2009年7月25日土曜日

国際宇宙ステーションの最後

スペースシャトル「エンデバー」が運んだ船外実験施設を取り付けたことによって、国際宇宙ステーション(ISS) における日本の実験棟「きぼう」が 7月 19日午前(日本時間)にようやく完成しました。四半世紀にわたる開発期間と 7000億円を超える巨費が費やされた「きぼう」ですが、はたしてそれに見合う成果が上げられるのでしょうか。

NASA の ISS を担当する責任者が、ISS の運用は 2015年で終了し、2016年第 1 四半期に ISS を太平洋に落下させると公言しています。以下は、ワシントン・ポスト紙の 7月 13日付の記事です:
2010年には最後のスペースシャトルが退役し、ISS への有人の交通手段はロシアのソユーズだけとなってしまいます。そのような状況下で、多額の税金を投入した「きぼう」は、タイムリミットの 2015年までに十分な成果が上げられるのか、非常に心許ない状況です。

ISS の運用終了は、NASAの予算削減や、宇宙開発の優先度が国際宇宙ステーションから有人月飛行と月面基地建設にうつったことが主な原因です。アメリカの中にも賛否両論があり、ISS の延命を望む声の一方で、ISS の効用に非常に懐疑的な意見も多数出されています。

上記記事の末尾では、"Give it to China. Let them support the damn thing."(ISS を中国にやってしまえ。連中にそのくだらないしろものを維持させればいい。) という意見も紹介されています。中国は、国際宇宙ステーションのプロジェクトには参加せず、独自の宇宙ステーション建設を計画しています。