NASAが9月29日午後1時(日本時間30日午前2時)から、地球接近小惑星について記者会見を開くと予告していたので注目していました。発表されたのは次のような内容です:
一言でいえば、地球に接近する小惑星の数は、これまで推定されていたよりも少ないことがわかった、というものです。WISE(Wide-field Infrared Survey Explorer: 広域赤外線探査衛星)を使って小惑星の数を調査する NEOWISE プロジェクトの成果です。同プロジェクトは、2010年1月から2011年2月までの間に全天を2回にわたって赤外線でスキャンし、太陽から1億9500万km(1.3天文単位)の範囲内を公転する天体を数え上げました。
発表に含まれている以下の図がわかりやすいと思います:
図中の小惑星の絵は、1つで約100個分を表しています。茶色に塗られている部分は、すでに発見されている地球接近小惑星に該当しています。茶色と緑色の部分を合わせた部分が、今回の NEOWISE プロジェクトによって得られた地球接近小惑星の推定数です。青色で描かれた部分は、NEOWISE プロジェクト以前に推定されていた小惑星の数との差です。
図につけられている解説の一部を以下にテキトー訳します:
図でわかるように、最大クラス(直径1000m超)の小惑星については、これまでの推定数との差はわずかである。このクラスの小惑星が衝突した場合、地球全体に影響がおよぶ可能性がある。大都市圏を破壊する恐れがある中形の小惑星については、これまで考えられていた数よりも少ないと推定される。
直径 1000m 以上の最大クラスの小惑星については、NEOWISE プロジェクトで得られたデータによって、その総数が従来の推定値 1000 から 981 に減少した。大きな変化ではないが、このクラスの小惑星の少なくとも 90% 以上を発見するという1998年に連邦議会が設定した目標を満たすものである。このサイズの小惑星のうち 911個 はすでにしられていると推定されるので、NASA は 93% を発見済みということになる。おおよそ 70個が未発見で残っている。
直径 100m から 1000m までの中形小惑星の推定値は、NEOWISE のデータによって 44% 減少した。従来は 35000 個ほど存在すると考えられていたが、最新の推定値は 19500個である。
直径 100m に満たないサイズの小惑星は NEOWISE の調査対象になっていない。しかし、従来の推定によれば、100万個 以上が存在しているとみられている。
本文には次のような記述もあります:
直径 1000m 以上の地球接近小惑星の推定値は、1000 から 981 に減ったが、そのうちの 911個はすでに発見されている。この 911個については、今後数世紀にわたって地球の脅威とはならない。直径約 10km 級の地球接近小惑星はすべて発見されていると考えらる。この規模の小惑星は、かつて恐竜を絶滅に追いやったと考えられている。
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