2011年10月28日金曜日

セネカ・ガン発生か ― 米国ノース・カロライナ州


10月20日午後3時ごろ、米国ノース・カロライナ州(地図)南東部の大西洋に面した地域で、原因不明の轟音と震動の報告が相次ぎました。セネカ・ガンという現象ではないか、と以下の記事は指摘しています:
少し前にも同様の現象があったらしく、記事には〝Once again〟と書かれています。

9月28日の朝には、サウス・カロライナ州チャールストン(地図)一帯で同様の現象が報告され、セネカ・ガンではないかと取りざたされています:
いずれの場合も、地震計に地震は記録されていません。後者の記事では、衝撃波を発生させるような空軍機が現場付近を飛行していた事実はないと空軍が回答していること、現場付近の海上を航行していた船舶から沿岸警備隊への報告はなかったこと、が書かれています。

セネカ・ガンについては、米国地質調査所(USGS)のサイトに以下のような解説があります(Earthquake Booms, Seneca Guns, and Other Sounds):
The name originated in a short story that James Fennimore Cooper wrote during the 1800’s. The name refers to booms that have been heard on the shores of Lake Seneca and Lake Cayuga in New York State. The name has been applied to similar noises along the coasts of North Carolina, South Carolina, and Virginia. Similar booms are called Barisol guns in coastal India. These phenomena have also occurred in three widely separated places around the world. That’s about all we know about the Seneca guns.

セネカ・ガンという名称は、ジェームズ・F・クーパーが 1800年代に著した短編小説に由来する。この名称は、ニューヨーク州にあるセネカ湖とカユーガ湖(地図)の沿岸で聞こえる轟音を指している。この名称は、ノース・カロライナ州、サウス・カロライナ州、バージニア州の(大西洋)沿岸で聞こえる同様の音を指すのにも使われている。これと同様の音は、インドの沿岸部ではバリソル・ガン(Barisol gun)と呼ばれる。これらの現象は地球上の遠く離れた 3つの場所でおこっている。これが、セネカ・ガンについてわれわれが知っているすべてである。
ウィキペディアの〝Seneca Lake (New York)〟の項には、〝Guns of the Seneca〟というサブ・タイトルのもとに次のような記述があります:
Seneca Lake is also the site of a strange and currently unexplained phenomenon known as Mistpouffers. In this area, they are called the Seneca Guns, Lake Drums, or Lake Guns. These are mysterious cannon-like booms and shakes that are heard and felt in the surrounding area. The term Lake Guns originated in the short story "Lake Gun" by James Fenimore Cooper in 1851. Many believe that they are caused by giant air bubbles from deep in the lake bursting on the surface, which is not believed to be true. Others equate it with Indian folklore. The most likely explanation is due to sonic booms from military aircraft, though this does not explain the sounds heard during Cooper's time.

セネカ湖は、〝Mistpouffer〟として知られる奇妙な原因不明の現象がおこる場所でもある。この地域では、セネカ・ガン、レーク・ドラム、レーク・ガンなどとも呼ばれる。この不可解な大砲のような轟音と震動は、湖の周辺で聞こえ、感じられる。レーク・ガンという用語は、ジェームズ・F・クーパーが 1851年に著した短編〝レーク・ガン〟に由来する。湖の深みからわき上がってきた巨大な空気の泡が水面ではじけるときに、このような音と震動が発生すると多くの人は考えているが、信憑性はない。他の人たちは、この現象をアメリカ先住民(インディアン)の伝承と結びつけている。最もありそうな説明は空軍機から発生する衝撃波であるが、クーパーの時代に聞こえていた轟音を説明することはできない。

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