パプアニューギニアで大きな地震が2つ、相次いで発生しました:
- 10月15日17:03(日本時間) M6.4 震源の深さ約450km 正断層型 (震央地図)
- 10月17日15:14(日本時間) M6.9 震源の深さ約35km 逆断層型 (震央地図)
前者は深発地震です。深発地震は浅い所の地震を誘発することがあると言いますから、後者は深発地震に誘発された地震かも知れません。
パプアニューギニア付近のプレート構造は非常に複雑です。
前者の地震が発生したビスマルク海は、北部に太平洋プレートとの境界となる海溝があります(上記震央地図参照)。この海溝では、太平洋プレートが海溝とほぼ並行に年速95~100mmで移動しており、ほとんど沈み込みは起きていません。ビスマルク海の中央部には海洋底の拡大軸が存在し、北西に向かって年速74mm、南東に向かって年速58mmで拡大しています。
後者の地震はニューブリテン島西部の海岸近くで発生しましたが、同島の南にはソロモン海があり、同島南岸沿いのニューブリテン海溝からソロモン・プレートが北に向かって沈み込んでいます。
以下は、Hi-netに記録された上記2つの地震の100トレース連続波形画像です。日本のほとんどの場所で揺れが観測されたことがわかります:
100トレース連続波形画像では、波形は北(北海道)の観測点から南(九州の観測点)の順で、上から下に並べてあります。北の観測点ほど地震波の到達が遅れていることに注目してください。最北と最南の観測点では到達時刻に約1分の差があります。