2010年10月15日金曜日

核実験が白頭山噴火の引き金に?

以前から噂としてささやかれていましたが、北朝鮮の核実験が白頭山(ペクトゥサン)の噴火を誘発する可能性があるのだそうです:

この発表には韓国の与党・ハンナラ党の政治家が絡んでいますので、核実験と白頭山の噴火を無理矢理結びつけようとしているようにも思えます。

朝鮮語からの翻訳記事ですので不自然になっているのかも知れませんが、「白頭山の下に流れる4つのマグマ層」という記述には違和感があります。火山の下に複数のマグマ層があって、それが流れているというようなことが本当にあるのでしょうか。

発表では 「核実験の場所は、白頭山から約110キロメートル離れていたが、白頭山の地下と繋がっている1つのマグマ(地下10キロメートル地点)と2層のマグマ(地下20キロメートル地点)は、核実験の場所のすぐ下を通っている。白頭山と繋がっているマグマ層と核実験場所との距離は、8キロメートルしかないため、核実験がマグマ層を刺激した可能性が高い」 としていますが、たかだか 15キロトンと 20キロトンと見積もられている 2回の核実験が 110km も離れている火山に影響を与えるものでしょうか。

2006年 10月 9日に行われたとされる 1回目の核実験の 9日後(10月 18日)、ロシアの気象衛星が白頭山の頂上から高温ガスと熱が噴出したのを測定したとの記述にも疑問があります。仮に事実であっても、「高温ガスと熱の噴出」と核実験を結びつける根拠は薄弱です。それ以前にはまったくなかった現象なのでしょうか。それまでにも 「高温ガスと熱の噴出」 が起きていたのだとすれば、たまたま核実験の 9日後にもその現象がおきただけ、ということも十分にありえます。


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