2018年3月11日日曜日

サケの産卵行動が「山を動かす」


「点滴を石をも穿つ」の実例、あるいは「塵も積れば山となる」の逆(塵も削れば谷になる)と言うべきか。無数のサケの産卵行動が長期間繰り返されることによって、米国北西部の河川では、河床の浸食が通常よりも加速している、という研究が発表されました。

サケは自分が生まれた川をさかのぼって、産卵に適したサイズの小石や砂利が川床にある場所で産卵と授精をおこないます。産卵の前、雌のサケは川床を掘ってくぼみを作り、その中に産卵します。雄が受精させた後、雌は産卵場所の上流側を掘り、巻き上がった砂利や堆積物によって授精した卵を覆います。

研究によると、サケの繁殖行動がない場合と比べて、川床が低下する度合いが30%近く高まると推計されています。無数のサケのつがいが数百万年間にわたって産卵行動を繰り返すことによって、米国北西部の地形は影響を受けているとのことです: