以下は6月3日に開かれた第129回火山噴火予知連絡会で使われた資料です:
- その6 関東・中部地方 (PDF形式、19MB)
- その8 東北地方 (PDF形式、10MB)
上記の資料に載っている富士山と秋田焼山(地図)の観測データの3月分に不自然な変動が記録されています。
まず、富士山。上記「その6」の90ページに「富士山に於ける全磁力連続観測結果」と題するグラフが3つ載っているのですが、一番下の「富士市」観測点を基準にした「M富士御庭A」観測点の3月の数値が大きく落ち込んでいます。本文には「『M富士御庭A』に3月から見られる 4~6nTの変動は、他の観測点には見られず、観測点周囲の積雪等による局所的な変動の可能性もある」(nTはナノテスラの略)と書かれています。
北半球にある火山の全磁力観測では、火山体の北側の観測点で全磁力が減少し、南側の観測点で全磁力が増加した場合は、火山体内部で帯磁傾向が強まっている、すなわち火山体内部の温度が低下していることを示していることになります。「M富士御庭A」観測点は富士山の北側、基準としている「富士市」観測点は南側にあるので、もしグラフに現れた変動が本物であるならば、富士山の地下の温度低下を示しているということなのですが。
次に、秋田焼山。上記「その8」の24ページに「第7図 秋田焼山 GNSS基線長変化図(2010年10月~2014年4月30日)」という2つのグラフが載っています。その2つのグラフの右端に、V字形の大きな変動が現れています。注釈には「2014年3月以降、新玉川温泉観測点では原因不明の変動が観測されているが、火山活動に起因するものではない」と書かれています。
新玉川温泉と北東にある鹿角2観測点の間が数センチ伸び、新玉川温泉とほぼ西にある阿仁2観測点の間が数センチ縮む変動なのですが、原因は何なのでしょうか。前者の基線は秋田焼山の山麓を横切っているので、火山性の変動であれば山体の膨張を示していることになります。これも、富士山の場合と同様に積雪の影響ということなのでしょうか。
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