2016年10月31日月曜日

緑色の発光物体が飛行 ― 東日本各地


10月31日午前5時40分ごろ、東日本の広い範囲で緑色に発光する物体が東から西に向かって飛行するのが目撃されました。火球か大気圏に突入した人工衛星ではないかとみられています。日本火球ネットワークの掲示板には、青森、岩手、秋田、新潟、千葉、東京、神奈川などから目撃報告が寄せられています:

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2016年10月30日日曜日

富山県東部で群発地震 (続報-8)


黒部ダム(地図)の北北東で発生している群発地震。「地震の回数は減少していますが、地震活動は継続しています」、「弥陀ヶ原の火山活動には特段の変化はなく、直接の関係はありません」:

「この周辺は今後冬期に向い入山する方も限られてきますので、地震解説資料の発表は今回をもって終了します」とのことです。


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鏡肌(かがみはだ)


米国アリゾナ州のローハイド・スロット・キャニオン(地図)でみられる鏡肌(slickenside)。写真につけられた撮影者の説明によると、鏡肌の表面には垂直方向に走る条線がみられ、断層が上下方向に食い違ったことを示しているとのこと:

「スロット・キャニオン」は幅の狭い渓谷を意味しています。


富士山麓のミネラルウォーターから臭素酸


富士山麓で製造されたミネラルウォーターから、発がん物質である臭素酸が検出されました。食品衛生法で定められた基準値の2倍に当たる量です。製造したのは山梨県西桂町(地図)にある工場:

「臭素酸は、ミネラルウォーターの消毒を行う際に、原料水に含まれる臭素が酸化してできる副産物」、「原料となる水に含まれる臭素が、オゾン殺菌等により酸化されて生成します」ということですから、地下から汲み上げた原料水がふだんより多い臭素を含んでいたということではないでしょうか。製造場所の西桂町は、富士山から北東に約20kmのところです。

臭素ハロゲン元素の1つです。臭素と火山活動の関連については、以下の様な報告があります。「1989-1992 年にかけての各元素濃度の急激な上昇は同時期に観測された草津白根山における活発な火山活動期と一致している」:

関東地方で販売されているミネラルウォーターには富士山の周辺を採水地としているものが多いようです。例えばサントリーの『南アルプスの天然水』やコカコーラの『森の水だより』は山梨県北杜市白州町が採水地と表示されています。今後、富士山麓で採水されたミネラルウォーターの回収が増えたりしたときは、富士山は要注意かも知れません。


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近畿圏中心領域大型地震 (続報-123)


八ヶ岳南麓天文台の串田氏が10月29日16:00付で更新情報を出しています ―― 現時点では11月2日地震発生の可能性を否定する材料なし:

以下は最新の更新情報 No.175 のまとめです ――

推定時期 可能性[1] 11月2日(または3日)
条件: 10月31日夜に前兆終息
可能性[2] 11月2日前後に新たな極大が出現
この場合は、その後の推移を観測し検討
推定時刻 午前9時±1時間 (または午後6時±3時間)
推定震央領域 更新情報の地図参照
(点線: 大枠推定領域、太線: 可能性が考えやすい領域)
推定規模 M7.8 ± 0.5 陸域の地震、震源の深さ30km以浅


▼ 現状
  • CH06(八ヶ岳) ― 10月25日18時~27日05時に糸状特異出現、中心は10月26日12時(26.5日)

  • CH20(八ヶ岳) ― 10月27日、28日に弱い特異が出現

  • CH21(八ヶ岳) ― 10月26日19時~27日05時に糸状特異出現、中心は10月27日00時(27.0日)

▼ 考察
  • 現在は第19ステージ。前ステージから計算した10月16日±に対して、10月15日に極大が観測された。

  • 10月15日が最終極大である場合は、10月28日夜に前兆が静穏化し、地震発生前の静穏期に入る可能性があった。しかし、CH06やCH21に特異状態が出現。

  • 地震発生時期(または次の極大時期)の推定:

    • CH17(八ヶ岳)のBF特異(初現9月21.4日、極大10月6.0日、終息10月26.4日)に経験則 [初現~地震発生]:[極大~地震発生]=20:13 を適用 → 11月2.1日±3日; [極大~地震発生]:[終息~地震発生]=3.9:1 を適用 → 11月2.4日±3日

    • CH20(八ヶ岳)などの特異状態(初現10月5.4日、極大10月15.0日)に経験則 [初現~地震発生]:[極大~地震発生]=20:13 を適用 → 11月2.3日±3日

    • CH21(八ヶ岳)などの特異状態(主極大10月15.0日、副極大10月21.1日)に経験則 [主極大~地震発生]:[主極大~副極大]=3:1(~3.2:1) を適用 → 11月1.8~3.5日

  • 前兆終息時期の推定:

    • CH06、CH21に出現した特異状態。極大は26.5日と27.0日。これに経験則 [極大~地震発生]:[終息~地震発生]=3.9:1 を適用 → 10月31.6日、10月31.8日

  • 11月2日(または3日)に地震発生となることを否定する根拠となる前兆は出現していない。11月2日発生は否定困難。

  • 11月2日前後に次の極大が出現し、第20ステージに移行する可能性も完全否定は困難。

  • 11月1日時点で前兆が継続し続けるか、同2日前後に新たな極大が出現した場合は、11月2日(または3日)の地震発生は完全否定される。

串田氏の地震予測手法についてお知りになりたい方は、同氏の著書(『地震予報』、PHP新書 833)か以下の資料をご覧ください:


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2016年10月28日金曜日

スキャパレリ、火星に激突 (続報)


10月23日付「スキャパレリ、火星に激突」の続報です。

衝突地点のさらに解像度の高い画像が公開されました。火星を周回中のマーズ・リコネッサンス・オービターに搭載された HiRISE(High Resolution Imaging Science Experiment)カメラで10月25日に撮影されたものです:

画面右上の黒い点は、着陸試験機スキャパレリの底部に取り付けられ、パラシュートで降下中に投棄された耐熱シールド、その左下方向がスキャパレリ本体の衝突地点、さらにその下方がパラシュートとスキャパレリ本体の上部を覆っていたバック・シェルとみられています。

スキャパレリ本体は予定よりも高い高度で逆噴射エンジンが停止したために、火星表面に高速で衝突したと考えられています。周囲に物質が飛散していることから、衝突地点には浅いクレーターができていると推定されています。


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鳥取県中部の地震の地殻変動 (続報)


国土地理院が発表した、鳥取県中部の地震による3次元の地殻変動(水平成分と上下成分)です。地球観測衛星「だいち2号」のデータを解析した結果です。水平成分は矢印で方向と変動量、上下成分は色分けで変動量(ピンク系は隆起、紫系は沈降)が示されています:


紫色の沈降領域とピンク色で示された隆起領域は、地震発生前には断層周辺に蓄積する歪みによって、それぞれ隆起・沈降していたものが、地震発生によって歪みが解消し元の水準に戻ったとも考えられます(隆起→地震→沈降、沈降→地震→隆起)。だとすると、人工衛星によって長期間観測を続け、上の図の紫色とピンク色が逆転した図が得られた場合、地下の断層の位置や方向、地震発生の可能性などが予測できるのではないでしょうか。


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10月28日は巨大地震の特異日?


旧暦の日付と太陽暦の日付をきちんと区別し、さらに巨大地震の全体数を考えれば、10月28日に特に多くの巨大地震が発生しているとは言えません:

以下は、上記記事中で「10月28日」に起きたとされている地震の発生日です:

太陽暦 旧暦 地震
878 11月1日 9月29日 関東諸国、特に相模・武蔵
1611 12月2日 10月28日 三陸沿岸・北海道東岸
1707 10月28日 10月4日 『宝永地震』
1891 10月28日 『濃尾地震』
参考:『理科年表』(丸善株式会社) 

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小惑星 2016 UR36 が地球に接近


10月31日午後0時9分(日本時間、誤差±14分)、小惑星〝2016 UR36〟が地球に 1.30LD まで接近します(1LD=地球から月までの平均距離)。

この小惑星は10月26日に発見されたもので、アポロ群に属し、直径は8~18mと推定されています。

最接近時の地球との相対速度はかなり速く、秒速18.1km(時速約6万5000km)と計算されています。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2016 RU368~18 10月31日 12:09 1.30


このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


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2016年10月27日木曜日

迷いクジラ漂着 ― 高知県土佐清水市


10月24日、高知県土佐清水市大岐(地図)の海岸にクジラが迷い込み、砂浜に打ち上げられました。体長約2mで、コマッコウオガワコマッコウとみられています。発見から約3時間後に、住民らによって無事に海にもどされました。「死んだクジラはたまに見るが、生きて打ち上がったのは初めて」(高知県ウミガメ保護スタッフ)、「クジラやイルカが迷い込み、浜に打ち上げられたとの情報は、幡多地域で数年に1回程度ある」(高知県立足摺海洋館):

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リュウグウノツカイ漂着 ― 沖縄県糸満市


10月25日、沖縄県糸満市にある喜屋武漁港(地図)近くの海岸に、リュウグウノツカイが打ち上げられているのが見つかりました。体長4.1m:

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2016年10月26日水曜日

鳥取県中部の地震 ― V字形の余震域


2本の断層が関与しているということなのでしょうか:

2016年10月25日11:45から24時間の震源分布
防災科学技術研究所 「2016年10月21日 鳥取県中部の地震」より

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CME(Coronal Mass Ejection)


NASAが打ち上げた一対の太陽観測衛星STEREO。「衛星」とはいっても実際には太陽の周囲を回っているので人工惑星です。この2機のSTEREOが撮影した画像はNASAのサイトで公開されていますが、以下はその画像の見方を解説した記事です。

注目すべきは、動画(YouTube動画では48秒目あたりから)に写っているCME(コロナ質量放出)というコロナガスの爆発的噴出と、その後に画面が雪が降ったように白くなる現象です。これはCMEによって太陽から放出された光速に近い高エネルギー粒子が、STEREOの撮像素子(CCD)に衝突して残した飛跡です:

福島第一原子力発電所の格納容器内に入ったロボットカメラの画像にも似たような飛跡やノイズが写っていましたが、STEREOに襲いかかった高エネルギー粒子はそれをはるかに上まわっています。

CMEが放出した高エネルギー粒子は、地球の磁場と大気に遮られて地上の私たちの体に害を及ぼすことはありません。しかし、大気圏外の国際宇宙ステーションに滞在している宇宙飛行士たちにとっては深刻な放射線被爆リスクとなります。放射線量が増大すると予報されたときには、シェルター(ステーション内で比較的壁が厚く遮蔽効果の高い場所)に避難することになっているそうです。

STEREOについては以下を参照してください:

CME(Coronal Mass Ejection)は「コロナ質量放出」と訳されることが多いですが、〝mass〟には「質量」という意味の他に「大量の」という意味もあるので、「コロナ大量放出」あるいは「―噴出」とした方が実感に合っているように思います。


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2016年10月25日火曜日

サクラ咲く ― 全国各地


日本全国で季節外れのサクラの開花が続いています。これまで見逃していた記事を一挙掲載。東日本大震災や熊本地震の被災地でも咲いています。

▼ 北海道札幌市、栃木県小山市

▼ 北海道苫小牧市

▼ 岩手県久慈市

▼ 埼玉県杉戸町

▼ 神奈川県箱根町

▼ 滋賀県近江八幡市

▼ 福岡県粕屋町

▼ 大分県日田市

▼ 熊本県甲佐町

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鳥取県中部の地震 ― 「熱移送説」が予測していた?


熱移送説の提唱者・角田史雄氏(埼玉大学名誉教授)が、著書『次の「震度7」はどこか!』の中で「熊本地震を発生させた熱エネルギーが中国地方(大山火山帯)に移送されるため、次は中国地方の日本海沿岸地域が危ない」と予測していたとのこと:

さらに同氏は「西ノ島(東京の南約1000キロメートルに位置する)の面積を12倍にした熱エネルギーが、2020年頃に本州地域に到達する」、「熱エネルギーの規模が格段に大きければ、伊豆・相模地域に限らず首都圏直下でも大規模直下地震を発生させる可能性がある」と警告しています。周知のとおり、2020年には東京オリンピックが開催されることになっています。


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2016年10月24日月曜日

鳥取県中部の地震 ― 地震予知研究者たちの成績表


横浜地球物理学研究所のブログ記事です。「鳥取県中部での地震をピタリと言い当てたと言える研究者や有料予測サービスは、見当らないようです」、「M6.6(Mw6.2)程度の今回の地震では、『規模が小さ過ぎて予測できなかった』と言えば良いように思います。ですが、もうすでに、上述した方々のうちの一部が『予測していた』と主張しているようです」:

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鳥取県中部の地震の地殻変動


地球観測衛星「だいち2号」から観測した鳥取県中部の地震の地殻変動。震央から北西方向に放射状に地殻変動の大きな領域が広がっています。反対の南東方向には大きな変動が見られないのはどう考えるべきなのでしょうか。震源断層は北北西-南南東方向に延びる左横ずれ断層とされています:

SAR解析については以下を参照してください:

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ロシアの地震学者、日本とアメリカの巨大地震を警告


SPUTNIK』の記事なのであまり真に受ける必要はありませんが ・・・ 「GPSデータを分析したところ、南海トラフでは今非常に危険なスポットがみられる」、「南海トラフは熟した膿瘍にも比すべき突出性を示している。その座標さえ言える。北緯34度、東経138度だ」、「日本と同様の地震学的スポットが北米大陸中心部にもあることが分かった。1811-12年に巨大なミズーリ地震を起こしたニューマドリッド断層だ」:

記事中で地震学者のアレクセイ・リュブシン氏が述べている「コヒーレンスフィールド」が具体的にどのようなものかわかりませんが、とにかく日本のGPSデータを分析しているようです。同氏が指摘している「北緯34度、東経138度」(地図)は、南海トラフではなく駿河トラフになると思うのですが、はるかロシアから見れば大差ないのかも知れません。


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串田氏は予測していた ― 鳥取県中部の地震


八ヶ岳南麓天文台の串田氏が10月22日16:30付で更新情報を出しています:

今回の更新情報では、No.1778前兆についての言及はわずかです ―― 前回の更新情報(No.173)の見解から変更なし。前兆は減衰中。11月2日±2日に地震発生の可能性あり。

今回の更新情報の中心テーマは、これまでの更新情報でNo.1778前兆に関連するとしてたびたび言及されていた火山帯近傍地震前兆です。以下にまとめます:
  • 10月21日14時07分に発生した鳥取県中部の地震。最大震度6弱。暫定値ではマグニチュード6.6、震源の深さ11km。震央は大山(だいせん、伯耆大山、地図)の東約25km。この地震について、熊本地震後に出現しはじめた火山帯近傍地震前兆(S型)の影響局等の解析から、5月19日に地震前兆検知公開実験参加者向けに「推定領域は鳥取県中部」と配信。さらに、7月19日が前兆の極大であると判断して、10月7日に地震前兆検知公開実験参加者向けに「発生時期は10月19日±5日」と配信。

  • 熊本地震後に出現しはじめた火山帯近傍地震前兆

    • 4月18日初現(S型+N型)
    • 7月20日前後2週間にS型が顕著に5回出現
    • 7月17~25日にN型が顕著に出現(特に19日と21日)

  • 7月19日が極大であると判断して「発生時期は10月19日±5日」とFax配信したが、7月19日と21日の中央である7月20日を極大として、火山帯近傍地震前兆の経験則 [初現~極大]:[極大~地震発生]=1:1 を適用し、推定発生日を 10月21日± とした方が適切であった。

  • S型前兆は、その変動面積比から地震の規模を推定できる

    • 極大前後の約2週間の変動面積の合計から → M7.7±
    • 7月25日のS型の極大から → M6.8±0.5
    • 極大前後の約2週間の前兆出現は断続的であった → 合計した値では実際と調和しない → 極大時の面積の最大値を使用すべきであることを示唆

  • 今回の前兆には群発地震的要素が見えないので、熊本地震のような群発的活動はない見込み。N型が顕著に出現したので噴火の可能性も考えられたが、実際には地震のみ

  • 当初、規模の推定値を M7.7± としていた。この値がNo.1778前兆の推定規模と一致していたこと、さらに火山帯近傍地震前兆としては出現期間が長いことから、熊本地震後に出現した火山帯近傍地震前兆はNo.1778前兆と関連があると判断していた。しかし、実際は鳥取県中部の地震に対応するものであった

  • もう一つの火山帯近傍地震前兆

    • 8月7日前後に出現したS型
    • 8月6日から8月下旬に秋田観測点にだけ出現した多数の櫛歯前兆 → 推定領域が八ヶ岳より北であることを示す
    • 8月29日から黒部ダム近傍、活火山・弥陀ヶ原の北東で始まった富山県東部の群発地震に対応

  • 上記のように、本年4月から出現した火山帯近傍地震前兆は、鳥取県中部の地震と富山県東部の群発地震に関連。No.1778前兆関連の前兆ではない → No.1778前兆の推定領域は火山帯にきわめて近い領域ではないと判断。ただし、弱い火山帯近傍地震前兆が観測されているので、ある程度は火山に近い領域であることも否定できない

串田氏の地震予測手法についてお知りになりたい方は、同氏の著書(『地震予報』、PHP新書 833)か以下の資料をご覧ください:


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2016年10月23日日曜日

スキャパレリ、火星に激突


欧州宇宙機関(ESA)とロシアが共同開発し、今年3月に打ち上げた〝ExoMars 2016〟は、約7ヶ月間の飛行を経て火星に到達しました。〝ExoMars 2016〟は2つの部分から構成されています ―― 火星を周回して火星大気中のメタンガスなどを調査する〝Trace Gas Orbiter〟(TGO)と、火星着陸を目指す試験機〝Schiaparelli〟(スキャパレリは火星の「運河」を発見した人物の名前)です。

着陸試験機スキャパレリはTGOから分離され、10月19日に火星に着陸する予定でしたが、着陸の約50秒前に通信が途絶しました。その後、米国NASAの火星周回衛星マーズ・リコネッサンス・オービターが撮影した着陸予定地点付近の画像に、スキャパレリとみられる物体が写っており、その周囲が15m×40mにわたって黒く変色していることから、ESAはスキャパレリが時速300km以上の高速で火星表面に激突したと推定しています。

以下はNASAが発表している着陸予定地点付近の画像です。今年5月29日と10月20日に撮影された画像を比較できるようになっています。10月20日の画像に現れる黒い「シミ」が衝突痕、その下の方に見える白い点はスキャパレリが逆噴射前に切り離したパラシュートとみられています:

以下は、スキャパレリの着陸手順を示した動画です。最後の瞬間(地上1mくらい?)で逆噴射を止めて、ドスンと着地します:

〝ExoMars 2016〟は打ち上げ後、切り離したロケットが爆発あるいは分解したことによって生じたとみられる破片、少なくとも6個、が周辺に浮遊しているのが見つかっており、これが今回の着陸失敗の原因になった可能性もあります:

なお、TGOの方は予定された周回軌道に乗ったということです。


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2016年10月22日土曜日

サクラ咲く ― 長崎県平戸市


1週間ほど前から、長崎県平戸市獅子町の若宮神社(地図)でサクラが開花しています。「比較的暖かい日が続いたことが開花の一因と考えられる」(長崎大大学院水産・環境科学総合研究科)、「境内には約10本の桜が植えられており、1週間ほど前から花を付ける木が数本あった。その後花の数は徐々に増えていった」(住民):

この秋は、日本の北から南まで、春に花をつける植物が開花したとの報道が例年に比べて非常に多いです:

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モモが開花 ― 和歌山県串本町


10月20日、和歌山県串本町串本(地図)でモモの花が咲いているのが見つかりました。「満開になりそう。これからも見るのが楽しみ」、「この木に限らず、モモの花がこの時季に咲くのは見た記憶がない」:

串本町ではサクラの花も咲いています:

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滋賀県水没、ほんとうの琵琶湖県に


「琵琶湖の水止めたろか」どころか、滋賀県の歴史は「琵琶湖の水を流させてください」の歴史だそうです。「120年前に水位が3.76m上昇しただけで、えらいことになってますからね(明治29年琵琶湖大水害)」:

怖いなと思うのは、若狭湾沿岸にある「原発銀座」の重大事故で琵琶湖の水が放射能汚染されたとしても、琵琶湖の水を止めるわけにはいかないことです。風向きが幸いして大気の汚染は免れたとしても、水を通じて下流域にあたる近畿の人口密集地帯や瀬戸内海までじわじわと汚染が拡散してしまうのではないでしょうか。

2016年10月21日金曜日

鳥取県の大地震 過去との比較


本日午後2時7分ごろに発生した地震を含めて、鳥取県で発生した大地震をまとめてみました:
  1. 1943年9月10日17時36分 『鳥取地震』、鳥取県東部、深さ0km、M7.2、最大震度6、鳥取平野直下で発生した横ずれ型

  2. 2000年10月6日 13時30分 『平成12年鳥取県西部地震』、鳥取県西部、深さ9km、M7.3、最大震度6強、鳥取・島根県境付近の浅いところで発生した横ずれ型

  3. 2016年10月21日14時07分 鳥取県中部(震央地図)、深さ11km(暫定値)、M6.6(暫定値)、最大震度6弱、横ずれ型

今回の地震(3)は、(1)と(2)の震源域の中間で発生しています。いずれの地震も震源が浅い横ずれ断層型で、1年の中では秋、1日の中では午後に発生している点が共通しています。

(1)の地震から3年後の1946年には南海地震(M8.0)が発生しています。

今回の地震(3)は他の2つと比べると規模が小さい点が気になります。(1)の地震の場合は、約半年前の3月4日と5日に震源域付近でM6.2の地震が2回発生しています。今回の地震が、(1)のようなさらに規模の大きな地震の前震でなければよいのですが。

参考資料: 『理科年表』(丸善株式会社)、『日本の地震地図 東日本大震災後版』(岡田義光著、東京書籍)、「平成28年10月21日14時07分頃の鳥取県中部の地震について」(気象庁)

このブログの以下の記事も参照してください:

2016年10月20日木曜日

各所でサクラ咲く ― 和歌山県串本町


和歌山県串本町(地図)の各所で季節外れのサクラが咲いています。オオシマザクラやヤマザクラ。「当初、開花は一部の花だけだったが、どんどん増えている」、「サクラが季節外れに咲くことはよくあるが、木一部ではなくて全体的に咲くのは珍しい」、「台風の影響で葉が散り、気温の変動も重なって咲いてしまっているのではないか」(熊野自然保護連絡協議会):

今年は台風の影響か、日本各地でサクラが狂い咲きしています:

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蔵王山で火山性微動・火山性地震 (続報-4)


10月19日、蔵王山(地図)で火山性地震と火山性微動が各1回発生しました。前者が発生したのは午前7時前、後者は午後9時28分ごろで継続時間は約2分。地殻変動のデータに大きな変化はないとのこと:

蔵王山では先月22日、23日、25日にも火山性微動が発生しています(下記の関連記事を参照してください)。


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2016年10月19日水曜日

阿蘇噴火から関東大地震へ?


『週刊朝日』の記事に島村英紀・武蔵野学院大学特任教授が登場。

「熊本も阪神・淡路と同じマグニチュード(M)7.3ですが、熊本のほうが余震が長く続いているのは、大動脈たる中央構造線が活動を始めたと考えられるから」、「実は、中央構造線も長野からさらに首都圏にまで達しているかもしれない」、「中央構造線は導火線のごとく西端の熊本で火花を散らせ、やがては関東大地震を引き起こすのか」:

ちょっと煽りすぎじゃないでしょうか。

秋田駒ヶ岳で火山性地震増加


10月19日午前2時から午前4時にかけて、秋田駒ヶ岳(地図)で火山性地震が14回観測されました。震源は女岳の北東約5km付近で、最大規模はM2.3。火山性微動や地殻変動、噴気などは観測されていません。「日別地震回数が10回を超えたのは2016年3月13日(24回)以来です」:

秋田駒ヶ岳が最後に噴火したのは1970年から71年にかけてで、この時は中規模のマグマ噴火でした。


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クジラ漂着 ― 静岡県静岡市


10月16日、静岡県静岡市清水区蒲原神沢(地図)の海岸に、クジラが漂着しているのが見つかりました。体長は約4.6mで、アカボウクジラとみられ、すでに死んでいました:

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日本全土が揺れたパプアニューギニアの地震


パプアニューギニアで大きな地震が2つ、相次いで発生しました:
  1. 10月15日17:03(日本時間) M6.4 震源の深さ約450km 正断層型 (震央地図
  2. 10月17日15:14(日本時間) M6.9 震源の深さ約35km 逆断層型 (震央地図
前者は深発地震です。深発地震は浅い所の地震を誘発することがあると言いますから、後者は深発地震に誘発された地震かも知れません。

パプアニューギニア付近のプレート構造は非常に複雑です。

前者の地震が発生したビスマルク海は、北部に太平洋プレートとの境界となる海溝があります(上記震央地図参照)。この海溝では、太平洋プレートが海溝とほぼ並行に年速95~100mmで移動しており、ほとんど沈み込みは起きていません。ビスマルク海の中央部には海洋底の拡大軸が存在し、北西に向かって年速74mm、南東に向かって年速58mmで拡大しています。

後者の地震はニューブリテン島西部の海岸近くで発生しましたが、同島の南にはソロモン海があり、同島南岸沿いのニューブリテン海溝からソロモン・プレートが北に向かって沈み込んでいます。

以下は、Hi-netに記録された上記2つの地震の100トレース連続波形画像です。日本のほとんどの場所で揺れが観測されたことがわかります:

100トレース連続波形画像では、波形は北(北海道)の観測点から南(九州の観測点)の順で、上から下に並べてあります。北の観測点ほど地震波の到達が遅れていることに注目してください。最北と最南の観測点では到達時刻に約1分の差があります。


アザラシ出没 ― 新潟県上越市


10月17日、新潟県上越市名立区(地図)の漁港で、アザラシが目撃・撮影されました。「冬から春に海流で流されたアザラシが上越地域の海岸に漂着した例はあるが、秋に目撃されたケースはこれまでにない」(上越市立水族博物館):

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2016年10月18日火曜日

近畿圏中心領域大型地震 (続報-122)


八ヶ岳南麓天文台の串田氏が10月17日18:40付と10月18日15:30付で更新情報を出しています:

以下は最新の更新情報 No.173 のまとめです ――

推定時期 11月1日±2日
前兆が完全終息した時点で計算し修正予定
推定時刻 午前9時±1時間、または午後6時±3時間
推定震央領域 更新情報の地図参照 (点線: 大枠推定領域、太線: 可能性が考えやすい領域)
火山帯近傍地震前兆が関連ある場合には、ある程度火山帯に近い領域の可能性がある ―― 白山・御嶽山・乗鞍岳などの火山周辺領域の可能性もある
推定規模 M7.8 ± 0.5 陸域の地震、震源の深さ30km以浅


▼ 現状
  • CH17(八ヶ岳) ― 10月15日を中心に糸状特異が出現。16日夕刻以降、糸状特異の出現なく静穏状態。18日午前中に糸状特異が再び出現。

  • CH21(八ヶ岳) ― 10月17日、基線幅が拡大し徐々に静穏状態に向かっているように見えたが、その後、特異状態が継続出現。

▼ 考察
  • 10月12日初現、10月15日極大とすると10月19日に発生の可能性があったが、その場合、24時間程度の静穏期間が経験則で計算される。しかし、18日午前中でもCH17やCH21に特異状態が継続しているため、10月19日に地震発生となる可能性は否定された。

  • 前更新情報(No.172、17日夕刻現在)の段階では、前兆が静穏化傾向を示し、今月下旬まで前兆が継続することは考え難かったので、最も早い時期の10月19日が否定できない旨、報告した。「ご心配をおかけし申し訳ございません

  • 次に早い発生時期は、初現10月5日、極大10月15日から計算して → 11月1日±2日。この場合、10月27~28日ごろに前兆終息の見込み。

  • 現在は第19ステージ。前ステージ(第18ステージ)は10月16日±を示唆していたが、10月15日に極大が出現した。

  • No.1778前兆は2008年7月から継続。ステージ数が10を越えるのは、1995年の本格観測開始以来初めて。

  • 別の巨大地震が推定される前兆は観測されていない。

串田氏の地震予測についてお知りになりたい方は、同氏の著書(『地震予報』、PHP新書 833)か以下の資料をご覧ください:


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11月19日の発生否定 ― 串田氏


八ヶ岳南麓天文台の串田氏が10月18日15時30分付で更新情報を出しています。10月18日昼の時点でも前兆が終息せず → 10月19日の地震発生を否定。11月初めに発生の可能性:

詳しくは後ほど

岐阜県の地震が増えている?


岐阜県飛騨地方で10月1日から16日までに発生した地震数を去年と今年で比較してみました。気象庁震源リストから抽出したもので、有感地震だけでなく、マグニチュード0クラスやマイナスのマグニチュードの微小地震も含んでいます:


飛騨地方だけでなく、美濃東部と美濃中西部の地震を加えても同じ傾向です。3つの地域の合計が2桁になったのは、昨年は1日だけでしたが、今年は11日もあります。

10月19日の発生否定できず ― 串田氏


八ヶ岳南麓天文台の串田氏が10月17日17時40分付で更新情報を出しています。前兆が静穏化傾向、10月19日の発生否定できず:

詳しくは後ほど

2016年10月17日月曜日

7割の的中率を高いと評価するか、それとも


『プレジデント』誌の記事です。早川正士氏(電気通信大学名誉教授、日本地震予知学会会長、早川地震電磁気研究所代表取締役)の理論にもとづくインターネットサービス「予知するアンテナ」。「将来的には法人会員から会費を集め、個人会員には無料で情報を提供することも検討している」:

『プレジデント』は、以前は企業経営者や幹部向けの重厚な記事が多かったのですが、最近は事務系のハウツーものや上記のような記事が増えています。

上記記事中で早川氏は「これまで電離層(下部)の観測に基づいて予知した地震のうち65~70%が的中している」と述べていますが、当然のことながら批判があります。以下は、早川氏が「予知するアンテナ」に移る前に関与していた「地震解析ラボ」の予知情報に対する検証です:

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