「これまで世界各地で発生したM9以上の巨大地震は、例外なく火山噴火を誘発した」(資料)ということで、2011年3月の東北地方太平洋沖地震の後、いつ噴火するかと注目を集めた富士山ですが、その後どうなっているのでしょうか。今のところ、いたって静穏というのが答えです。もちろん、今後急変しないとは言い切れませんが。
以下は、気象庁が5月12日に発表した「富士山の火山活動解説資料(平成26年4月)」(PDF形式)からの引用です:
2011年3月15日に静岡県東部(富士山の南部付近)で発生したマグニチュード 6.4 の地震以降、その震源から山頂直下付近にかけて地震が増加しました。その後、地震活動は低下してきています。
深さ 15km 付近を震源とする深部低周波地震は少ない状況でした。
火山性微動や浅部の低周波地震は観測されませんでした。
GNSS 連続観測では、火山活動によるとみられる変動は認められませんでした。
上記の解説資料注に載っている「時空間分布図」や「M-T図」を見ると、地震活動が着実に低下してきていることがわかります。
富士山の代わりに、小笠原諸島の西之島が新島を形成するほどの激しい噴火を起こしています。これが東北地方太平洋沖地震に誘発されたものか否かは定かではありませんが、これで誘発噴火はピリオドということにしてもらいたいものです。
関連記事
- 全国の火山活動の評価 (10年2月3日)
- 火山活動解説資料(平成22年3月分) (10年4月9日)
- 箱根山の地震 (10年9月14日)
- 異常湧水 ― 静岡県富士宮市 (10年10月22日)
- 黒い砂 (10年12月16日)
- 卯年に起きた大惨事 (11年1月9日)
- 富士山のマグマだまりにひび (11年12月11日)
- 箱根火山で群発地震 (11年3月11日)
- 箱根火山で群発地震 (続報) (11年3月14日)
- 今年も異常湧水 ― 静岡県富士宮市 (11年9月19日)
- 富士山の麓は「水浸し」状態 (11年10月2日)
- 毎月11日前後の地震 (12年1月14日)
- 異常湧水に収束の兆し ― 静岡県富士宮市 (12年1月25日)
- 山梨県東部の地震と富士山 (12年1月29日)
- 富士山に〝農鳥〟出現 (12年2月4日)
- 異常湧水に収束の兆し ― 静岡県富士宮市 (続報) (12年2月12日)
- 富士山3合目付近で湯気 ― 気象庁 (12年2月18日)
- 富士山3合目付近で湯気 ― 気象庁 (続報) (12年2月29日)
- 富士山3合目付近で湯気 ― 気象庁 (続報-2) (12年3月8日)
- 富士山で大規模な崩落 (12年4月27日)
- 富士山に亀裂 (12年7月10日)
- コウモリ大群の異常行動 ― 富士山 (12年9月1日)
- 富士山噴火 Xデーの予兆? (12年9月3日)
- 震災で富士山マグマ溜まりに圧力 (12年9月7日)
- 政府インターネットテレビ「火山災害から ・・・」 (12年10月22日)
- 3・11以降に現れた富士山噴火の前兆 (12年10月24日)
- 富士山は異常なし、ただし ・・・ (12年10月25日)
- 本当に怖いのは南海トラフ巨大地震より「富士山噴火」? (12年11月13日)
- 富士山の小規模噴火に注意 (12年11月22日)
- 河口湖の水位が大幅低下 ― 山梨県河口湖町 (13年3月24日)
- 河口湖の水位が大幅低下 ― 山梨県河口湖町 (続報) (13年3月28日)
- 富士山直下の地震 (その1) (13年4月3日)
- 富士山で大規模地割れや陥没 (13年4月10日)
- 河口湖の水位が大幅低下 ― 山梨県河口湖町 (続報-2) (13年4月10日)
- 富士山噴火と琵琶湖地震 (13年5月13日)
- 富士山で深部低周波地震が一時的に増加 (13年8月9日)
- 富士山で地殻変動? (13年10月24日)
- 河口湖の水位が大幅低下 ― 山梨県河口湖町 (続報-3) (13年10月28日)
- 「富士山噴火まで2年切った」 (13年11月12日)
- 富士山で深部低周波地震 (13年11月15日)
- 富士山頂から何かが出ている? (13年11月29日)
- ファンの熱狂が地震計を揺らす (13年12月5日)
- 富士山の低周波地震 (14年2月27日)