2016年4月30日土曜日

5月に接近するキロメートル級小惑星


推定直径が1kmを上まわる小惑星で、5月中に地球に接近すると予報されているものはありません。ふつう、数個はあるのですが。


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日暈、上部タンジェントアーク、飛行機雲の影


オーストリアのウィーンで4月25日に撮影された写真です。氷晶(小さな氷の結晶)からなる薄いベールのような雲が太陽の前を通過したために、日暈と上部タンジェントアークが出現しました。上空を通過した飛行機の航跡を示すくっきりとした飛行機雲とその影も見えています:

飛行機雲は薄いベール状の雲よりも低いところ(手前)にあるように見えますが、実は雲よりも高いところにあります。雲に映った影がそのことを示しています。


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フランス西部で M5.2


4月28日午前8時46分(日本時間同日午後3時46分)、フランス西部ラロシェルの近郊を震源とするM5.2、震源の深さ10kmの地震が発生しました(震央地図)。M5.2は地元当局の発表で、EMSC(European-Mediterranean Seismological Centre)の発表ではM5.0となっています。負傷者や建造物の大きな損傷はなかった模様ですが、天井の一部が落下した、などの被害が報道されています:

フランス本土でこの規模の地震が発生するのは2014年4月以来。また、フランスで地震による死者が出たのは、1909年にプロバンス地方の Lambesc という町(地図)を襲った地震が最後で、この時は、死者46人、負傷者250人が出ています。

EMSCの専門家は、フランスでは Lambesc を襲ったような大地震が平均して100年に1度の割合で発生しているので、次の大地震が起きてもおかしくない時期になっている、と語っています。


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2016年4月29日金曜日

カラスの窓ガラス衝突頻発 ― 大分県大分市


大分県庁(地図)15階にある防災対策室分室では、4月になってからカラスが窓ガラスに衝突する出来事が頻発。通常は年に1~2回のところ、1日に7~8回の時も。地震発生後の4月15日以降はピタリと止んだとのこと:


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〝地震魚〟2匹を捕獲 ― 台湾・台東県


4月28日、台湾・台東県太麻里郷(地図)の沖に仕掛けられた定置網に〝地震魚〟リュウグウノツカイ2匹が入っているのが見つかりました。2匹はほぼ同じ大きさで、体長4.4m、重さ45Kg。台湾東部では27日深夜から28日にかけて、最大震度5[注]の地震4回を含む32回の地震が発生しています。「東部ではこれまでにも地震前後にリュウグウノツカイが沿岸や海岸に度々出現していた」とのこと:


[注] Wikipediaによると、台湾では2000年から、旧気象庁震度階級(1996年9月30日以前の震度階級で、震度5と6に強・弱の区分がない)を参考にした、0から7の8段階の震度階級(中央気象局震度階級)が使用されています。


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熊本地震: 震源は東を目指す?


以下のGIF動画は、2015年11月14日から2016年4月13日までの5ヶ月間と、2016年4月14日から4月27日までの震央分布を交互に見えるようにしたものです。2015年11月14日は、薩摩半島西方沖でM7.1(北西-南東方向に張力軸を持つ横ずれ断層型)が発生し、津波も観測された日です。2016年4月14日は熊本地震の「前震」(M6.5)が発生した日です:


以下は、薩摩半島西方沖の M-T図です。縦軸がマグニチュード、横軸が日時です。2015年11月14日にM7.1が発生して以降、地震活動が活発になっていましたが、2016年4月に入ってやや地震活動に間が見られるようになっていました。そして、4月半ばに地震の空白期間が現れたのですが、その時に熊本地震が発生しました:


2015年11月14日に薩摩半島西方沖でM7.1が発生すると、それに呼応するように熊本県では地震活動が活発化していました。政府の地震調査研究推進本部が出した『2015年11月の地震活動の評価』(PDF形式)には、「2015年11月中旬から熊本県熊本地方の地殻内で地震活動がやや活発となり・・・」と書かれています。

薩摩半島西方沖から始まって、熊本、阿蘇、大分と、中央構造線に沿って東に震源が広がっているように見えます。歴史を振りかえると、慶長豊後地震(1596年)のように中央構造線沿いに別府湾、愛媛、京都と地震が連鎖した事例があるようです。また、以下の記事では、トルコ北部を走る長大な北アナトリア断層帯で起きる連鎖地震との類似も指摘されています:

福岡管区気象台の地震情報官は、「(中央構造線に)影響があるか、連動していくかなどは分からない。気象台としては地震活動を監視していく」と述べています:

薩摩半島西方沖は沖縄トラフの北端部にあたり伸張応力の場(引っ張る力が働く場所)となっています。その延長上にある別府-島原地溝帯も同様で、一連の熊本地震でも伸張応力にともなう横ずれ断層の露頭が多く見つかっています。遠い将来(数十万年後)、九州は別府-島原地溝帯に沿って引き裂かれ、間に海が浸入して2つの島に分裂するとも言われています。


震央分布図とM-T図の作成には地震活動解析システム(TSEIS)を使用しました。TSEISは気象庁により決定された地震カタログを使用しています。同システムについては以下を参照してください:
  • 鶴岡 弘. WWWを用いた地震情報検索・解析システムの開発.情報処理学会研究報告;データベースシステム115-9, 情報学基礎 49-9, 65-70 (1998)


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2016年4月28日木曜日

近畿圏中心領域大型地震 (続報-94)


八ヶ岳南麓天文台の串田氏が4月26日17:00付で更新情報を出しています:

前回の更新情報の復習です ――
  • 4月19~20日にピークが出現することを予想。これを極大とし、4月14.0日を初現とすると4月29~30日±、4月9.5日を初現とすると5月7日±が算出される。

今回の更新情報のまとめです ――
  • 各観測装置の現状

    CH04(八ヶ岳) 記載なし。
    CH17(八ヶ岳) 糸状特異が継続していたが、4月22日11時ごろから正常基線。
    CH20(八ヶ岳) 記載なし。
    CH21(八ヶ岳) 特異状態が継続中。
    CH29(八ヶ岳) 4月22日から基線変動が非常に大きくなっている。毎日午前9時ごろに変化開始。
    CH34(八ヶ岳)4月22日午後から微弱な基線幅増大。通常基線より0.3mV程度。毎日午前9時ごろに基線幅が変化。
    A1(秋田)微弱な基線幅増大が継続中。
    A4(秋田) 記載なし。


  • 前回の更新情報で予測したとおり、4月19.7日に極大と認識できる変化が現れた。

  • 4月19.7日に対して初現を前回指摘した4月14.0日とすると、発震推定日は4月29~30日±となるが、一両日中に前兆が終息する可能性がないため、この選択肢は否定。

  • 残る初現の可能性は、同じく前回指摘した4月9.5日か、それ以前。

  • 4月9.5日を初現とすると、5月3日±に前兆が終息し、5月7日±に発震(または次の変化)の可能性が示唆される。

  • CH34に4月22日午後から微弱なBT(基線幅増大)が出現・継続。毎日午前9時ごろに変動があり、発震推定時刻(午前9時±)と合致。CH29にも4月22日から大きな変動が出現・継続。こちらも毎日午前9時ごろに変化開始が見られる。[注]


[注] 『地震予報』(串田嘉男著、PHP新書833、2012)から引用 ―― 「前兆変動の中で、基線が太くなる基線幅増大変動(BT)が1週間程度以上継続して出現する場合には、日々のBTの出現時刻、または終息時刻を記録していくと、一日の中で、ほぼ一定の時刻に出現、終息変化の時間帯が認められる。一日に二つの時刻帯が求められることになるが、どちらかの時間帯と、実際の地震発生時刻が一致しているのだ。」


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2016年4月26日火曜日

阿蘇山のマグマ溜まりが変形か、火山ガス倍増


熊本地震の本震(M7.3)によって阿蘇山周辺の地盤が南西側に引っ張られ、「中岳の西側の深さ6キロほどにあると考えられている『マグマだまり』が、西側に50センチ程度引き伸ばされて変形している可能性がある」、「『マグマだまり』の西側の部分の圧力は、地震の前と比べて3%ほど低くなっているとみられる」とのことです:

上の記事には「マグマだまりの圧力が下がれば、マグマの中に溶けていた火山ガスが出やすくなることが知られている」と書かれていますが、実際に阿蘇山の火山ガス放出量は増加しています:


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樽前山で火山性微動、火山性地震、傾斜変動


樽前山(地図)では、4月26日10時54分ごろと11時21分ごろに火山性微動が発生、火山性地震も増加しました。微動に伴って傾斜変動も観測されました。:

樽前山で火山性微動が観測されたのは2010年2月23日以来とのことです。


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熊本地震: 村井・東大名誉教授、全く予測できず? (続報)


全国の電子基準点のGPSデータを使った地震予測を有料でおこなっているJESEAの村井俊治・東大名誉教授は、熊本地震をまったく予測できていませんでした。以下はその謝罪と「弁解」の記事です。

「3月末まで熊本・宮崎・鹿児島周辺に警戒を呼び掛けていた」、「この地域の警戒を2014年5月から呼び掛けていました。あまりにも長く警戒を続けていては読者を不安にさせてしまうということで、昨年末に顕著な沈降現象を確認しながらも約2年が経過したことから警戒を解除してしまった」:

記事中で村井氏は、東北地方太平洋沖地震の際も「注意喚起できなかった。二度と同じ後悔はしたくない」と述べていますが、今回の熊本地震も勘定に入れるとすでに二度目では?

一方、村井氏/JESEAの「天敵」である横浜地球物理学研究所は次のようにツイートしています:


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熊本地震: 12年前に警告されていた


以下のツイートに写真が掲載されている新聞記事、布田川・日奈久断層に空白域があり、熊本でM7級に対する警戒が必要だと指摘しています。「お母さんの母子手帳?の中に入ってました。お母さんの実家熊本だから、ずっと気になってたみたいです」、「どこの新聞か聞いたんですけど覚えてないそうです」、「大分前の記事を一部分だけ切り取ってるので、日付け分かりません;;;;すいません;;;;」:

該当新聞記事を探したら、九州大学地震火山観測研究センターのサイトに記事のコピーが保存されていました。「空白域では、センターが観測を始めた84年以降ほとんど地震が起きていない」、「今すぐ起きるというものではないが・・・」:

翌年には次のような記事も出ています。「M7.5程度の大地震も 布田川・日奈久断層帯 専門家『警鐘と受け止め対策を』」:

「今すぐ起きるというものではない」と思って油断していると、災害は忘れたころにやって来る、です。


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2016年4月25日月曜日

白頭山に噴火の兆候?


中国と北朝鮮の国境にある白頭山地図)は、これまでに何度も噴火の兆候が取りざたされてきました。実際のところはどうなのでしょうか。「調査チームが多発する地震との関連を示唆」、「2002年から2005年にかけては群発地震が発生し、山頂が隆起した。以来、白頭山に大きな動きはない」:

白頭山の調査については、北朝鮮も欧米の科学者を受け入れ、観測機器の設置を認めているとのことです。しかし、欧米側は精密な観測機器が軍事に転用されることを警戒して、北朝鮮に持ち込む機器の種類を制限しているようです。


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熊本地震: 自治体庁舎被災を絶賛


熊本地震によって、5つの自治体で市役所や町役場の建物が倒壊の恐れなどから使用できなくなっています(『朝日新聞』報道):
  • 八代市役所本庁舎
  • 宇土市役所本庁舎
  • 人吉市本庁舎
  • 益城町役場庁舎
  • 大津町本庁舎

災害によって庁舎が使用できなくなると被災者支援や行政事務に支障が出る可能性があり、決して誉められたことではありません。場合によっては、建物の耐震化などの災害対策を怠ってきたことを非難されるべきかもしれません。

ところが、中国ではこのことが絶賛されているのだそうです。反日感情から日本の不幸を喜んでいるのではなく、本当に称讃しているのです。理由は以下の記事で:


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2016年4月24日日曜日

光柱現象? ― 宮崎県宮崎市


何なんでしょうか、これは。一般的な光柱現象とはずいぶん見かけが違います。掲載されているのは宮崎県宮崎市(地図)で4月20日午後7時半ごろに撮影された写真で、水平に横切る細い線は国際宇宙ステーションの光跡とのことです:

今年1月にフィンランドで撮影されたように、地上の街明かりが夜空に投影されているのでしょうか:


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地軸のぶれに異変


地球の自転軸である地軸にはぶれがあり、地軸が地表と交わる北極点や南極点は少しずつ移動しているのですが、2000年以降、この移動方向や移動速度に変化が現れているとのことです。「2000年以降の北極の移動は『劇的な変化を遂げた』」、「カナダ方向から経度にしておよそ75度東に向きを変え、子午線が通る英国グリニッジ方面に向かっている」:

地軸と地表の交点である北極点・南極点と、地磁気の北極・南極(北磁極・南磁極)は一致せず、その移動経路も異なっています。


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環水平アーク ― 大阪府大阪市


4月23日昼過ぎ、大阪市の上空に環水平アークが出現しました:


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阿蘇山沈降、杵島岳は亀裂だらけに


熊本地震の影響で、阿蘇山の草千里(地図)付近で約30cm、中岳(地図)で約20cm地盤が沈降。杵島岳(地図)は亀裂だらけに。「本震は、上下方向にも大きな地殻変動があったことがはっきりした」(国土地理院):

NHKの記事では国土地理院の説明として「断層の南側の地盤が西へ移動したことに伴い、阿蘇山では西へ引っ張られる力が働いて地盤が沈んだと考えられる」と書いています。


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2016年4月22日金曜日

熊本の大地震が関西にも地震を呼んだ?


熊本で4月14日夜に「前震」が発生する前、関西ではおおよそ3日間にわたって地震の発生が止まり、熊本で「前震」が発生すると関西でも地震が多発し始めた、とする記事です:

掲載されているグラフを見ると、関西では、たしかに4月11日午後から14日夜にかけて地震の発生がなかったようです。もしこの現象が事実であるならば、大地震の予知にも使えるのではないかという希望がわきます。でも、ある地域での地震がこんなにはっきりとした形で止まってしまうことがありうるのでしょうか。

TSEISをつかって同じ範囲(北緯32.5~38度、東経132~138度)、同じ時期の地震(M1.0~9.9、深さ30kmまで)のM-T図を描いてみました:

上の記事に載っているグラフのような数日にまたがる地震の空白期は現れません。また、記事のグラフをよく見ると4月10日にM7.0に近い地震が発生しているように見えます。グラフ作成の過程でデータ処理に何らかの錯誤があったのではないでしょうか。


震源分布図の作成には地震活動解析システム(TSEIS)を使用しました。TSEISは気象庁により決定された地震カタログを使用しています。同システムについては以下を参照してください:
  • 鶴岡 弘. WWWを用いた地震情報検索・解析システムの開発.情報処理学会研究報告;データベースシステム115-9, 情報学基礎 49-9, 65-70 (1998)


牧草地が大規模な隆起 ― 北海道陸別町 (続報)


4月21日付「牧草地が大規模な隆起 ― 北海道陸別町」の続報です。

隆起した現場の空撮映像を含むニュース動画があります:

昨日紹介した『十勝毎日新聞』の記事には凍上が原因とみられると書かれていましたが、上記の動画に登場している地盤工学の専門家は、「近くの斜面が崩れて雪解けで弱くなった牧草地を押し上げた」と説明しています。この専門家は『十勝毎日新聞』では凍上説を語っていたのですが、考えが変わったようです。

上記記事に「ちょうど1年前、知床の羅臼町でも起きていました」とある現象については、以下の関連記事を参照してください:


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湧水池が濁る ― 山口県美祢市


山口県美祢市秋芳町にある別府弁天池地図)は、名水百選に選ばれているほど澄んだ水が湧き出していますが、4月14日に白濁。原因は不明。13日までは透き通っていたとのこと。関係者は、「大雨や台風でもこれだけ濁ることはない。(中略) 今回は2011年の東日本大震災以来。この度も地震の影響ではないか」、「東北も熊本も離れているが、直ちに濁ったというのは偶然ではないと思う」。秋吉台科学博物館の学芸員は「数百キロ離れていることやこの辺の地質からすると地震の影響だとは考えにくい」:


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2016年4月21日木曜日

牧草地が大規模な隆起 ― 北海道陸別町


北海道足寄郡陸別町上陸別(地図)で、牧草地が長さ60m、幅30mにわたって最高3m隆起しているのが見つかりました。凍上という現象が原因だと考えられています。「こんな現象は初めての経験」:


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五重?の日暈 ― 沖縄県名護市


4月19日昼ごろ、沖縄県名護市(地図)で日暈が目撃・撮影されました。「細い輪を含めて五重に見える時もあった」:

拡大写真を見ると、太い輪の内側と外側に複数の細い輪が現れています。


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阿蘇カルデラの米塚(火砕丘)に亀裂入る


4月14日から続く熊本地震によって、阿蘇山のカルデラ内にある火砕丘で、国の天然記念物に指定されている米塚地図)に亀裂が入っていることが確認されました:

熊本地震を起こしたとされる布田川断層帯が阿蘇カルデラ内にまで到達していることが判明しましたが、米塚はこの断層帯の東端をさらに東に延長したところにあります:


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127年前の熊本地震


127年前の1889年(明治22年)7月28日深夜、熊本市を震央(地図)とする「熊本地震」(M6.3)が発生しています。『理科年表』(国立天文台編纂、丸善株式会社)には次のように記載されています:
熊本県西部: 熊本市を中心に半径約20kmの範囲に被害があり、県全体で全潰239、死20。橋の落下や破損が多かった。

今回の地震と同様に熊本城の石垣が崩れたようで、当時の庶民の日記には次のように書かれています(五野保萬の日記より、現代語に直してみました。原文はWikipedia所載):
熊本城の百閒石垣は、昔から大変なことが起きても少しも動くことがなかったと言われていたが、今回の地震によって長さ5間余りにわたって崩落した。また、城内の(他の)大きな石垣も所々で崩れたので、城内に駐屯していた鎮台の兵士も城から出て、山崎練兵場や川尻の辺りに移動した。城内には見張りの兵士だけが残った。28日の地震では鎮台の兵士に多くの死人や負傷者が出た。大いにあわてふためいて (中略) また合戦が始まったと誤解して驚き、(混乱した中で)死んだり負傷したりしたそうだ。
(注: 西南戦争で西郷隆盛を盟主とする薩摩軍が官軍の籠もる熊本城を包囲したのは1877年。)

この「熊本地震」の後、火山噴火や地震活動はどのように推移したでしょうか。

別府-島原地溝帯内部や縁辺部の火山(阿蘇山、雲仙岳、九重山、鶴見岳、伽藍山)に噴火の記録はありません。地震後にいちばん早く噴火したのは阿蘇山で、地震から5年後の1894年のことです。

地震はというと、「熊本地震」の翌年(1890年)、長野県北部でM6.2の被害地震が発生。さらに次の年(1891年)、日本の内陸地震としては最大といわれる「濃尾地震」(M8.0)が起きています。愛知県北部から岐阜県西部を貫いて福井県に至る長大な断層帯が左横ずれを起こしたもので、長さ約80kmにわたる大断層が地表に出現しました。断層のずれは水平方向に最大8m、上下方向が最大6m(断層の西側が隆起)。『理科年表』によると建物全壊14万余、半潰8万余、死7273、山崩れ1万余。

この「濃尾地震」の後、1892年に能登半島西岸(M6.4)、1893年に鹿児島県南部(M5.3)と被害地震が続き、1894年(明治27年)6月20日、東京都東部を震源とする「東京地震」(M7.0)が発生します。『理科年表』によると、青森から中国・四国まで揺れを感じたとのことで、東京、川崎、横浜、鎌倉、浦和方面などに被害がありました。

2016年4月20日水曜日

地震光 ― 熊本、エクアドル


4月16日に発生した熊本地震の「本震」(M7.3)とエクアドルの地震(M7.8)に際して、地震光(earthquake light、地震発光)とみられる現象が目撃されたり、撮影されたりしていました。しかし、エクアドルの方は ・・・

▼ 熊本

▼ エクアドル ― 2015年にアルゼンチンで撮影された動画を流用したものと発覚

▼ エクアドル ― こちらは本物か、「地震の直後に見られたオーロラのような光」、「大きくなったり小さくなったりしながら、青色から緑色に変色」


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2016年4月18日月曜日

近畿圏中心領域大型地震 (続報-93)


八ヶ岳南麓天文台の串田氏が4月17日17:00付で更新情報を出しています ― 前兆終息せず、4月下旬まで地震発生なし:

前回の更新情報の復習です ――
  • 初現はCH17の糸状特異が出現しだした3月21日。極大はCH20の電圧値低下のピークである3月31.5日。経験則を適用すると4月20日± が算出される。静穏期間は5日間 → 4月15日±まで前兆が継続する。

今回の更新情報のまとめです ――
  • 各観測装置の現状

    CH04(八ヶ岳) 4月17日昼から特異。
    CH17(八ヶ岳) 糸状特異。断続的に静穏状態が出現。
    CH20(八ヶ岳) 4月17日昼前から基線に対して大きく上に振り切れ状態。
    CH21(八ヶ岳) 4月14日から糸状に近い状態。
    CH34(八ヶ岳) 4月14.4日まで弱い基線幅増大。以降は正常基線。
    A1(秋田)記載なし。
    A4(秋田) 記載なし。

  • 4月17日現在も前兆が継続中 → 4月20日±に対応地震が発生することはあり得ない。

  • 4月14.4日にCH34の弱い基線幅増大(BT)が終息。以降は正常基線 → この変化は、3月31.5日極大に対応する前兆終息の可能性。(CH34の基線幅増大は微小であったため、誤差範囲内と考え見過ごしていた。波形グラフの時間軸を圧縮して見ると幅が増大していたことが明らか。4月14日以前から長く継続していたと認識。)

  • 「3月31.5日極大、4月14.4日終息」として経験則 [終息~発生]/[初現~発生]=1/6  を適用すると、4月19.2日が得られる → 前回更新情報で示した4月20日±と調和。この時期に新たなピークが出現するとみられる。

  • 4月14.0日ごろからCH20に大きな変動の特異状態出現。同時期にCH04にも不規則変動の特異状態が出現・継続。

  • 4月17日昼ごろから、CH20が基線に対して大きく上側に振り切れ状態。CH04の変動も大きくなっている。CH21は糸状に近い状態が続いている。

  • CH04、CH20、CH21の変動は4月14.0日が新たな初現であることを示唆。4月9.5日にも若干の特異変動が見られるので初現の可能性。

  • 4月14.0日を初現とし、4月20日±を極大と想定すると4月29~30日。4月9.5日を初現とすると、5月7日±が算出される。

推定時期 4月19~20日にピークが出現することを予想。これを極大とし、4月14.0日を初現とすると4月29~30日±、4月9.5日を初現とすると5月7日±が算出される。

4月20日±に極大が出現するか否か。4月23日ごろまで観測を続け前兆終息を確認した上で、4月29日±か5月7日±かを判断する予定。

推定発生時刻 午前9時±1時間 (または 午後6時±3時間)
推定震央領域 前回更新情報の地図参照。
推定規模 M7.8 ± 0.5
陸域の浅い地震(深さ数km~20km前後)


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熊本地震: 八ヶ岳南麓天文台・串田氏は予兆を捉えていた


八ヶ岳南麓天文台の串田氏は、4月17日17:00付で出した更新情報の中で、「熊本~大分顕著地震活動について」と題して今回の九州の多発地震について言及しています:

箇条書きにすると ――
  • 3月6日を極大とする過去に例のない長期の火山帯近傍地震前兆を観測。4月5日を極大とするBF前兆(基線のうねり変動、Baseline Fluctuation)を観測。

  • 極大~終息の観測から4月14日±と4月15日±を算出。

  • 4月2日の時点で、「4月13日±4日に地震発生の可能性あり、規模はM6.5まで」との予測を会員に報告。

  • 前兆はマグニチュードにして0.8~1の減衰があった可能性あり。長野県北部地震と同様に、通常の地震前兆が出現しにくい地震の可能性あり。


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熊本地震: 早川・電通大名誉教授は予兆捉えていた?


VLF電波の伝搬異常による地震予測をおこなっている早川正士・電気通信大学名誉教授(日本地震予知学会会長)の「地震解析ラボ」についての記事です。

「今回もその予兆をとらえることに成功。現在、九州地方のほか、全国3地域で新たな揺れが起きる恐れがあると警鐘」:

上記記事は4月15日付ですから、16日の本震(M7.3)発生前に書かれたものです。

4月8日から19日の間、伊予灘から日向灘にかけて、内陸でM5・0前後、海底で5・5前後、最大震度4程度という予測で、今回の熊本地震の予兆を捉えていたと言えるのでしょうか。ちなみに、伊予灘では4月17日の昼過ぎにM3.8、深さ70km、最大震度2の地震(資料)が発生しています。


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熊本地震: 村井・東大名誉教授、全く予測できず?


電子基準点のGPSデータを使った地震予測を有料でおこなっている村井俊治・東大名誉教授は、今回の九州の大地震をまったく予測できていなかったようです。以下のブログ記事に載っている地図を見ると、九州だけが完全にノーマークでした。「自身の地震予測が出鱈目の精度しかないことを率直に認め、研究を直ちにやめるか、少なくとも真摯な態度でいちからやり直して頂きたい」:

村井氏の釈明(4月14日)

村井氏の釈明(4月15日)

村井氏の釈明(4月17日)

村井氏に対する批判


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定置網にメガマウス ― 三重県尾鷲市 (続報)


メガマウスの出現と大地震の関係を扱った記事です。「2か月以内にマグニチュード6.0以上の地震発生」:


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特殊な「二重の日暈」出現 ― 岡山県浅口市


4月9日、岡山県浅口市鴨方町本庄の岡山天文博物館(地図)で、太陽の周りを二重に囲む日暈が撮影されました。「内側の『内暈(うちがさ)』と、内暈に接する楕円(だえん)形の『外接ハロ』が写っており、岡山地方気象台は『内暈と外接ハロが同時に見えるのはまれ』としている」:

4月10日には山梨県甲府市の上空に日暈が現れています:


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2016年4月17日日曜日

定置網にメガマウス ― 三重県尾鷲市


4月13日、三重県尾鷲市港町の尾鷲港(地図)から5km沖合に設けられた定置網にメガマウスがかかっているのが見つかりました。大きすぎたため、15日になって尾鷲港に水揚げされました。まだ生きていました。体長約5m、重さは1トン程度。「世界で100例ほど確認されており、県内では5例」、「尾鷲港で水揚げされるのは2回目」、「地震と関係あるんかな」:

過去の事例です:


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小惑星 2016 GP221 が地球に接近


4月18日午後3時22分(日本時間)、小惑星〝2016 GP221〟が地球に 1.54LD まで接近します(1LD=地球から月までの平均距離)。

この小惑星は4月14日に発見されたもので、アポロ群に属し、直径は17~38mと推定されています。

最接近時の地球との相対速度は秒速19.8km(時速約7万1000km)と計算されています。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2016 GP22117~38 4月18日 15:22 1.54


このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


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深海イカ捕獲 ― 北海道新ひだか町


4月13日、北海道日高管内新ひだか町(地図)沖で、キタノスカシイカとみられるイカが刺し網にかかり水揚げされました。「深海性で水深500メートル辺りより浅いところに来ることはめったにないので、人の目に触れるのはかなり珍しい」(日高地区水産技術普及指導所静内支所):

キタノスカシイカについては以下を参照してください:


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2016年4月13日水曜日

シカが迷い込む ― 静岡県静岡市


4月13日、静岡県静岡市清水区(地図)の国道バイパスに、野生とみられるシカがいるのが見つかりました。発見から4時間余り後に捕獲され、有害鳥獣として処分されたとのことです:


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火の鳥!


4月13日にフィンランドの Salla(地図)で撮影されたオーロラです。高速の太陽風が地球磁気圏に到達したために、北極圏では G1級(5段階の1番下)の磁気嵐が発生したとのことです:


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2016年4月12日火曜日

三重県南東沖地震 (続報-2)


南海トラフ巨大地震との関連を否定せず。「続報」でリンクを張った地震調査委員会の報告書(PDF形式)について、このように書かれると心配になってきます。

「気象庁が『巨大地震に直結する現象は観測されていない』として連鎖的な地震の発生を否定していた見方を翻しているとも言える」、「プレート境界付近での低周波地震が観測されていることから『現時点では判断できない』として結論を先送り」:

科学者の立場としては、情報が十分ではないので 肯定も否定もできないということなのでしょう。頭をよぎったのは以下のツイートです。人名の部分は、福山雅治やディーン藤岡など、お好みに応じて適宜置換してください:


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三重県南東沖地震 (続報)


4月1日に発生した三重県南東沖地震についての、政府の地震調査委員会の見解です。

「南海トラフの巨大地震の想定震源域の中」、「マグニチュードは6.5、震源の深さはおよそ10キロ」、「余震の回数は通常より少なく、およそ10キロ北西へ離れた海域で起きている」、「プレート境界で起きたかどうかは現時点では判断できず」、「地震の前後に奈良県や和歌山県の内陸や震源の南東側の海域で、いずれもプレート境界付近を震源とする『低周波地震』」を観測:


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2016年4月11日月曜日

蚯蚓で安政江戸地震を予知した下士


白野夏雲が著した『地災集覧』に載っている話です。現代文に直してみました:
安政乙卯江戸地震のとき、旗本に仕える一人の下士(低い身分の武士)が巣鴨(地図)に住んでいた。ある日、その庭にたくさんの蚯蚓(ミミズ)が出て死んでいた。その下士が言うには「これは大地震の徴(しるし)である」と。下士の親族はみな庭で寝起きして、家には入らなかった。近隣の人たちはこの様子を見て笑っていた。4~5日経って大地震が起きた。下士の家屋も倒壊したが、下士の親族は全員が無事であった。

安政江戸地震は旧暦・安政2年10月2日(西暦1855年11月11日)午後10時ごろに江戸を襲った直下型の大地震で、マグニチュードは6.9~7.4、震央は荒川河口付近(おおよそ現在の葛西臨海公園や東京ディズニーランドのあたり、他説あり)で、死者1万人、負傷者は数千人と推定されています。

気温の高い時期の雨上がりに、多数のミミズが地表に出て死んでいるのを見かけることはありますが、安政江戸地震が発生したのは現在の暦では11月で、寒い季節です。

下士の住んでいた巣鴨は安政江戸地震の震央から約20kmです。

『地災集覧』の原文は、『地震前兆現象 予知のためのデータ・ベース』(力武常次、東京大学出版会、1986)を参照しました。


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爆発と爆縮のリフレイン


たまたま出遭った動画を紹介します。水中で銃を発射するとどんな現象がおきるのでしょうか。

弾丸は銃口から出るとすぐにスピンの方向が乱れ、数メートルほど進むと勢いを失います。これは予想通りです。

興味深いのは、火薬の燃焼によって発生したガスと、弾丸が高速で通り抜けた跡にできた空隙に起きる現象です。発砲の瞬間に高速で膨張した空隙が次の瞬間には収縮に転じ、一点に凝縮したかと思うと再び膨張し始め、また収縮します。これを何度も繰り返し、まるで振動しているようです。通常の映像ではそのような現象がおきていることは全く見えないのですが、超スローモーションの映像でははっきり見えます:

以下は、水中に放り込んだ花火の映像ですが、同じような「振動」が起きています:


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2016年4月10日日曜日

平城宮跡上空に環天頂アーク ― 奈良県奈良市


4月6日午後、奈良県奈良市佐紀町の平城宮跡(地図)上空に環天頂アークが現れました。「上空の大気中に浮かぶ小さな氷の結晶に太陽光が屈折、いくつかの条件がそろったときにだけ、虹のような帯が現れる現象」:


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2016年4月9日土曜日

ミンククジラ漂着 ― 神奈川県大磯町


3月30日、神奈川県大磯町(地図)の海岸に、体長7.3mのミンククジラが漂着しているのが見つかりました:


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ザトウクジラ漂着 ― 長崎県長崎市


4月8日、長崎県長崎市大籠町(地図)の海岸に、体長約7mのザトウクジラの死骸が漂着しているのが見つかりました。「長崎付近の海でこれ(ザトウクジラ)がいるというのもあまり聞かない話なので、珍しい現象だと思う」(長崎大学大学院・水産学部海棲哺乳類研究室)、「20年以上漁師をしているが1回も聞いたことがない」:

4月4日には、今回の漂着現場からさほど遠くない熊本県天草市沖で、ザトウクジラが定置網にかかっているのが見つかっています:


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耳鳴り


ふだん、耳鳴りが気になったことはほとんどないのですが、きのう(4月8日)は朝起きてから寝るまで耳鳴りが気になりました。ブーンという低周波音で、最初は隣家の古いエアコンの室外機が最大パワーで稼働しているのかなと思いましたが、部屋を移動しても、車に乗ってドアを閉めても音量は変わらず聞こえ続けたため、これは耳鳴りだと観念しました。

そんなわけで、「耳鳴り」についていろいろ調べてみたのですが、Yahoo のリアルタイム検索で表示されたグラフが以下です:


3月31日にピークがあります。翌日の4月1日には三重県南東沖地震(気象庁はM6.1からM6.5に修正)が発生していますが偶然ですよね。

もう一つ、Google Trends で「耳鳴り」の検索ボリュームのグラフを描かせたのが以下です:

こちらは2004年以降、緩やかな減少傾向だったものが、2011年を境に増加に転じています。2011年といえば、あの大災害や過酷事故が起きた年ですが何か関係があるのでしょうか。(上部に「すべての国」と表示されますが、「耳鳴り」という日本語で検索する人は日本人がほとんどと考えられます。)

「頭痛」、「偏頭痛」、「目眩」、「吐き気」、「嘔吐」、「立ち眩み」、「立ちくらみ」、「疲労感」、「肩こり」などでも同じような傾向が見られます。ただし、「鼻血」ではそのような傾向が見られません。また、「目眩」を「目まい」で調べると逆の傾向が見受けられるようです。

【追記】 「Google の地域区分の変更は2011年1月1日に適用されました」とのことなので、2011年を境に傾向が変わるのはその影響を受けているのかも知れません。

自分でもいろいろ試したい方は以下から:

Google Trends はインフルエンザの流行予測にも使われています。検索ボリュームの増減で感染症の流行地や患者数の予測が可能になっています:


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小惑星 2016 GO134 が地球に接近・通過


4月9日午前4時34分(日本時間)、小惑星〝2016 GO134〟が地球に 0.86LD まで接近しました(1LD=地球から月までの平均距離)。

この小惑星は4月6日に発見されたもの、アポロ群に属し、直径は 9~20m と推定されています。

最接近時の地球との相対速度は秒速15.3km(時速約5万5000km)と計算されています。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2016 GO1349~20 4月9日 04:34 0.86


このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


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2016年4月8日金曜日

近畿圏中心領域大型地震 (続報-92)


八ヶ岳南麓天文台の串田氏が4月8日14:00付で更新情報を出しています ― 前兆終息せず、4月9日~10日の対応地震発生は否定:

前回の更新情報の復習です ――
  • 各観測装置の状態 ― 残る前兆はCH21とA1のみ:

    CH17(八ヶ岳) 3月21日から糸状特異状態が継続。4月3日昼から正常基線。
    CH20(八ヶ岳) 3月26.9日から特異状態が継続出現。3月30日夜に特異状態終息、ほぼ静穏状態。3月31.5日と4月2.6日に顕著な基線電圧値低下。新たに4月3.5日に顕著な基線電圧値低下。その後は正常状態。
    CH21(八ヶ岳) 3月26.5日から短時間の糸状状態を経て基線状態が大きく変化。3月30.6日に基線電圧値が再び最低レベルに低下、糸状状態に。4月3日昼に糸状状態終了、特異状態継続。
    A1(秋田) 基線幅増大が徐々に減少中。
    A4(秋田) 記載なし。

  • 前回の更新情報後、4月3.5日にCH20に顕著な基線電圧値低下。4月2.6日と合わせてツインピークス型極大。真の極大は両者の中間の4月3.0日と認識。初現はCH21の糸状状態が始まった3月30.6日として経験則(注)を適用すると、推定発生日は4月9.3日±。静穏期突入は4月7.8日±

  • 2つの大きな変化 (CH21の糸状変化があった26.5日とCH20の特異が始まった26.9日) の中心=3月26.7日を初現、CH20の顕著な基線電圧値低下があった3月31.5日を極大と見なして経験則(注)を適用すると、推定発生日は4月9.4日±。静穏期突入は4月7.1日±

  • 更新情報の時点で新たな前兆は出現していない → 現状の示す4月9日に新たな極大が出現する可能性は考えにくい → 4月9日が対応地震発生日、または、次ステージ前兆の初現出現日。

  • 4月7日深夜に前兆が終息した場合は4月9日が対応地震発生日。

今回の更新情報のまとめです ――
  • 各観測装置の状態

    CH17(八ヶ岳) 3月21日から糸状特異状態が継続。4月3日昼から断続的に正常基線。
    CH20(八ヶ岳) 3月26.9日から特異状態が継続出現。3月30日夜に特異状態終息、ほぼ静穏状態。3月31.5日、4月2.6日、4月3.5日に顕著な基線電圧値低下。4月7日から基線電圧値の低下が継続。
    CH21(八ヶ岳) 3月26.5日から短時間の糸状状態を経て基線状態が大きく変化。3月30.6日に基線電圧値が再び最低レベルに低下、糸状状態に。4月3日昼に糸状状態終了、特異状態継続。
    A1(秋田) 記載なし。
    A4(秋田) 記載なし。

  • 4月8日午後の段階でCH21の特異状態が継続 → 4月9日~10日の地震発生は否定。

  • CH17、CH20、CH21の基線変化を見直し → これまでの初現・極大認識では以下の変化は説明しにくい → 初現・極大認識が誤っていた:

    • CH21の糸状特異は3月26日~4月4日。
    • CH20の電圧値低下変動は4回あったが、それらの中心近くの3月31.5日の低下が最大である。

  • 初現はCH17の糸状特異が出現しだした3月21日。極大はCH20の電圧値低下のピークである3月31.5日。経験則(注)を適用すると4月20日± が算出される。静穏期間は5日間 → 4月15日±まで前兆が継続する。

  • 「これは対応地震発生日が延びたのではなく、初現~極大の関係を誤って認識していたことが原因で、現在はまだ発生するはずがないという認識です。(中略) 大変申し訳ございません。」

推定時期 4月20日±2日

4月15日±に前兆終息が条件。

今回の認識を修正する観測データや解析内容が得られた場合は続報で修正予定。

推定発生時刻 午前9時±1時間 (または 午後6時±3時間)
推定震央領域 更新情報の地図参照。
推定規模 M7.8 ± 0.5
陸域の浅い地震(深さ数km~20km前後)


[極大~発生]/[初現~発生]=13/20[終息~発生]/[初現~発生]=1/6


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2016年4月7日木曜日

海底下の地層への二酸化炭素圧入始まる ― 北海道苫小牧市


4月6日午後から、北海道苫小牧市の出光興産北海道製油所(地図)で、海底下の地層に超臨界状態の二酸化炭素を圧入する実証実験が始まりました。初日は11トン。初年度10万トン、18年度までの3年間で30万トン以上の圧入を計画しています:

二酸化炭素を圧入する地層は、3km沖の萌別層(深度1100~1200m)と滝ノ上層(深度2400~3000m)。

防災科学技術研究所の Hi-net 高感度地震観測網で、圧入地点に最も近いのは「北海道中部(南)」の厚真 (あつま) 観測点です。同地点の連続波形は今のところ静穏ですが、今後を注目したいと思っています:


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原因不明の轟音 ― 高知県高知市、室戸市など (続報-2)


2月29日未明(午前1時~2時ごろ)に、高知県東部4市(高知市、南国市、室戸市、安芸市)で地鳴りのような音がした件について、『高知新聞』が検証記事を載せています。「結局、真相は謎のままだ」:

上記記事は、2月8日に福島県いわき市で起きた「爆発音」事件についても言及しています。「似てますね。何か関係があるのでしょうか」:

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2016年4月5日火曜日

定置網にザトウクジラ ― 熊本県天草市


4月4日、熊本県天草市志柿町(地図)沖の島原湾に仕掛けられた定置網に、ザトウクジラがかかっているのが見つかりました。体長約8m、体重10~20トン。

「島原湾や有明海で網に掛かったり、漂着したりしたクジラは今まで見たことがない」「定置網が破れていたり、尻尾の破片が絡まったりしている。掛かった時には生きていたのではないか」(漁協支所長)、「太平洋を北上するザトウクジラが、ルートを外れて有明海付近まで迷い込んだ可能性がある」(長崎大水産学部教授・鯨類学):


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近畿圏中心領域大型地震 (続報-91)


八ヶ岳南麓天文台の串田氏が4月4日17:30付で更新情報を出しています:

前回の更新情報の復習です ――
  • CH17(八ヶ岳) ― 3月21日から糸状特異状態が継続。極大は3月31.5日。
  • CH20(八ヶ岳) ― 3月26.9日から特異状態が継続出現。3月31.5日と4月2.6日に顕著な基線電圧値低下。
  • CH21(八ヶ岳) ― 3月26.5日から短時間の糸状状態を経て基線状態が大きく変化。3月30.6日に基線電圧値が再び最低レベルに低下。
  • A1、A4(秋田観測点): 記載なし。

  • 2つの大きな変化 (CH21の26.5日とCH20の26.9日) の中心=3月26.7日を初現、CH20の顕著な基線電圧値低下があった3月31.5日を極大と見なすと4月9.4日± が推定日。

  • CH21の基線電圧値が低下した3月30.6日を初現、CH20の顕著な基線電圧値低下があった4月2.6日を極大と見なすと4月8.2日± が推定日。

  • CH17の糸状特異は先行特異の可能性。先行特異に関する経験則 [初現~極大]/[極大~発生]=1/1 を用いると4月10日±2日が推定日。

今回の更新情報のまとめです ――
  • 各観測装置の状態:

    CH17(八ヶ岳) 3月21日から糸状特異状態が継続。4月3日昼から正常基線。
    CH20(八ヶ岳) 3月26.9日から特異状態が継続出現。3月30日夜に特異状態終息、ほぼ静穏状態。3月31.5日と4月2.6日に顕著な基線電圧値低下。新たに4月3.5日に顕著な基線電圧値低下。その後は正常状態。
    CH21(八ヶ岳) 3月26.5日から短時間の糸状状態を経て基線状態が大きく変化。3月30.6日に基線電圧値が再び最低レベルに低下、糸状状態に。4月3日昼に糸状状態終了、特異状態継続。
    A1(秋田) 基線幅増大が徐々に減少中。
    A4(秋田) 記載なし。

  • 残る前兆はCH21とA1のみ。

  • 前回の更新情報後、4月3.5日にCH20に顕著な基線電圧値低下。4月2.6日と合わせてツインピークス型極大。真の極大は両者の中間の4月3.0日と認識。初現はCH21の糸状状態が始まった3月30.6日として経験則(注)を適用すると、推定発生日は4月9.3日±。静穏期突入は4月7.8日±

  • 2つの大きな変化 (CH21の糸状変化があった26.5日とCH20の特異が始まった26.9日) の中心=3月26.7日を初現、CH20の顕著な基線電圧値低下があった3月31.5日を極大と見なして経験則(注)を適用すると、推定発生日は4月9.4日±。静穏期突入は4月7.1日±

  • 更新情報の時点で新たな前兆は出現していない → 現状の示す4月9日に新たな極大が出現する可能性は考えにくい → 4月9日が対応地震発生日、または、次ステージ前兆の初現出現日。

  • 4月7日深夜に前兆が終息した場合は4月9日が対応地震発生日。


推定時期 4月9日 (または最大誤差を考慮して 4月10日)

4月7日夜に前兆終息が条件。

4月8日段階で前兆が継続している場合は、4月9日±から次前兆の初現出現の可能性があり、再考する。

推定発生時刻 午前9時±1時間 (または 午後6時±3時間)
推定震央領域 更新情報の地図参照。
推定規模 M7.8 ± 0.5
陸域の浅い地震(深さ数km~20km前後)


[極大~発生]/[初現~発生]=13/20; [終息~発生]/[初現~発生]=1/6


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