2012年3月1日木曜日

2040年のアルマゲドン (その2)


2月29日付「2040年のアルマゲドン (その1)」からの続きです。

この件についてNASAはどのように言っているのでしょうか。以下はNASA・JPL(ジェット推進研究所)が掲載している記事です(2つの記事の内容は同一で、URLが異なっているだけです):

以下は記事からの抜粋・テキトー訳です:
28年後に地球に衝突する軌道に乗っているという極めて可能性の低いシナリオのために、〝2011 AG5〟という小惑星が最近注目を集めています。現時点では10段階のトリノスケールで〝1〟にランクされている、このとりたてて特徴のない宇宙の岩塊について、科学的観点から真偽を確認してみましょう。 
小惑星〝2011 AG5〟は、2012年2月26日の時点で8744個見つかっている地球接近天体の一つに過ぎません。その直径はおおよそ140m。その軌道は、太陽から遠いところで火星の軌道の外側、近いところでは地球と金星の軌道の中間を通っています。この小惑星を発見したのは、アリゾナ州ツーソンの北に位置するカタリナ山地(地図)のレモン山山頂にある口径60インチのカセグレン式反射望遠鏡を使った天文学者たちで、2011年1月8日のことでした。 
現在、〝2011 AG5〟は昼間の空に位置しているため、地上の望遠鏡では観測できません [訳注: 夏の星座を冬に見ることができないのと同じ理由]。そのため、科学者たちは数十年先のその小惑星の位置を信頼できるレベルで決定できずにいます。しかし、観測可能になる日はやって来ます。 
NASAの地球接近天体プログラム・オフィス(カリフォルニア州パサディナ、ジェット推進研究所)のマネージャーであるドン・ヨーマンズは次のように語っています ―― 「2013年9月になると、〝2011 AG5〟は地球から1億4700万kmまで近づき、追加の観測ができる機会がやって来ます」、「その時期になれば、この宇宙の岩塊を観測し、その軌道をさらに精密に求めることができます。このサイズの地球接近小惑星が地球に衝突する可能性はきわめて低いので、この時期の観測によって〝2011 AG5〟が予見可能な将来に地球に衝突する確率を大幅に低くするか、衝突の可能性を完全に除外することができると考えています。」 
次に〝2011 AG5〟が地球に近づくのは2023年2月です。そのときの地球との距離が190万kmを下回ることはありません。その次は2028年ですが、このときの距離は2060万kmを下回りません。地球接近天体プログラム・オフィスは次のように公式に発表しています ―― これらの地球接近の際に〝2011 AG5〟が地球の重力の影響を受けて2040年2月5日に地球に衝突するコースに載る可能性があるが、それが起こる確率は非常に低く、625分の1である。 
「繰り返しになりますが、来年おこなわれる追加の観測によって衝突の確率は変わるという点に留意してください。私たちはそれが地球にとって良い方向に変わると考えています」とヨーマンズは語っています。

昨年のエレーニン(エレニン)彗星のときと同じように、フィア・モンガーやドゥーム・セイヤーの人たちが、この小惑星に関する報道に尾ひれをつけて騒ぎ立てるかも知れません。でも、そのような人たちの言を信ずるならば、マヤのカレンダーの終了にともなって2012年12月に人類は滅亡しているはずですから、2040年に小惑星が落ちてきたところで人類にとっては痛くもかゆくもありません(笑)。


(完)


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