1月16日付「南海トラフ: スロースリップを沖合の海底で初確認」の補足です。
一般の報道では、以下の図があまり掲載されていませんでした。今回の研究で示された海底の地殻変動のベクトルです。概ね南向きに 5〜8cm の移動(変位)が観測されています:
Credit: 東京大学生産技術研究所 Institute of Industrial Science, the University of Tokyo |
海底にはGNSS(GPS)の電波が届かないので、GNSS-音響測距結合方式を使って海底の移動を観測したとのこと。同方式は「海上の船舶の精密位置を決定するGNSS測位と、船舶と海底のトランスポンダー(音波送受装置、海底局)との距離を測定する音響測距を組み合わせることで、海底のトランスポンダーの位置を精密に決定する手法」です。
(図および GNSS-音響測距結合方式の説明部分は、東京大学生産技術研究所のウェブサイトより引用しました。)
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