2017年7月10日月曜日

諏訪湖周辺の地下水の流れが変化


少し古いのですが『信濃毎日新聞』の記事(4月29日付)です。諏訪湖(地図)は、中央構造線とフォッサマグナの西縁を走る糸魚川-静岡構造線が交差する場所にありますが、この湖のほぼ全周にわたって護岸のために鋼矢板が打ち込まれたため、湖周辺で地下水の流れが変わってしまったとみられることを伝えています:

上記記事はすでに削除されていますので、私が保存している控えから要点を列挙します:
  • 鋼矢板が打ち込まれたのは、1967年から1990年ごろにかけて。
  • 諏訪湖一周約16kmのうち、約14kmにわたって鋼矢板が垂直に打ち込まれている。
  • 鋼矢板の壁は諏訪湖を二重に取り囲んでいる。
  • 諏訪湖は最も深いところで6~7mであるのに対して、鋼矢板は深さ13mに達している。
  • 諏訪湖の湖底にはガスが噴き出すくぼ地「釜穴」があるが、鋼矢板が打ち込まれて以降はその数が減った。水の勢いが強く、真上の水面が盛り上がる「釜穴」もあったが、今では見られない。
  • 山からの地下水が鋼矢板に遮られて諏訪湖に入らなくなっている可能性がある。
  • 湖水の貧酸素状態と何らかの関係があるとの見方もある。
  • 県の建設事務所は5月以降、ボーリング調査を実施。1年ほどかけて地下水の流れ方を調べる。

湖水の貧酸素が原因とみられる魚類の大量死も発生しています。「1975(昭和50)年ごろ、年間の魚介類の漁獲量は年400トンあった。それが93年には170トンに減り、昨年はわずか13トン余に落ち込んでいる」:

諏訪湖に流入するはずだった地下水はどこに流れていっているのでしょうか。水が断層を滑りやすくして地震の引き金になることもあるようです。諏訪湖の辺りは断層が発達していますから気がかりです。


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