚起: ふいに明かりが消えて、その後に明かりが3回点滅したら、全員すぐに家の外に出てください。非常に強い地震が起こりますから。

  • 今日までにロンボク島ではマグニチュード 6.5、6.0、7.0 などの地震が三十数回発生している。もし、明日も地震が続くようなら、ジャワ島でマグニチュード 8.9 のメガスラスト地震が起きる可能性が高いとBMKG(気象学・気候学・地球物理学局)は予測している。

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霧島山(新燃岳)で火山性地震増加


新燃岳では、8月26日午前0時ごろから火山性地震が増加しています。0時~8時までに93回。90回以上を記録したのは6月22日以来。25日には火山性微動も発生しています:

噴火警戒レベルは「2(火口周辺規制)」が継続しています。


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2018年8月25日土曜日

富士山頂にキノコ雲


8月23日朝、富士山頂に現れたキノコ雲のような笠雲:

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猛暑の後に大地震あり? (続き)


8月24日付「猛暑の後に大地震あり?」の続きです。

台風や雨と地震の関係について述べています。「大西洋中央部のポルトガル領、アゾレス諸島という火山島では、雨が降ると地下のひずみになっている部分に水が浸み込んでいき、それが地中で水蒸気爆発を起こし、地震がよく起こる」:

記事の8割は台風や雨と地震についてなのですが、最後の段落になっていきなり飲み水の話になっています。


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2018年8月24日金曜日

ペルー内陸部で M7.1


8月24日18時04分ごろ(日本時間)、南米・ペルーの内陸部で M7.1 の地震が発生しました(震央地図)。正断層型で、震源の深さ約 610km の深発地震です:

8月19日にフィジー諸島東方沖で M8.2(深さ約560km)、同22日にベネズエラ北部で M7.3 (深さ約120km)など深発や稍深発の大地震が連続しています。地球の深部で何か起きているのでしょうか。


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猛暑の後に大地震あり?


週間実話』の記事ですので、そのつもりで。関東大震災(9月1日)の前月、阪神・淡路大震災(1月17日)や東日本大震災(3月11日)の前年の夏は猛暑日が続いた、特に東日本大震災前の8月は「観測史上最も暑い1カ月」とよばれた。「巨大地震は盛夏か、夏が峠を越えた後の残暑厳しい頃に起こっている。偏りもあり統計学的にはあり得ないこととされ、今の地震学では、なぜそうなのかもまったく分かっていません」:

イエローストーンの間欠泉が「異常」噴出 (続報-11)


8月22日に起きた今年14回目の噴出の動画があります:

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2018年8月23日木曜日

イエローストーンの間欠泉が「異常」噴出 (続報-10)


現地時間8月22日午前11時43分(日本時間23日午前2時43分)ごろ、スティームボート間欠泉から熱水が噴出し始めました。18日ぶり、今年14回目の噴出です:

日付(現地時間) 間隔(日)
1 3月15日 1289
2 4月19日 35
3 4月27日 8
4 5月4日 7
5 5月13日 9
6 5月19日 6
7 5月27日 8
8 6月4日 8
9 6月11日 7
10 6月15日 4
11 7月6日 21
12 7月20日 14
13 8月4日 15
14 8月22日 18


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2018年8月22日水曜日

ベネズエラ北部で M7.3


8月22日午前6時31分ごろ(日本時間)、南米のベネズエラ北部沿岸で M7.3、震源の深さ約120kmの地震がありました(震央地図)。

震源付近では、南アメリカ・プレートに属する大西洋の海底がカリブ・プレートの下に沈み込んでいます(プレート境界図)。大西洋では数少ない沈み込み帯です。

米国地質調査所(USGS)の解説を以下にまとめました:
  • ベネズエラ北岸近くで発生した今回の M7.3 の地震は、斜交逆断層に起因する稍(やや)深発地震である。

  • 発震機構解は、東西の走向をもつ急傾斜の断層か、南東方向の走向をもつ浅い角度の断層が滑ったことを示している。

  • 震央付近では、南アメリカ・プレートがカリブ・プレートに対して1年あたり 20mm の速さで西に移動している。

  • 南アメリカ・プレートは、今回の地震の震央から東に約 550km 離れた場所からカリブ・プレートの下に沈み込んでおり、今回の地震の震源付近では深さ 150km 近くに達している。

  • 今回の地震はカリブ沈み込み帯の南端付近で発生した。

  • この地域のプレート境界は、浅い場所ではサン・セバスチャン-エル・ピラル断層系に沿ったトランスフォーム断層に変化している。

  • 今回の地震の深さと発震機構解は、浅い場所の右横ずれトランスフォーム・プレート境界よりも、南アメリカ・プレートの沈み込んだリソスフェアの内部の断層と整合的である。

  • 通常、地震の発生場所は点で表されるが、地震の規模が大きい場合には面で表す方が適切である。今回の地震を起こした斜交衝上断層の規模は約 65×25km(長さ×幅)である。

  • 今回の地震のように、震源の深さが 70~300km である地震は、稍深発地震(intermediate-depth earthquake)とよばれる。稍深発地震は、沈み込んだリソスフェア内部の変動を示している。

  • 今回の地震が発生した地域では、震源の位置は深さ 180km 近くまで高い信頼度で決定できている。

  • 今回の地震が発生した地域では、M6+ の地震が17回観測されているが、大きな地震は稀である。今回の地震は、震央から半径 250km の範囲内で20世紀と21世紀に発生した地震としては最大規模である。この地域でこれまでに発生した被害地震はすべて震源が浅かった。

南アメリカ・プレートと北アメリカ・プレートの境界は、間にカリブ・プレートが挟まっているところははっきりしているのですが、大西洋ではどこに境界があるのか、教科書などにはいちおう境界線が引いてあるのですが、明確な地形的特徴がなくすっきりしません。インド・プレートとオーストラリア・プレートの境界もそうです(プレート境界図)。


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2018年8月21日火曜日

台風が噴火誘発?


8月15日に噴火警戒レベルが「4(避難準備)」に引き上げられた口永良部島(地図)に、非常に強い台風19号が接近しています。

「台風19号が近づくことによって気圧が下がり、地下のマグマに溶け込むガスや水が泡だって膨張する可能性があるほか、大雨で土砂が崩れて火口を塞ぐことで火口内の圧力が高まるおそれがある」(京都大学火山活動研究センター・井口正人教授):

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マントルに沈み込んだ海底堆積物が数十億年かけて再び地上に


海洋研究開発機構(JAMSTEC)のプレスリリースです。南太平洋のピトケアン島(地図)とラロトンガ島(地図)の火山岩を分析した結果、かつての海底堆積物がマントル深部まで沈み込んで堆積したのち、マントルプルームによって地表近くまで運ばれて海洋島を形成する玄武岩になったことがわかったとのことです。20~30億年をかけた大循環です:

ピトケアン島はイギリスの海外領土です。同国の戦艦バウンティ号で反乱(1789年)を起こした水夫たちがたどり着き、今もその子孫たちが暮らしています。反乱はマーロン・ブランド主演で映画化されています:

ラロトンガ島では映画『戦場のメリークリスマス』が撮影されたそうです。

2018年8月20日月曜日

楕円形の日暈や下部ラテラルアーク ― 北海道函館市・室蘭市・豊浦町


8月20日、北海道の函館市(地図)や室蘭市(地図)、豊浦町(地図)などで、太陽の周りに「楕円形の日暈」(外接ハロ)や「下部ラテラルアーク」が目撃・撮影されました:

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Ring of Fire


火山学者の Dr. Janine Krippner が環太平洋火山帯(the Pacific Ring of Fire)にちなんでリクエストした曲 “Ring of Fire”:

“P.S.”(追伸)には、環太平洋火山帯は通常よりも活発になっているわけじゃありませんよ、と書かれています。博士は、英米のタブロイド紙などが、最近の噴火や大地震の発生に言寄せて「環太平洋火山帯が活発になっている」と騒ぎ立てるのを苦々しく思っていて、それらを打ち消したり、批判したりするメッセージをしばしばツイートしています。

Johnny Cash が歌う〝Ring of Fire〟:

歌詞と翻訳は以下で:

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アスペラトゥス雲 ― 新種の雲? (補足-3)


ニュージーランド南島の Hanmer Springs(地図)で撮影されたアスペラトゥス雲の写真です:

写真に付されている説明を以下にまとめます。これまでこのブログでは「アスペラトゥス」(asperatus)と表記してきましたが、この説明では「アスペリタス」(asperitas)となっています:
  • 現時点でこの雲の成因は不明。

  • 大気中のまれな構造で恐ろしげに見えるが、気象上の破局の前兆ではないようだ。

  • アスペリタス雲は、去年、独立した雲のタイプとして正式に認められたばかりで、見た目はおどろおどろしく、まれにしか発生せず、あまり研究が進んでいない。

  • 低層に生じる雲層のほとんどは底面が平らだが、アスペリタス雲は下面に垂直方向の顕著な構造を持っている。

  • アスペリタス雲については次のような推測がある ―― 近傍の山岳によって形成されるレンズ雲、あるいは雷雨に伴って現れる乳房雲、あるいはフェーン風(山岳から吹き下ろす乾燥した風)と関係があるのではないか。

  • 写真は、2005年にニュージーランド・カンタベリー地方の Hanmer Springs で撮影された。起伏のある雲を太陽光が横から照らしていることもあって、細部が明瞭に写っている。

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2018年8月19日日曜日

フィジー諸島東方沖で M8.2


8月19日9時20分ごろ(日本時間)、南太平洋のフィジー諸島東方沖で M8.2 の地震が発生しました(震央地図)。震源の深さが約560kmの深発地震です。

この地震についての米国地質調査所(USGS)の解説を以下にまとめてみました:
  • 今回の M8.2 の地震は、トンガ海溝西方数百kmの南太平洋の深さ約 560km で、正断層によって発生した。

  • 発震機構解は、西北西または東南東の走向を持つ中程度の傾斜の正断層が破断したことを示している。

  • この地震が発生した地域では、太平洋プレートがオーストラリア・プレートに対してほぼ真西に1年あたり 81mm で移動している。

  • 震源の位置や深さと発震機構解は、この地震が沈み込んだ太平洋プレートのスラブ内部の断層によって発生したことを示している。

  • 震源が 300km より深い地震は、一般に深発地震とよばれる。深発地震は、同じ程度のマグニチュードの浅い震源の地震に比べて、震源直上の地表に被害をもたらすことは少ないが、深発の大地震は震央から非常に離れたところで揺れを感じることがある。

  • 現在までに記録された最大規模の深発地震は、2013年にロシア北東部沖のオホーツク海の地下 600km で発生した M8.3 である。沈み込んだ太平洋プレートの内部で発生した。このオホーツク地震は、アジアや遠方のモスクワ、太平洋をわたってアメリカ合衆国の西海岸でも揺れが感じられた。同様に、1994年にボリビアで発生した M8.2 の深発地震でも、震央から遠く離れた北アメリカから揺れの報告があった。

  • 今回の地震が発生した場所の周辺では深発地震がよく発生する。今回の地震の発生場所から 250km 以内では、過去1世紀間に M7+ の地震が 9 回発生しているが、すべて震源が 300km よりも深かった。これらの地震の中で最大の規模は、1919年1月に発生した M7.8 であった。

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瀬戸内海にイルカの群れ ― 愛媛県今治市


8月17日付『愛媛新聞』が伝えるところによると、8月10日、愛媛県今治市の大島(地図)沖で、20~30頭のイルカの群れが目撃されたとのことです。ハンドウイルカミナミハンドウイルカとみられています:

以下は、このブログの過去の記事から瀬戸内海のイルカに関するものを適当に選んだものです。専門家や海上保安庁は「瀬戸内海では1頭を見かけることさえ珍しい」、「瀬戸内海では数頭の目撃例はあるが、群れは珍しい」、「(ミナミハンドウイルカの群れが)瀬戸内海で目撃されるのは非常に珍しい」などとコメントしていますが、どうもそれほど珍しい出来事ではないようです:

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列車のドアが勝手に閉まる ― 千葉県流山市


8月6日と17日の2回、千葉県流山市にある「つくばエクスプレス」の南流山駅(地図)で、乗客の乗降中にすべてのドアが突然閉まるトラブルがありました。乗務員がドアの開閉ボタンを操作していないにもかかわらず、ドアが閉まったということです:

原因は調査中とのことですが、トラブルが起きたのは同一の編成ということです。

レッド・スプライトとペルセウス座流星群


8月14日にスロベニア(地図)で撮影されたものです:

画面左から右下に向かっている光点の列は航空機によるもの、また、流星の光跡が点線上になっているのは、レンズの前でプロペラを一定の回転数で回すなどして、流星の飛行速度や継続時間を計るためだと思われます。


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小惑星 2018 PY23 が地球と月に接近


小惑星〝2018 PY23〟が、8月16日に地球と月に接近しました。

地球最接近時に北極星の方向から見た小惑星、地球、月の位置関係
小惑星と地球の移動方向は下から上、月は反時計回り
小惑星は地球と月の上側(画面の手前側)を通過していきました
(Credit: Jet Propulsion Laboratory)

この小惑星はアポロ群に分類され、直径は 7~16m と推定されています。直径の小さい小惑星ほど発見が遅れ、地球接近(最悪の場合は衝突)の直前、あるいは接近・通過後になる傾向があります。この小惑星が発見されたのは8月13日です。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2018 PY237~16 (地球)8月16日 05:50
 (月)8月16日 08:20
1.32
0.52
(1LD=地球から月までの平均距離) 

この小惑星が最接近した時の地球との相対速度は非常に速く、秒速25.1km(時速約9万km)と計算されています。

このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


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2018年8月16日木曜日

奇妙な飛行機雲


視点が違うとこのように見えるということでしょうか:

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地質学者とハンマー


ピーナッツバターを塗るナイフを忘れたとき:

ハンマーのためなら全裸もいとわず:

ただのトンカチにあらず。地質学者が使うハンマーって意外に高価:

アラスカ北東部で M6.4 (続報)


8月12日に米国アラスカ州北東部で M6.4 の地震が発生しましたが、この領域の地震や観測態勢について私はほとんど知りませんでした。アラスカ州南部では海溝沿いで地震が多発し、火山噴火も多いので比較的なじみがあるのですが・・・。私と同じような方もおられると思いますので、以下にいくつか資料を紹介したいと思います。出典は、主としてアラスカ大学フェアバンクス校(University of Alaska, Fairbanks)のアラスカ地震センター(Alaska Earthquake Center)のウェブサイトやツイートです。

震源の分布: 1970年以降の震源と、判明している活断層が描き込まれています。図の左上の部分を除いて、ほぼまんべんなく震源が分布しています:

地震観測点の分布: 未開の地域が多く人口密度が低い割には、意外に観測点が多いというのが私の印象です。赤い星印は今回の地震の震央です:

余震分布(本震発生から8時間後まで): 本震(M6.4)と約1時間後に発生した最大余震(M6.0)の間で、震源が東西方向に分布しているのがわかります。今回動いた断層の走向もこの方向だと思われます。南北方向にも震源が並んでいるように見えますが、次の図ではこの傾向が見えません(この図の震源は自動決定されたもので、地震学者による検討を経ていないようです):

上の地図で左上の海岸沿いの部分に薄い緑色で描き込まれているのは、油田またはガス田です。この地図や先に示した「震源の分布」でも、油田やガス田がある領域ではほとんど地震が発生していないことに留意してください。今回の地震の震源域も、最寄りの油田またはガス田から数十km離れています。石油やガスの採掘が今回の地震の原因だとする説には根拠がないようです。

余震分布(本震発生から48時間後まで): 地震学者による検査済みの余震分布です。2つ描き込まれている震源球は、左が本震(M6.4)、右が最大余震(M6.0)です:

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口永良部島の噴火警戒レベルを2から4へ引き上げ


8月15日、口永良部島(地図)の噴火警戒レベルが「2(火口周辺規制)」から、いきなり「4(避難準備)」に引き上げられました。同島では8月8日ごろから火山性地震が増加し、火山性ガスの噴出量も増加していました。

「これまでの火山性地震の震源は、新岳火口付近のごく浅い場所でしたが、本日の火山性地震は新岳の南西山麓付近の深さ約5kmと推定され、地震の規模は、最大でマグニチュード 1.9(速報値)とやや大きなものでした。この火山性地震の震源は 2015年5月の噴火前(2015 年1月)に発生した地震と概ね同じ場所であると推定され、今後、火山活動が更に高まる可能性があります」:

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2018年8月15日水曜日

アタナシウス・キルヒャー


アタナシウス・キルヒャー(1601~1680)が1665年の著書『Mundus Subterraneus』(地下世界)に掲載した火山システム。地下の火が無数の管で結ばれ、それらが地上に出たところに火山が形成されるという考えのようです。同書には数ページにわたってアトランティスに着いての記述もあるようです:

アタナシウス・キルヒャーは、ドイツ出身の博学者(polymath)で、レオナルド・ダ・ビンチのように多くの分野で業績を残しました。宗教、火山、化石、古代エジプト文字の解読などなど。日本でいえば江戸時代前期の人なのですが、顕微鏡を最初に使った一人で、伝染病が微小な生物によって起きるとして予防法を考案したこともあるそうです。詳しくは以下の Wikipedia を参照してください。英語版の方が図版が豊富です:

第三西須美寿海丘


第三西須美寿海丘(Daisan-West Sumisu Knoll)は、今も火山活動が続いている明神礁(地図)の西方にあるドーム状の地形です。直径約 7km で海底から 900mほど高くなっています。以下は、この海丘が大陸地殻と同じ花崗岩でできていることを発見した、とする2015年の論文です:

Highlights を眺めても Abstract を読んでも、岩石学や大陸地殻の形成論について専門的な知識を持たない素人にはよくわかりません。海洋プレート内で大陸地殻がつくられているぞ、ということらしいのですが。そこで、この発見の意義について『海に沈んだ大陸の謎 最新科学が解き明かす激動の地球史』(佐野貴司、講談社 ブルーバックス B-2021、2017)から引用します:
この第三西須美寿海丘の発見は2015年に国際的な科学雑誌に論文として公表され、大陸地殻の研究者らに衝撃を与えました。その理由は、花崗岩が大陸にしか存在しないという固定観念があったからです。太平洋の海底から通常の花崗岩が見つかったという報告は、これまでに考えられてきた大陸地殻の形成モデルを見直すきっかけとなるでしょう。そして、未成熟島弧の背弧側は大陸地殻がつくられている現場である、という重要な事実が判明したのです。

ここで「未成熟島弧」というのは伊豆-小笠原-マリアナ弧を指しています。大陸地殻が成長段階にあるからです。それに対して、日本列島はすでに大陸地殻が厚く成長しているので成熟島弧とよばれます。「背弧」は、島弧を挟んで海溝の反対側の領域を指します。

伊豆-小笠原-マリアナ弧の地下で作られているのは、大陸地殻としてはやや特殊なトーナル岩(カリウム成分が少ない)と考えられていますが、背弧側ではカリウム分に富む通常の花崗岩が作られていると推定されています。


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2018年8月13日月曜日

アラスカ北東部で M6.4


珍しいところで地震です。日本時間8月12日23時58分、米国アラスカ州北東部(震央地図)で M6.4(暫定値)の地震が発生しました。震源の深さは 9.9km と浅く、地殻内、プレート内地震と考えられます。M6.0を含む余震も発生しています:

米国地質調査所(USGS)の資料にある発震機構解から、横ずれ断層が動いたことによる地震と考えられます。震央地図を見ると、震央近くの丘陵の北縁が直線的で、東西に断層が走っていることを窺わせます。この走向は発震機構解ともおおよそ合致します。

今回の地震は、この地域で観測されたものとしては最大の規模です。この地域では、1995年に M5.2、2010年に M5.1 が発生しています。

アラスカ州の地震学者マイク・ウェスト氏は、今回の地震はこの地域でこれまでに発生してきた地震のテクトニックなパターンを踏襲しており、温暖化による永久凍土の融解や原油の掘削など人間の活動に起因する(human-induced)ものではない、と述べています。

最寄りの集落は、震央から北東に84km離れた人口250人の Kaktovik ですが、かなり揺れたものの被害は出ていないとのことです。原油の採掘にたずさわっている企業(複数)は、採掘施設やパイプラインに被害は出ていないとしています。


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小惑星 2018 PD20 が月と地球に接近


小惑星〝2018 PD20〟が、発見前に月と地球に接近していたことがわかりました。地球への接近は〝ニアミス〟と言えるほど近く、静止衛星の軌道よりも約8600kmも低いところを通過していきました。

北極星の方向から見た地球最接近時の小惑星・地球・月の位置関係
小惑星と地球の移動方向は左から右、月は反時計回り
白い線は地球の公転面より上、灰色の線は地球の公転面より下を示す
(Credit: Jet Propulsion Laboratory)

この小惑星はアポロ群に分類され、直径は 9~20m と推定されています。直径の小さい小惑星ほど発見が遅れ、地球接近(最悪の場合は衝突)の直前、あるいは接近・通過後になる傾向があります。この小惑星が発見されたのは、最接近後の8月11日でした。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2018 PD209~20  (月)8月10日 16:17
(地球)8月10日 23:31
0.46
0.09
(1LD=地球から月までの平均距離) 

月と地球への接近時刻には ±2分の誤差が見込まれています。

この小惑星が最接近した時の地球との相対速度は秒速12.0km(時速約4万3000km)と計算されています。

このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


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2018年8月12日日曜日

山の日クイズ


国土地理院応用地理部のツイートから、8月11日の「山の日」にちなんだ問題です。選択肢は富士山、筑波山、阿蘇山、開聞岳の4つです:

ヒント: 富士山筑波山阿蘇山開聞岳


「南無妙法蓮華経」崩落、琵琶湖に沈む ― 滋賀県彦根市


琵琶湖に浮かぶ多景島(地図、滋賀県彦根市八坂町)で、天然の花崗岩「題目岩」に彫り込まれた「南無妙法蓮華経」の文字が崩落し、琵琶湖に沈みました。題目岩は高さ12m、幅4m:

花崗岩は風化しやすく、西日本豪雨や台風の影響で崩落したとみられています。

記事によれば ――
題目岩に記されていた「南無妙法蓮華経」は、岩に風が当たった時に生じる音が経を唱える声に似ていたことから、江戸時代に彫られたとされる。彦根藩主の井伊家とのつながりも深く、幕末の大老、井伊直弼が桜田門外の変で暗殺された際には、「題目岩から鮮血がにじんでいた」との言い伝えも残っている。

<迷信モード on>
東北地方太平洋沖地震の前には、首都圏から見て鬼門にあたり、震源の方向でもある笠間稲荷で、石造りの大鳥居の中貫が突然落下しています(関連記事参照)。多景島は京都や大阪から見て鬼門の方角にあります。
<迷信モード off>


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2018年8月11日土曜日

白昼の大火球


今から46年前(1972年)の8月11日午前5時39分(日本時間)、直径3~14mと推定される小惑星(あるいは彗星)が地球の表面から5万7000mにまで接近しました。地表からおおよそ500km(50万m)までが地球大気圏であるとされますから、この天体は地球の大気圏に突入したわけです。しかし、この天体は地球に衝突することなく、地球を掠めるように大気圏を横切って再び宇宙空間へと戻って行きました。

この天体は、アメリカとカナダの上空を南から北へと飛行したため、多くの人が白昼の大火球を目撃することになりました:


鮮明な静止画はこちら:

Wikipedia の記述によると、この天体は大気圏を通過したことによって質量の3分の1ないし2分の1を失い、直径は2~10mに減少。速度は秒速800m低下し、軌道傾角も15°から7°へと変化したということです。また、この天体は25年後の1997年8月にも地球に接近し、現在も地球の軌道と交差する軌道上にあるというこどです。


小惑星 2018 PP9 が地球と月に接近


小惑星〝2018 PP9〟が、8月3日から4日にかけて地球と月に接近していたことがわかりました。

地球最接近時に北極星の方向から見た小惑星、地球、月の位置関係
小惑星と地球の移動方向は左下から右上、月は反時計回り
白い線は地球の公転面より上、灰色の線は地球の公転面より下を示す
(Credit: Jet Propulsion Laboratory)

この小惑星はアポロ群に分類され、直径は 17~39m と推定されています。直径の小さい小惑星ほど発見が遅れ、地球接近(最悪の場合は衝突)の直前、あるいは接近・通過後になる傾向があります。この小惑星が発見されたのは最接近後の8月7日です。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2018 PP917~39 (地球)8月3日 23:53
 (月)8月4日 15:26
1.63
1.85
(1LD=地球から月までの平均距離) 

この小惑星が最接近した時の地球との相対速度は秒速6.5km(時速約2万3000km)と計算されています。月への接近時刻には ±3分の誤差が見込まれています。

このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


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東京湾にクジラ (続報-8)


8月11日9時50分の目撃情報によると、東京湾の最奥部ともいえる場所にいます(地図)。また北上してしまったようです:

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2018年8月10日金曜日

キラウエア山の火山活動が低下


5月初めから本格化したハワイ島キラウエア山の火山活動ですが、8月3日前後から衰えを見せています。以下は、米国地質調査所(USGS)のツイッター・アカウント USGS Volcanoes からの抜粋・テキトー訳です:
8月3日 8号亀裂では時折、砕屑丘の南縁を越えて溶岩が飛散している。キラウエア山頂の火口壁崩落は昨日(8月2日)午前11時55分以来、起きていない。

8月4日 8号亀裂から流れ出した溶岩は、亀裂から 2.8マイル付近まで表面が明るく見える。固まった表面の下を流れる溶岩はカポホ・クレーターに達している。海にも流れ込んでいる。

8月5日 キラウエア山頂の地震活動と地殻変動、および8号亀裂からの溶岩流出は、8月2日午前11時55分に発生した火口壁崩落以来、減少している。この減少が継続するか否か、判断するのは早すぎる。危険な状態は変わっていない。

8月6日 早朝にヘリコプターから撮影した8号亀裂の砕屑丘内部の映像では、溶岩の量が顕著に減少している。

8月7日 8号亀裂の活動は低調。砕屑丘の内側に小さいが活発な溶岩の池。火山ガスの放出は弱い。溶岩流はポホイキ桟橋に迫っているが前進していない。キラウエア山頂の地震活動と地殻変動は非常に低調。最後の火口壁崩落は8月4日。

そして最新のツイートでは:
LERZ(Lower East Rift Zone)地区では、多くの亀裂から蒸気が立ち昇っているものの非常に静穏。再活発化の兆候はない。8号亀裂内部には小さな溶岩の池が存在。

今朝の観測では、8号亀裂の砕屑丘内側の深いところに表面が固まった溶岩の池が認められた。噴火前の地表の水準付近にあると考えられる。

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2018年8月9日木曜日

小惑星 2018 PY7 が地球と月に接近


小惑星〝2018 PY7〟が、8月4日に地球と月に接近していたことがわかりました。この小惑星が発見されたのは最接近後の8月5日です。

地球最接近時に北極星の方向から見た小惑星、地球、月の位置関係
小惑星と地球の移動方向は左下から右上、月は反時計回り
白い線は地球の公転面より上、灰色の線は地球の公転面より下を示す
(Credit: Jet Propulsion Laboratory)

この小惑星はアポロ群に分類され、直径は 12~28m と推定されています。直径の小さい小惑星ほど発見が遅れ、地球接近(最悪の場合は衝突)の直前、あるいは接近・通過後になる傾向があります。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2018 PY712~28 (地球)8月4日 06:03
 (月)8月4日 10:06
1.07
0.71
(1LD=地球から月までの平均距離) 

この小惑星が最接近した時の地球との相対速度は秒速10.6km(時速約3万8000km)と計算されています。

このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


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2018年8月8日水曜日

クジラ漂着 ― 神奈川県鎌倉市 (続報)


8月5日付「クジラ漂着 ― 神奈川県鎌倉市」の続報です。

8月5日に漂着しているのが見つかったクジラは、絶滅危惧種のシロナガスクジラで、生後数ヶ月の子供であることが判明しました。体長は10.52m。「国内では、100年以上前に大分県でシロナガスクジラが漂着したという記録があるが、詳しい内容は残されておらず、実際に漂着が確認されたのは今回が初めて」(国立科学博物館):

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南海トラフ: 紀伊水道沖で通常とは異なる変化


8月7日に気象庁が開催した、南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会と地震防災対策強化地域判定会の報道発表資料です。「南海トラフ地震の想定震源域ではプレート境界の固着状況に特段の変化を示すようなデータは今のところ得られておらず、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない」とのこと。

その一方で、「紀伊水道沖で通常とは異なる変化を2017年末頃から観測」しており、「紀伊水道沖における非定常地殻変動によるものである可能性」があるそうです:

紀伊水道沖で観測されている通常とは異なる変化については、以下のPDF資料の11ページ目にグラフや地図があります:

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8月10日大地震説


よくこんなことに気づいたと思います。力士が横綱に昇進してから4年後の誕生日に大地震が発生するジンクスがあるようです ――
  • 白鵬の誕生日は3月11日、横綱昇進は2007年、昇進から4年後の誕生日は2011年3月11日で東北地方太平洋沖地震発生。
  • 日馬富士の誕生日は4月14日、横綱昇進は2012年、昇進から4年後の誕生日は2016年4月14日で熊本地震発生。
  • 鶴竜の誕生日は8月10日、横綱昇進は2014年、昇進から4年後の誕生日は2018年8月10日。

詳しくは以下の記事で:

記事には載っていない朝青龍について調べてみると、誕生日は9月27日、横綱昇進は2003年、昇進から4年後の誕生日は2007年9月27日。この日に大きな地震は起きていませんが、「前後賞」を含めると以下のような災害や事件が起きています:
  • 9月26日 ベトナム南部で日本のODAにより建設中の橋が崩落。50人以上が死亡、100人前後が負傷。大成建設などが弔慰金、見舞金、遺児の養育費を拠出。
  • 9月27日 ミャンマーで取材中の日本人カメラマンが軍関係者によって射殺される。
  • 9月28日 マリアナ諸島で M7.4、深さ260km の地震発生。

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同一震源で短期間に2度の地震


茨城県北部で、2011 年3月19日に発生したM6.1の地震と2016年12月28日に発生したM6.3の地震は ――
  1. 衛星からの観測データで地表のズレの位置が完全に一致。
  2. 現地調査でも同じ場所でズレが2度生じたことを確認。
  3. 推定された地下数kmまでのズレ分布も概ね一致。
同じ活断層が短期間に繰り返し動いたと判明。2011年東北地方太平洋沖地震の余効変動により活断層沿いにきわめて大きなひずみの蓄積が急速に進行したため、と推定。

「内陸ではひずみの蓄積がきわめて遅いため、活断層による大地震の発生間隔は千年~万年のオーダー」になるとされてきました。しかし、「わずか5年9ヵ月の間隔で同一の活断層により地震が引き起こされたという、従来の常識を覆す事例」が見つかったことで、「地震発生確率の算定や長期予測の考え方を根本から変える可能性」があるとのこと:

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小惑星 2018 PR7 が月と地球に接近


8月6日に発見された小惑星〝2018 PR7〟が、発見前に月と地球に接近していたことがわかりました。

この小惑星はアポロ群に分類され、直径は 5~11m と推定されています。直径の小さい小惑星ほど発見が遅れ、地球接近(最悪の場合は衝突)の直前、あるいは接近・通過後になる傾向があります。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2018 PR75~11  (月)8月6日 05:13
(地球)8月6日 10:59
1.85
1.36
(1LD=地球から月までの平均距離) 

この小惑星が最接近した時の地球との相対速度は非常に遅く、秒速4.3km(時速約1万6000km)と計算されています。

このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


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2018年8月7日火曜日

防災袋に入れておけば良かったと後悔するもの


全3ページにわたる記事ですが、2ページ目に避難経験者が防災袋に入れておけば良かったと後悔する品目のリストがあります:

AI 地震予測


「MEGA地震予測」と称して GPS  のデータに基づく有料地震予知をおこなっている JESEA の村井俊治・東大名誉教授ですが、最近は AI(人工知能)を前面に押し出しているようです。でも、AI を援用してもあまり成果は上がっていないようです:


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