7月29日、国際宇宙ステーション(ISS)にロシアの多目的実験モジュール(MLM)「ナウカ」がドッキングしました。その約3時間後、MLM のスラスター(姿勢制御や軌道の微修正などに使う小型の噴射装置)が想定外の噴射を始め、ISS が姿勢を崩したことに地上の飛行管制チームが気づきました。管制チームは ISS の姿勢を回復し、宇宙ステーションの動きは安定しているとのことです。ISS の乗員に危険が及ぶことはありませんでした:
ロシアの宇宙機関ロスコスモスは、国際宇宙ステーションの予期せぬ傾斜はソフトウェアの不具合によるものだったと発表しています。「ドッキングから約3時間後、多目的実験モジュールが突然スラスターを噴射し始め、約45分間にわたって宇宙ステーションが通常の姿勢から傾いてしまうという、エンジニアが『姿勢制御の喪失』と呼ぶ事態が発生した」、「短期的なソフトウェアの不具合により、多目的実験モジュールのエンジンを噴射して宇宙ステーションから離脱するという直接のコマンドが(ドッキング中にもかかわらず)誤って実行されたため、宇宙ステーション全体の姿勢が変化してしまった」:
多目的実験モジュール「ナウカ」は、ロシアがこれまでに打ち上げた宇宙実験室の中で最大のものです。本来は 2007年に打ち上げられる予定になっていましたが、さまざまな問題、たとえば燃料系に金属片が混入しているのが発見されるなどがあって延期され、ようやく今年 7月21日に打ち上げにこぎ着けたものです。しかし、打ち上げ後もトラブルが発生し、国際宇宙ステーションとのドッキングに向けて接近中にメイン・エンジンが正常に機能しなくなり、ドッキングが延期される事態となっていました:
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